天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

増山実『今夜、喫茶マチカネで』

2024-10-16 11:56:26 | 
 
マチカネと聞いてピン!とくるのは、北摂地域をウロウロしているひとくらいだろうか。
かくいうわたしもマチカネよりもマチカネワニという阪大のあたりで見つかったワニの化石のことで知っているくらい。
川西市の本屋をうろうろしていたときに店内のポップを発見「阪大前石橋駅あたりが舞台になっている小説」しかも、阪大前石橋駅あたりでお会いする方が著者や。

そんなわけで、本作は石橋がでてくる。わたしも学生時代に通った町(とはいえ阪大ではない)。モデルになったあたりの30年前の雰囲気を知ってる。本屋はあこや。そして住人ではなかったので知らない景色もある。
北摂地域のちょっとした戦後史。

喫茶店の閉店を前にひとりずつちょっと変わった話を語っていく。

銭湯の中にあった滑り台、マチカネワニの話、反戦運動…話者の人生とちょっとした場所の関わり、連作短編集のようだけど場所が大きな幹となり一遍の小説へ。

待兼山奇譚倶楽部は一冊の本となり、生きた証となる。
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銀太郎さんお頼み申す5

2024-09-22 20:58:46 | 
 
7月にすでに出版されていたのを知らず今頃入手。

今時のわかもんが着物の師匠(元芸妓)に出会、い、着物沼にはまっていく話の最新刊。
今回は主人公さとりのお母さんと姑の着物をめぐる話、輪島の民芸、いまどきの結婚式出席衣装問題、更紗とやはり盛沢山。
輪島の民芸の話がでてきたのは、地震のことがあったから?と思ったらまた水害で胸が痛む。

結婚式出席問題はおととし身近なひとから娘が妹の結婚式で振袖を着ないと言っているというはなしを聞いていたので、目立ちたくない、振袖は主役をくうからNGというのがまかり通っているのかとびつくり。解決は呼ぶ方のお母さんの意向を確認することだったけどなかなか難しいもんですな。
まあ、着付けやらでもお金かかるけど、華やかでいいのにね。

最後は更紗のはなし。わたしも更紗は(もらいものの)帯で2本持っている。着物を着ないひとい現代っぽい帯と言われたけどさとりみたいな感覚だったんだろうなあ。そして、もっと欲しくなった。
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再購入

2024-03-07 22:16:28 | 
『動物のお医者さん』はリアルタイムで全巻購入していたのに破棄して十数年…、

今年新装版が1ケ月に一巻発刊される!
やったあ!買い直すぞ。

と思いつつも1月中は買わず2月末に書店に行き、ミケの表紙が新しく並んでいるのを見て気が付いた。

買い忘れてる!!
ところが1巻がないないない。店頭売り切れ。
その後無事に他の書店で発見。

そして、買ったものの一気に読むのがもったいなくて少しずつ読んでいる。
だって何回も何回も読んでるから。
最初に読んだのは高校生の頃か。しみじみ。








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東村アキコ『銀太郎さんお頼み申す』4巻

2024-02-28 01:31:00 | 



着物漫画、4巻がでてた。
居ても立っても居られず本屋へ。
今回は銀太郎さんの切ない過去が明らかに。
出てきた着物は青海波に浜千鳥、(にべ)色の色喪服。
悲しいエピソードなのに色喪服のことなど、なるほどと思える蘊蓄あり。

ブレンド寄席で都師が二葉さんはいい着物をセンス良く着ている。うちの弟子はわたしの着物をたたんで(生地の良さを)知ってるはずやのに、と嘆いてはったけど、確かにええ生地のは触るだけでも気持ちが豊かになる。とかいいながら、ザラっとした綿や紬も触るのが好き。わたしがコレクターになってるのは生地を触りたいからやなあ、と着物を触りながらいいわけ。
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アリエット・A・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事」

2024-02-02 22:07:26 | 
 
アメリカの奴隷制度が存在していた時代のある女性が書いたノンフィクション。
克明に描かれる奴隷である黒人女性の境遇に、自分が奴隷制度のことを知らないのだと実感した。
当時、主人に買われた奴隷たちは市場のようなところで競売にかけられる。女性が生んだ子どもはその主人の持ち物になる。まさに家畜。
家畜と違うのは女性は時に主人の性の対象となること。それも不道徳な。町には肌の色がまちまちの奴隷がいた。父親である主人は、奴隷に婚外子を産ませても咎められない。
リンダという少女は主人の性的虐待から免れるために別の白人の子どもを宿す。それでも、この主人は執拗に彼女の人生を追いかける。

彼女と二人の子どもは自由を手に入れることができるのか。

この作品は作者の手によって奴隷解放運動の中で出版されたものの克明な記録がかえってフィクションに思われており、実話と証明されたのは1986年のこと。そこからこの本はベストセラーになった。

