黒いマナー酒井 順子文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
悪口にも作法あり。
「負け犬」の著者が贈る格差だらけの現代のためのちょっと黒いマナー本。
おつきあいのマナー(食事のマナー;メールのマナー;受験のマナー;注意のマナーl謝罪のマナー)
季節のマナー(都会のマナー;別れのマナー;贈答のマナー;パーティーのマナー;年賀状のマナー)
関係性のマナー(母と娘の間のマナー;格差マナー;自慢のマナー;勝負のマナー;プライバシーのマナー)
危険なマナー(ハゲのマナー;露出のマナー;年齢のマナー;マナーのマナー)
『負け犬の遠吠え』のエッセイスト酒井順子さんの新刊です。タイトルからして興味を惹かれ、数軒本屋を回ってやっと購入。
最初の方、「おつきあいのマナー」とかは目新しさがなくてハードカバーで買ったことを後悔しましたが、後半からどんどん面白くなっていきました。理由としては、思ってるけど口に出したら腹黒いと思われるのでは?というようなことをしっかり書いて下さっているから!「関係性のマナー」&「危険なマナー」などはふむふむとうなずきっぱなし。
ただ、この本の面白さって世代間格差もあるように思えます。そんなん当たり前やん、と思うこともあるだろうし、ええ~っ、あの言葉にはこんな裏があるなんてサイテーと思うこともあるかもしれません。いひひ、人間には裏があるのだよ。
マナー、って他人がいるから必要になるもの。自分ひとりだったら必要ないんですよね。当然いろんな人がいるわけで、価値観なども違ったり変わってきたりでマナーのあり方も変化します。
私の場合は何かあったらお礼状やお礼メールを送らなきゃ!と思う質なのですが、これも相手によっては負担に感じる、と書かれてあって「なるほど」と思いました。送られた方はそれに返信をしなくちゃいけませんから。かといって、お世話になってなにもしないってのも居心地悪い。お付き合いとは難しいものですね。
先日もお世話になっている方にお菓子詰め合わせをお贈りしたのですが、「なんでこんなもんをくれるねんや」と家族間の会話があったそうです。家に泊めていただいたのでお礼の品を、と思ったのですが。しかし、その後私がカーテンレールを壊したことが露呈してしまいました。あ、あれは、謝罪の品です?!
「近い間柄であるからこそ顕在化しやすい、母と娘の齟齬」という「母と娘のマナー」に楽になりました…。他にもそんな人いるんやな。救われたような気がしました。