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天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

ガルシア=マルケス『百年の孤独』

2025-08-28 21:13:31 | 
 
昨年、文庫版が発売されてすぐに買ったにもかかわらず一年ほそ積読。
その間に進む老眼。進まない読書。
意を決して、ページを開けた。

…3分の1ほどまで読む方がつかめず。苦労。
で、これ誰?と巻頭の系図を見返すことメニー。

コロンビアの架空の場所を舞台にしたある一族の繁栄と滅亡。
最後の方には電車や飛行機がでてくるのでその時代としてさかのぼるのこと100年。これは…ファンタジー?という冒頭の物語。
あれ?これ読み進められるかな…という不安。
人物像も出来事も風景、どこか昔話のような、詩のような表現で、いったいほんとにあったことはどれなのか?
3分の1までつかみがたかったのはこれが理由。
それを過ぎてからは読み方をつかみ、どんどん読み進めた。

登場人物誰にも共感できないのは文楽も一緒か。
いや、そんな問題ではない。
共感とかそんなのどうでもいい。
「絶対に泣ける」「三分に一回泣く」みたいなキャッチーな広告とは真逆の読書体験。

一族の破滅の物語としらない方が最後の驚きはあったのだろうか。
まあ、予想はついたと思うけど。
最後の瞬間に向かって積み上げられる悲しい現実。
そして、最後は。

この美しい景色のためにここまで来たのだ。

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彬子女王『赤と青のガウンオックスフォード留学記』

2025-07-18 23:11:11 | 
 
旧ツイッターでバズって絶版だった本が文庫になって販売されたというマジプリンセスのシンデレラストーリー。今時はほんとSNSでどう当たるかで売り上げが変わる。
わたしが興味を持ったのは文系の研究者である著者の研究について。(常に警護のひとがついていて、ひとりで街をはじめて歩いたのがロンドンだったという宮家の方の浮世離れした生活ももちろん興味深いけど)
赤と青のガウンは博士号を取得したものに許されるガウン。それを着られるようになるまでの研究日記で、読んでいて

胃が痛くなる、修士号取得者(わたし)

著者の専門は日本美術。それがなぜオックスフォードで?というのは専門を変えたこととなによりイギリスに多くの日本の美術品があるから。またその先行研究をしている日本語の堪能な日本人ではない先生方もいて、世界の広すぎさにも感嘆。
特異な家庭環境というか特異な生い立ちも併せて読んでいておもしろかった。
 
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村井理子「兄の終い」

2025-07-08 21:21:59 | 
 
もう何年もツイッターをフォローし、ウェブエッセイも読んでいる翻訳家、エッセイストの村井理子さんのベストセラー「兄の終い」が映画化されるというので、映像を見る前に原作を読む。
これはノンフィクション。著者が体験したことが詳細に書かれているが心の動きもつぶさに描かれているので、物語のように読んだ。

いろんな人に迷惑をかけて最後は絶縁のような状態だった兄の死亡連絡が遠く離れた街の警察から入るところから始まる。
兄の前妻、その娘と兄の死後の処理あれこれ。その合間に思い出される兄のこと。
離婚後、長男を連れて新生活を送っていた兄の生活。それを「片付け」しながら迫っていく。

筆力はいわずもがな、ひとつへ~と思ったのは、児童相談所。長男を保護し、ケアして、用意が調わないと実の母親でも会わせない。ちゃんとしてるんだなと思った。
著者が見たことだけを丁寧に追っているので、前妻、娘、息子の視点はないけれどもそれぞれの心情も想像されて非常に面白かったし、映画化が楽しみ。
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東村アキコ「銀太郎さんお頼み申す」7巻

2025-05-16 22:40:45 | 
 
先月末、最新刊が発売されたのを知り小躍りしながら本屋に駆け付け購入。
着物初心者だったさとりちゃんがどんどん成長していく。
自分の着物は一枚だけ(それだってわたしのよりは高いであろう)ながら、今回も貸してもらって新たな着物の世界「歌舞伎観劇へ」
というかわたしも松王丸の着物が雪持ちとは知らなかったし、着物の意匠としてポピュラーだったとは。。。

ところでモチーフとしてでてきた「えがすみ」
これちょうど5月6日に開催した発表会のチラシで使っていた!そうか、えがすみっていうのか…。
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私的KAN論

2025-03-21 22:27:00 | 



入手。
三宮のジュンク堂にはまだ在庫がたくさん!