主人公リンダは、白人の愛人となり子どもを産んだが結婚することもなく、またことさら助けられることもない。周囲の人の助けと冷静な判断、粘り強く時を待つことにより道を拓いていく。

実際の奴隷制度について知ることだけでなく人としての尊厳とはということにも考えさせられた。
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村木嵐『まいまいつぶろ』

2024-01-16 23:14:00 | 
今回の直木賞候補作。
明日の発表までに読了。

障害がありことばが不明瞭であったとされる徳川家重とその言葉が分かった家臣、大岡忠光を描いた時代小説。

「大奥」で、三浦透子がしてた役だなぁと。あれは男女逆転大奥だけど。漫画「大奥」で、その存在を知りもっと知りたいと検索していたので先を知りたいと集中して読んだ。

史実として残る
障害があったこと
(それにより癇癪持ちだったこと)
将軍になったこと
言葉を解せる家臣がいたこと

それがなぜだったのか、どう対処して乗り越えたのか、史実と想像でつなぎあげたのは、不自由であったであろう家重がまた出会えるのならもう一度生まれ変わってもこの身体でよいと言わしめた友との生涯の交わりだった。

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KIMONOanne. vol.5

2023-11-15 23:43:00 | 


一年に一回でるMook本。
付録目当てでもある。
今回は国芳好きにはたまらんトートバッグ→でかい!広がるとレジャーシートにもなるので着替えの時の敷物になるらしい。

踏めませんけど!

最近の着物インフルエンサーさんかくさん。ずっと昔から見てると思ってたけど今年の1月にブレイクしたところらしい。売れてからのスピード感すごい。


コーディネートは若向けではあるがカジュアル嗜好のわたしは見てて楽しくヒントがいっぱい。
好みのレース着物作家さんをこの雑誌で見つけたし、行ったことあるムジンキモノも紹介されてた。

博多のブティックモアにも行ってみたい。
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『ある行旅死亡人の物語』

2023-10-12 23:27:00 | 


事故物件のサイトが有名だけど行旅死亡人データベースというサイトにもドラマがある、ように思える。
人は亡くなり身寄りがない場合は官報に載るらしい。
なので、官報が転載されたデータベースには行き倒れでなくなった人だけでなく、住居に住んでいても(おそらく住民票はあるのだろう)これこれこういう人が亡くなったが身寄りはありませんかという問いかけが掲載されている。

変わったところでは、ある学校の骨格標本が本物だったが誰か知りませんかなど。この標本は随分以前から学校にあったので事件性はなく戦前にはそういうのもあっただろうなということで事件性はないらしい。だが、親族もみつからないだろう。

ある時、ネットのニュースにそういう中のひとりの方の足跡を追いかけて身元を特定した読み物が掲載された。
尼崎のあるアパート、お風呂もないようなアパートで身寄りのない女性が亡くなっていた。金庫には3700万円もの大金があったが彼女の戸籍が分からないため、遺産が宙に浮いたままだったのだ。
その方を追った若き新聞記者のレポートで、やがて一冊の本として出版された。
結果的には身元は分かるのだか、どう生活していたかは謎のまま。本人が役所のみならず地域、友人とつながりを絶っていた意思の理由は分からないがまっとうし亡くなった。
大金に思えるが「いい時代」に生涯働き続けた人は貯められたのかもしれない。亡くなったときは80代だった。国民健康保険の類にも入ってなかったようなのでなぜそんなに頑なに身元を隠して生活していたのかは分からない。
これがノンフィクションなんだと思う。

彼女が40年近く共に過ごした名前をつけたぬいぐるみが切なくもあり、またこの子がいてよかったと思うわたしもいる。
購入した時のレシートが残っていたテレビは、わたしも立ち寄ったことがある尼崎駅に直結した家電量販店のものだった。どこかですれ違っていたのかもしれない。たんくんと名付けられたぬいぐるみと暮らしていた彼女と。







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東村アキコ『銀太郎さんお頼み申す3』

2023-10-03 22:17:00 | 
新刊が出たと知り、本屋まで走って行って購入。田舎の本屋、最後の一冊だった。セーフ。

今回は夏の話が多く、お召し物は夏着物。最後の話の銀太郎さんの着物も透け感を感じた。きっとええやつ。
さとりが着物を仕立てる展開に影響を受けやすいわたしは

わたしも反物から選びたい

夢✨
お金のことよりも(いやもちろん気にはないとはいけないが)手持ちの着物の量や。問題は。
   

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朝井まかて『朝星夜星』

2023-09-06 23:54:00 | 


朝井まかて『朝星夜星』読了
幕末から明治にかけて、長崎、大阪で洋食屋(やがてホテルに)を開いた夫婦を妻の目から描く。女の一生でもある。
ラストのユーモアあふれる描写に泣きそうになった。ネタバレになるから書かないけど。
「君が代」や夫を支え家を守る妻の役割は明治以降のものなんてことがサラッと書かれていて、あ、そうかと。この視点、俯瞰で書いていてこそ。
主人公が「お家さん」になることが説明なく書かれていて、相変わらずの情報量。一体どれだけ調べて肉にしてはるのか。連載後、親族から連絡があり取材された分が加筆されてるとか。
中之島あたりの大大阪の雰囲気もよく分かった。自由亭の大阪での出発地梅本町は母校の母体教会のあったところや。こういう雰囲気の町やったのね。

