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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

べらぼう 第26回「三人の女」~おていさんは俺が、俺のためだけに目利きした、俺のたったひとりの女房でさ

2025年07月07日 | 大河ドラマ・時代劇
 神回でしたね!
 てい(橋本愛)の蔦重(横浜流星)に対する心の動きはこのような感じだ。

・戯作者、絵師などさまざまな人物が店に訪ねて来る。
 この人のまわりには人が集まっている。この人は決して人を拒まない。 
・見事なセールストーク
 本当の商人というのはこういう人のことを言うのだろう。
・米騒動の打開策として狂歌本でめでたい気持ちをつくる。
 てい、いはく「本当によく思いつきますよね?」
・幕府の偉い方が意見を聞きに来る。
 この人は測りしれない。何という人なのだろう?

 ていは感服する。
 蔦重は非常に有能で自分にはないものをたくさん持っている。
〝品の系図〟を作るという自分の提案を受け入れ、自分に任せてくれた。

 これで、ていは蔦重のビジネスパートナーとして歩んで行くんだな、めでたしめでたし、と思ったが、次の展開は違っていた。
 品の系図を仕上げると、何とていは出家するために寺に向かった。
 理由は──
「江戸一の利き者の妻はわたくしに務まらない」
「わたくしは石頭のつまらぬ女です。もっと才たけた女性の方がふさわしい」
 ていの劣等感は根深くて、自己評価はあまりにも低かった。
 なるほど、ていはそういう人物なのか。
 完全に見誤っていた。
 まだまだ読解力の修行が足りない。

 そしてドラマ。
「それは随分な言い草ですね。あんたは江戸一の利き者だ。
 けど、女房の目利きだけはしくじった。おていさんはそう言いてえんですね?」
 蔦重はていを高く評価していて全面的に肯定した。
 ていにとっては意外なことで驚きであっただろう。
 心の底からじわじわと嬉しさが込み上げて来たのかもしれない。
 蔦重はさらに続ける。
「出会っちまったって思ったんでさ。
 俺と同じ考えで、同じつらさを味わって来た人がいたんだって。
 この人なら、この先山があっても谷があっても一緒に歩いてくれるんじゃねえか、いや、一緒に歩きてえって。
 おていさんは俺が、俺のためだけに目利きした、俺のたったひとりの女房でさ」
 これで、ていは心の奥底で蔦重と繋がった。
 頑なな心が溶けた。
 そして最強の夫婦が誕生した。

 見事な恋愛シーンでした。
 いったんていの出家という形で谷に落として、それから一気に山に駆け上った。
 考えてみると、ていは蔦重にいろいろなものを与えているんですよね。
 品の系図もそうだが、蔦重とその母つよ(高岡早紀)の関係修復の仲立ちもしてくれた。
 これからもたくさんのものを与えていくのだろう。
 ………………………………………

 一方、歌麿(染谷将太)。
 おそらく歌麿はていが蔦重の最高のパートナーになることに気づいていたのだろう。
 そうなればパートナーとしての自分の居場所はなくなる。
 だから出て行こうとした。
 そして……。
「よかったな、蔦重……」
 そして、
「女に生まれたかった」

 江戸城パートはますます不穏に。
 松前廣年(ひょうろく)、佐野政言(矢本悠馬)が恨みを募らせ、一橋治済(生田斗真)は何かを企んでいる様子。
 あと米不足・米騒動については田沼意次(渡辺謙)が推進した貨幣経済、商品経済がもたらした結果でもある。

※次回のレビューは海外に行くため遅くなります。
 
コメント (2)
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