平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

男たちの大和/YAMATO

2005年12月30日 | 邦画
 「男たちの大和/YAMATO」がヒットしているという。
 サンケイスポーツ(12/29)の配信によれば

「東映映画「男たちの大和/YAMATO」(佐藤純彌監督)の観客動員が28日、公開12日目で100万人を突破。「生きる勇気と意味」「日本人としての誇りと自覚」という2つのテーマが歓迎され、公開から12日目で観客動員数100万人を突破した。
 最終目標を「1000万人動員」に置く角川春樹プロデューサー(63)は東宝、松竹の協力を取り付け、上映館数の拡大に成功。8月に発売されたシンガー・ソングライター、長渕剛(49)の主題歌もチャートを再浮上中で、「大和」の爆進が日本の映画、音楽の常識を打破し続けている」
という。

 ヒットの理由はわかる。
 この作品のテーマと報道されている「生きる勇気と意味」「日本人としての誇りと自覚」が今の日本に欠けているからだ。

 現在は、極端な個人の時代。
 個人は多かれ少なかれ個の中に引きこもり、連帯して共感しなうことをしない。
 共感しあうのはワールドカップの時くらいか。
 自分さえよければいいという風潮は、耐震偽造問題に関わったとされる人たちを見れば歴然。

 こんな時代で、この作品の描いた「個人のためでなく愛する人のために生きた人間」「同胞・国のために生きた人間」の姿は今の人々が求める理想の人間像だろう。極端な個の時代の反動として、この作品で描かれたことが共感されるのは当然だろう。

 この現象・風潮を良しとするか悪しとするかは個人の判断。
 「映画大好き」「引きこもり大好き」の私としては、この時代の方が居ごごちがいいのですが……。

 ただ、この作品の製作者のマーケティングは見事。

 ・「個の時代」に飽き飽きしてきた人々に逆の価値観を提示したこと。
 ・「YAMATO」というある意味日本人のDNAに刷り込まれているものを提示したこと。

 この2点でマーケティングは成立している。
 (「YAMATO」という言葉に中国・韓国は反応したし、かつては「宇宙戦艦ヤマト」という大ヒット作品もありましたしね)

★研究ポイント
 ・企画の方法1 人々の求めている価値観を提示すること
 ・企画の方法2 人々のDNAに刷り込まれていることを提示すること。

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1 コメント

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2045年まで (Unknown)
2016-05-06 04:41:27
あと40年
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