エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

東慶寺の風景その2

2017年09月29日 | ポエム
昨日に続いて、二日に渡って東慶寺を書きたい。
茶の花が咲いていた。



この花は、茶室に良く似合う。
東慶寺には、説明もなく表示も無いけれど茶室がある。
何故なら、待合とおぼしき建家が見えるからである。



佇まいは、誠に錆びている。
そんな風情になっているのは、やはり歴史が成せるのであろう。

東慶寺は、駆け込み寺であったからだ。
慎ましやかな建家が小高い丘にあって、誠に奥深い寺域を持っている。
墓所に至る坂道と云い、崖に密生するイワタバコと云い、雰囲気も又奥深いのである。



ススキが枝垂れつつ、秋の深さを表してもいる。







「秋の寺まつろわぬ者駆け込めり」







杜鵑は、咲き頃であった。
これからどんどん、開いてゆくであろう。

秋明菊の風に揺れる様は、嫋やかであった。



この写真は,昨日もお見せした東慶寺の山門に至る石段である。
数えたのだけれど、32段あった。
石段を駆け上って、山門までは駆けて3歩。
歩いて6歩。

山門を潜らなければ、駆け込みにならない。
連れ戻されて痔舞う、のである。
亭主とは別れられないのだ。

女性は必死だったであろう。
裾を乱して石段を駆け上がり、山門まで3歩駆けた女の強さを思う。

秋が深まっている。
来月、この鎌倉を舞台に結社の秋の吟行句会が行われる。
「繪硝子」の行事である。


        荒 野人


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