平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒15 「フェイク」~謎と伏線が一気に回収される<フェイク>なラスト! 誘拐事件も鮮やか!

2016年11月24日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回の事件を素直に解釈すると、こうなる。

〝借金に苦しむ高木美奈子(安達祐実)が男と誘拐事件を企み、中山広斗を誘拐するが、自分の息子・翔太が巻き添えを食って死んでしまった。
 美奈子は死んだ息子をそんなに愛しておらず、なおも誘拐事件を遂行しようとする〟

 以上の件を表す、思わせぶりなせりふが次のふたつ。
 警察を離れて、ひとりになった時のつぶやき。
「みんな、バカね」
 電話で男と話している時は、
「わかってます。バレたらまずいのはお互い様ですから」

 しかし、ここでまったく予想外の事実が視聴者に提供される。
 何と死んだはずの息子・翔太は生きていたのだ!
 アパートの部屋の中にちゃんといた。
 美奈子ともちゃんと会話していた。

 ここで視聴者はわからなくなる。
 翔太は本当に死んだのか?
 美奈子が翔太と呼んでいるのは、実は誘拐されている広斗なのか?
 だが、広斗なら美奈子と普通に会話しているのはおかしい。
 では広斗は洗脳されているのか?

 これらの疑問を一気に解決する〝フェイク〟なラストが展開される。
 上手い脚本ですね。
 ドラマがすべて謎で進行していき、ラストで伏線がすべて回収されている。
 ……………………

 同時進行で描かれる警察の誘拐捜査とそれを次々と解決していく右京さん(水谷豊)もお見事。
 ここはネタバレにしてもいいと思うので書くと、警察側に内通者がいて誘拐実行犯に警察情報を提供していた。
 しかも、内通者はひとりではなく、ふたり!
 内通者がひとりなら普通だが、〝ふたりいた〟という所が見事なアイデア。
 右京さんが、犯人の逃走経路を見破る所も、内通者がいると見越してウソの情報を流して犯人を罠にハメるというのも面白い。

 いやあ、『相棒』がひさしぶりに鮮やかなミステリを見せてくれました。

 ちなみに、美奈子の息子の件の元ネタは〝ヒッチコックのあの作品〟でしょうか?
 あれを初めて見た時は本当に驚いた。
 フランスの映画監督トリフォーも分析本を出すほど熱狂したようだけど、僕も熱狂して何度も名画座に足を運んだ。
 DVDも持っているから、見返してみよう。
 あの作品は後世のミステリ作品に影響を与えていますよね。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 逃げるは恥だが役に立つ 第7... | トップ | 原発避難の小学生がいじめ~... »

コメントを投稿

推理・サスペンスドラマ」カテゴリの最新記事