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有川ひろ『物語の種』

2025-01-29 22:37:11 | 
 
コロナ禍に読者からもらった種を膨らませた短編集。
短編の後には読者からの実際のお題とどうやって膨らませたかの作者の言葉とがあり。ほほぅ、ここから膨らませたのかとかここがリアルでここが虚かとかのネタばらしも。

そして、舞台自体もコロナ禍まっただなかのものもありで、ちょっとしたそのときの空気とかもまとっていて面白い。
長い時間を扱ったり、昔と今をつないだり、種から出た芽はそれぞれ。

なぜか、いやあえてだろうけど、物語は宝塚歌劇へ舵をきり、推し活が生活を潤いを支える姿なんかもわかりみ(今風の言い方)。
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伊藤カヅヒロ『古典ねこ落語』

2025-01-26 21:18:00 | 
本屋で並んでいてすぐさま購入。


国芳的な表紙だけ見て。
落語を単に猫にして描いているんでしょと思いつつ見ると(解説でも書かれてたけど)これが見事ねこの世界。
おもしろかわいい。
初天神、粗忽の釘、死神、目薬、文七元結の5編収録。
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増山実『今夜、喫茶マチカネで』

2024-10-16 11:56:26 | 
 
マチカネと聞いてピン!とくるのは、北摂地域をウロウロしているひとくらいだろうか。
かくいうわたしもマチカネよりもマチカネワニという阪大のあたりで見つかったワニの化石のことで知っているくらい。
川西市の本屋をうろうろしていたときに店内のポップを発見「阪大前石橋駅あたりが舞台になっている小説」しかも、阪大前石橋駅あたりでお会いする方が著者や。

そんなわけで、本作は石橋がでてくる。わたしも学生時代に通った町(とはいえ阪大ではない)。モデルになったあたりの30年前の雰囲気を知ってる。本屋はあこや。そして住人ではなかったので知らない景色もある。
北摂地域のちょっとした戦後史。

喫茶店の閉店を前にひとりずつちょっと変わった話を語っていく。

銭湯の中にあった滑り台、マチカネワニの話、反戦運動…話者の人生とちょっとした場所の関わり、連作短編集のようだけど場所が大きな幹となり一遍の小説へ。

待兼山奇譚倶楽部は一冊の本となり、生きた証となる。
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銀太郎さんお頼み申す5

2024-09-22 20:58:46 | 
 
7月にすでに出版されていたのを知らず今頃入手。

今時のわかもんが着物の師匠(元芸妓)に出会、い、着物沼にはまっていく話の最新刊。
今回は主人公さとりのお母さんと姑の着物をめぐる話、輪島の民芸、いまどきの結婚式出席衣装問題、更紗とやはり盛沢山。
輪島の民芸の話がでてきたのは、地震のことがあったから?と思ったらまた水害で胸が痛む。

結婚式出席問題はおととし身近なひとから娘が妹の結婚式で振袖を着ないと言っているというはなしを聞いていたので、目立ちたくない、振袖は主役をくうからNGというのがまかり通っているのかとびつくり。解決は呼ぶ方のお母さんの意向を確認することだったけどなかなか難しいもんですな。
まあ、着付けやらでもお金かかるけど、華やかでいいのにね。

最後は更紗のはなし。わたしも更紗は(もらいものの)帯で2本持っている。着物を着ないひとい現代っぽい帯と言われたけどさとりみたいな感覚だったんだろうなあ。そして、もっと欲しくなった。
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再購入

2024-03-07 22:16:28 | 
『動物のお医者さん』はリアルタイムで全巻購入していたのに破棄して十数年…、

今年新装版が1ケ月に一巻発刊される!
やったあ!買い直すぞ。

と思いつつも1月中は買わず2月末に書店に行き、ミケの表紙が新しく並んでいるのを見て気が付いた。

買い忘れてる!!
ところが1巻がないないない。店頭売り切れ。
その後無事に他の書店で発見。

そして、買ったものの一気に読むのがもったいなくて少しずつ読んでいる。
だって何回も何回も読んでるから。
最初に読んだのは高校生の頃か。しみじみ。








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東村アキコ『銀太郎さんお頼み申す』4巻

2024-02-28 01:31:00 | 



着物漫画、4巻がでてた。
居ても立っても居られず本屋へ。
今回は銀太郎さんの切ない過去が明らかに。
出てきた着物は青海波に浜千鳥、(にべ)色の色喪服。
悲しいエピソードなのに色喪服のことなど、なるほどと思える蘊蓄あり。

ブレンド寄席で都師が二葉さんはいい着物をセンス良く着ている。うちの弟子はわたしの着物をたたんで(生地の良さを)知ってるはずやのに、と嘆いてはったけど、確かにええ生地のは触るだけでも気持ちが豊かになる。とかいいながら、ザラっとした綿や紬も触るのが好き。わたしがコレクターになってるのは生地を触りたいからやなあ、と着物を触りながらいいわけ。
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アリエット・A・ジェイコブズ「ある奴隷少女に起こった出来事」

