活字日記

毎日読んだ活字系(雑誌、本、新聞、冊子)を可能な限りレポートします。

【8月16日】

2006-08-16 | 文庫
 新青年傑作集の残っていた半分を一気に読んでしまいました。病院の待合室で2時間も待っていたので読めてしまったわけです。どうもこの時代の小説にはキチガイとか精神病とかが犯人の性格である設定がけっこうあって、現代ではそういう設定は用いられないわけですから、当時のものの見方が反映されていると思います。
 面白かった一編は三人の日記というもの。薬剤師と担当医師と病人本人の同じ時期の闘病記を三者の立場から日記という形で並べたのですが、なかなかの習作だと思いました。三稜鏡というのも今言った精神病をあつかった現代では設定不可な内容なのですが、ちょっとおどろおどろしい内容でそれなりに面白かったです。

「新青年傑作選」光文社文庫
コメント
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