昨年、文庫版が発売されてすぐに買ったにもかかわらず一年ほそ積読。
その間に進む老眼。進まない読書。
意を決して、ページを開けた。
…3分の1ほどまで読む方がつかめず。苦労。
で、これ誰?と巻頭の系図を見返すことメニー。
コロンビアの架空の場所を舞台にしたある一族の繁栄と滅亡。
最後の方には電車や飛行機がでてくるのでその時代としてさかのぼるのこと100年。これは…ファンタジー?という冒頭の物語。
あれ?これ読み進められるかな…という不安。
人物像も出来事も風景、どこか昔話のような、詩のような表現で、いったいほんとにあったことはどれなのか?
3分の1までつかみがたかったのはこれが理由。
それを過ぎてからは読み方をつかみ、どんどん読み進めた。
登場人物誰にも共感できないのは文楽も一緒か。
いや、そんな問題ではない。
共感とかそんなのどうでもいい。
「絶対に泣ける」「三分に一回泣く」みたいなキャッチーな広告とは真逆の読書体験。
一族の破滅の物語としらない方が最後の驚きはあったのだろうか。
まあ、予想はついたと思うけど。
最後の瞬間に向かって積み上げられる悲しい現実。
そして、最後は。
この美しい景色のためにここまで来たのだ。