2024-02-02 22:07:26 | 
 
アメリカの奴隷制度が存在していた時代のある女性が書いたノンフィクション。
克明に描かれる奴隷である黒人女性の境遇に、自分が奴隷制度のことを知らないのだと実感した。
当時、主人に買われた奴隷たちは市場のようなところで競売にかけられる。女性が生んだ子どもはその主人の持ち物になる。まさに家畜。
家畜と違うのは女性は時に主人の性の対象となること。それも不道徳な。町には肌の色がまちまちの奴隷がいた。父親である主人は、奴隷に婚外子を産ませても咎められない。
リンダという少女は主人の性的虐待から免れるために別の白人の子どもを宿す。それでも、この主人は執拗に彼女の人生を追いかける。

彼女と二人の子どもは自由を手に入れることができるのか。

この作品は作者の手によって奴隷解放運動の中で出版されたものの克明な記録がかえってフィクションに思われており、実話と証明されたのは1986年のこと。そこからこの本はベストセラーになった。

主人公リンダは、白人の愛人となり子どもを産んだが結婚することもなく、またことさら助けられることもない。周囲の人の助けと冷静な判断、粘り強く時を待つことにより道を拓いていく。

実際の奴隷制度について知ることだけでなく人としての尊厳とはということにも考えさせられた。
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村木嵐『まいまいつぶろ』

2024-01-16 23:14:00 | 
今回の直木賞候補作。
明日の発表までに読了。

障害がありことばが不明瞭であったとされる徳川家重とその言葉が分かった家臣、大岡忠光を描いた時代小説。

「大奥」で、三浦透子がしてた役だなぁと。あれは男女逆転大奥だけど。漫画「大奥」で、その存在を知りもっと知りたいと検索していたので先を知りたいと集中して読んだ。

史実として残る
障害があったこと
(それにより癇癪持ちだったこと)
将軍になったこと
言葉を解せる家臣がいたこと

それがなぜだったのか、どう対処して乗り越えたのか、史実と想像でつなぎあげたのは、不自由であったであろう家重がまた出会えるのならもう一度生まれ変わってもこの身体でよいと言わしめた友との生涯の交わりだった。

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KIMONOanne. vol.5

2023-11-15 23:43:00 | 


一年に一回でるMook本。
付録目当てでもある。
今回は国芳好きにはたまらんトートバッグ→でかい!広がるとレジャーシートにもなるので着替えの時の敷物になるらしい。

踏めませんけど!

最近の着物インフルエンサーさんかくさん。ずっと昔から見てると思ってたけど今年の1月にブレイクしたところらしい。売れてからのスピード感すごい。


コーディネートは若向けではあるがカジュアル嗜好のわたしは見てて楽しくヒントがいっぱい。
好みのレース着物作家さんをこの雑誌で見つけたし、行ったことあるムジンキモノも紹介されてた。

博多のブティックモアにも行ってみたい。
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『ある行旅死亡人の物語』

2023-10-12 23:27:00 | 


事故物件のサイトが有名だけど行旅死亡人データベースというサイトにもドラマがある、ように思える。
人は亡くなり身寄りがない場合は官報に載るらしい。
なので、官報が転載されたデータベースには行き倒れでなくなった人だけでなく、住居に住んでいても(おそらく住民票はあるのだろう)これこれこういう人が亡くなったが身寄りはありませんかという問いかけが掲載されている。

変わったところでは、ある学校の骨格標本が本物だったが誰か知りませんかなど。この標本は随分以前から学校にあったので事件性はなく戦前にはそういうのもあっただろうなということで事件性はないらしい。だが、親族もみつからないだろう。

ある時、ネットのニュースにそういう中のひとりの方の足跡を追いかけて身元を特定した読み物が掲載された。
尼崎のあるアパート、お風呂もないようなアパートで身寄りのない女性が亡くなっていた。金庫には3700万円もの大金があったが彼女の戸籍が分からないため、遺産が宙に浮いたままだったのだ。
その方を追った若き新聞記者のレポートで、やがて一冊の本として出版された。
結果的には身元は分かるのだか、どう生活していたかは謎のまま。本人が役所のみならず地域、友人とつながりを絶っていた意思の理由は分からないがまっとうし亡くなった。
大金に思えるが「いい時代」に生涯働き続けた人は貯められたのかもしれない。亡くなったときは80代だった。国民健康保険の類にも入ってなかったようなのでなぜそんなに頑なに身元を隠して生活していたのかは分からない。
これがノンフィクションなんだと思う。

彼女が40年近く共に過ごした名前をつけたぬいぐるみが切なくもあり、またこの子がいてよかったと思うわたしもいる。
購入した時のレシートが残っていたテレビは、わたしも立ち寄ったことがある尼崎駅に直結した家電量販店のものだった。どこかですれ違っていたのかもしれない。たんくんと名付けられたぬいぐるみと暮らしていた彼女と。







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