落ち葉・・・ケヤキの落ち葉が段々少なくなってきて、本格的な冬の到来を感じさせる。
ケヤキ並木の朝方の風景は、この間まで落ち葉だらけであった。

色褪せしあなたへの挽歌
ケヤキの並木が賛歌されていたとき
あなたは自慢げにその葉ずれのさやぎを
ぼくたちに聞かせてくれたものだった
それなのに
いまは色褪せ
乾燥しきった肌を晒している
だがしかし
ぼくは
あなたのその色褪せた容色も
乾燥しきった肌の透明感も
いとおしいのだ
いまこそぼくがあなたを心底から愛するのだ
誰も愛してくれなくなったと言って
落ち込む必要は無い
ぼくがいるではないか
今日ぼくはあなたの断片をそっと掬(すく)いあげてきた
あなたは
ぼくのパソコンのキーボードを支配しているではないか
それで良いのだ
ぼくは
あなたをいたわりながら
キーボードを押さえるだろう
あなたは
ぼくの指先を導きつつ
ぼくに
新たな言葉を紡(つむ)がせてくれないか
あなたが輝きを発するのは
これからなのだ
いかなる落ち葉より褪せた色は
不思議な力を内包している
乾燥しきった肌は
滑らかではないけれど
ぼくの人生そのもののように
存在感を示している
色褪せしあなたへの
挽歌が
いまはじまるのだ

今日、このケヤキの落ち葉のそばに南天の紅葉が密やかに隠れていた。
ぼくは数葉の葉をもぎとった。

だんだら模様の冬である。
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荒野人
ケヤキ並木の朝方の風景は、この間まで落ち葉だらけであった。

色褪せしあなたへの挽歌
ケヤキの並木が賛歌されていたとき
あなたは自慢げにその葉ずれのさやぎを
ぼくたちに聞かせてくれたものだった
それなのに
いまは色褪せ
乾燥しきった肌を晒している
だがしかし
ぼくは
あなたのその色褪せた容色も
乾燥しきった肌の透明感も
いとおしいのだ
いまこそぼくがあなたを心底から愛するのだ
誰も愛してくれなくなったと言って
落ち込む必要は無い
ぼくがいるではないか
今日ぼくはあなたの断片をそっと掬(すく)いあげてきた
あなたは
ぼくのパソコンのキーボードを支配しているではないか
それで良いのだ
ぼくは
あなたをいたわりながら
キーボードを押さえるだろう
あなたは
ぼくの指先を導きつつ
ぼくに
新たな言葉を紡(つむ)がせてくれないか
あなたが輝きを発するのは
これからなのだ
いかなる落ち葉より褪せた色は
不思議な力を内包している
乾燥しきった肌は
滑らかではないけれど
ぼくの人生そのもののように
存在感を示している
色褪せしあなたへの
挽歌が
いまはじまるのだ

今日、このケヤキの落ち葉のそばに南天の紅葉が密やかに隠れていた。
ぼくは数葉の葉をもぎとった。

だんだら模様の冬である。

荒野人