五代友厚が出てくるので余計に重なるのだが、幕末から洋食の世界に飛び込んだ草野丈吉はファーストペンギンであったことよ。
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『BANANA FISH』

2023-09-01 19:38:00 | 
 
いまさら、『BANANA FISH』完走。
連載当時はひっからず。
終了後一度文庫1巻を買うもひっかからず。
この度、読み始めると止まらないやめられない。

感想、リアルタイムで読んでいたら落ちていたであろう。

いま読むと、本編ラストはあれしかないとは思う。
のと、番外編、とりわけ後日談という救いがあるかどうかは大きい。

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『神客万来』5巻

2023-08-26 23:24:00 | 


みんなが知ってる物語の登場人物や怪なものがやってきて泊まる人間が運営してる心尽くしがある特別なホテル
を舞台に展開するファンタジックかつ、主人公の若い女子のリクルートやら恋やらの漫画。

さて、今回のお泊まり客のひとりは妖怪枕返し。いつもはひとの枕を返してるので自分の枕を返して欲しいというのがリクエスト。
妖怪や幽霊、ファンタジックな物語の登場者の悩み解決譚、現代の悩みにも通じるように書いてて読みやすいし楽しい。

主軸の話も今回大きく動いたので次巻が楽しみ。
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朝井かまて講演会

2023-06-18 23:01:57 | 
同じ時刻にレッスン(ボーカル)が入っていて、それでもチケットがとれたらレッスンはキャンセルやむなしと思っていたら、チケットはとれるし、レッスンも時間変更できて、行動してみるもんだな、と。
朝井まかてさんの講演会は久しぶり。今期の朝ドラのモデルを扱った小説『ボタニカ』を中心とした話。朝ドラは見てないけど、作品は読んでいたので興味深い話の数々だった。
読んでの感想として、なんてはた迷惑な人なんだ!と思っていたし、実際振り回された人もいるのだからそれはそうなんだろうけれども、60代や70代での屈託のない写真を見ると、天真爛漫さがひとを集めたのだな、と。
作品を書き終わったあとに分かったことも当然あるし、すべてを描き切れたわけじゃない。ちょうど、会場の登場者のひとりに繋がりが(遠いけど)あるひともおり、ドラマはあちこちに存在していて、作家というフィルターを通して作品になるには、事実を積み重ねたうえでの再構築が必要なわけで、一冊書き上げるまでの労力は計り知れない。

そして、サイン会つきとは知らなかった。その場で2月に出た最新刊を購入。
まかてさん「書いてるの?え、書いてない?なんで?」

…落語してたら書くほうまでなかなかです。書くなら新作落語やな(できるかい)



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東村アキコ『銀太郎さんお頼み申す2』

2023-05-25 22:47:00 | 


今日が発売日と知り本屋に走る。
それほどまでに楽しみにしていた新刊漫画。
25歳のフリーターが着物の師匠と出会って沼にハマっていく内容で、わたしとは違い正統派の着物道。

で、これを読んでから古典柄に興味が。いかん、増やさないぞ。もう、増やさないぞ!
今回は師匠銀太郎さん(元芸妓)の過去も少しずつ明らかに。

それにしても、着物は場所を作ると増えて行くという言葉に頷いた。
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『文系の私に超わかりやくす統計学を教えてください』

2023-05-11 22:37:43 | 
どうして”心理学”に統計学が必要なのだろうか…。
放送大学で学部に在籍しているわけではないが、ゆくゆくは学部卒くらいの知識が得たいと心理学では統計学が必須なのでこの機会にとってみた。
※前期でいったん区切りはつける



それに、コロナ禍でドクターたちが「データのとり方を間違えている」と都合よく解釈してコロナ対策を批判するひとたちのことを言っていたので、統計学とはなんぞやに踏み入れてみようと。


結果

気楽に足を踏み入れていい世界じゃなかった…。

算数でつまずいたわたしにはなんとハードルの高い世界。
一緒にとっている学習心理学にも理解しないまま進めても学習効果はないと言っていた。その通りだ。わたしは身に染みているなう。

そこでこの本を購入してみた。

 
たしかに分かりやすい
内容は先生と文系との対話式。

が、統計学の数式は、そういうもんなのでそのまま覚えて ということが多い。
いやそういうもんなんだろうけど。
まあとにかく数式は分からんくてもデータとはなんぞやまではなんども読んで理解しよう。
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