「山林に自由存(ぞん)す」
国木田独歩
山林に自由存す
われ此(こ)の句を吟じて血のわくを覚ゆ
嗚呼(ああ)山林に自由存す
いかなればわれ山林を見すてし
あくがれて虚栄の途(みち)にのぼりしより
十年(ととせ)の月日 塵(ちり)のうちに過ぎぬ
ふりさけ見れば自由の里は
すでに雲山千里(うんざんせんり)の外にある心地す
眦(まなじり)を決して天外をのぞめば
をちかたの高峰(たかね)の雪の朝日影(あさひかげ)
嗚呼山林に自由存す
われ此の句を吟じて血のわくを覚ゆ
なつかしきわが故郷(ふるさと)は何処(いずこ)ぞや
彼處(かしこ)にわれは山林の児(こ)なりき
顧みれば千里江山(せんりこうざん)
自由の郷(さと)は雲底に没せんとす
………………………………………………………
やっぱ文語体はいいな。
文章にリズムがある。
読んでいて心地いい。
硬質で過度に感傷的にならない。
人間、生きていると、さまざまな垢がつく。
いろいろなものに囚われてがんじがらめになる。
息苦しい。呼吸ができない。
では、どうすれば心の解放を得られるか?
どうしたらイキイキとした感受性を取り戻せるのか?
国木田独歩は「山林に行け」と言う。
山林……?
今はどこも観光地化されているからなぁ。
独歩の歩いた「武蔵野」はない。
暑いし、疲れるだけじゃないのかなぁ。
こんなふうに僕の心はポンコツになってしまった。
干からびてカサカサになってしまった。
でも取り戻したい。
どこに僕の「自由の郷」はあるのだろう?
国木田独歩
山林に自由存す
われ此(こ)の句を吟じて血のわくを覚ゆ
嗚呼(ああ)山林に自由存す
いかなればわれ山林を見すてし
あくがれて虚栄の途(みち)にのぼりしより
十年(ととせ)の月日 塵(ちり)のうちに過ぎぬ
ふりさけ見れば自由の里は
すでに雲山千里(うんざんせんり)の外にある心地す
眦(まなじり)を決して天外をのぞめば
をちかたの高峰(たかね)の雪の朝日影(あさひかげ)
嗚呼山林に自由存す
われ此の句を吟じて血のわくを覚ゆ
なつかしきわが故郷(ふるさと)は何処(いずこ)ぞや
彼處(かしこ)にわれは山林の児(こ)なりき
顧みれば千里江山(せんりこうざん)
自由の郷(さと)は雲底に没せんとす
………………………………………………………
やっぱ文語体はいいな。
文章にリズムがある。
読んでいて心地いい。
硬質で過度に感傷的にならない。
人間、生きていると、さまざまな垢がつく。
いろいろなものに囚われてがんじがらめになる。
息苦しい。呼吸ができない。
では、どうすれば心の解放を得られるか?
どうしたらイキイキとした感受性を取り戻せるのか?
国木田独歩は「山林に行け」と言う。
山林……?
今はどこも観光地化されているからなぁ。
独歩の歩いた「武蔵野」はない。
暑いし、疲れるだけじゃないのかなぁ。
こんなふうに僕の心はポンコツになってしまった。
干からびてカサカサになってしまった。
でも取り戻したい。
どこに僕の「自由の郷」はあるのだろう?
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