平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「ゴジラー1.0」~日本は命を粗末にする国だった。今回はひとりの犠牲者も出さないことを誇りとしたい

2024年05月08日 | 邦画
 主人公・敷島浩一(神木隆之介)は特攻隊員の生き残り。しかも特攻から逃げた人物。
 ゴジラと戦う男たちは日本海軍の生き残り。
 彼らの中では戦争は終わっておらず、『死に場所』を求めていた。

 そんな彼らに『海神作戦』を立案した元・海軍技術士官の野田健治(吉岡秀隆)は言う。
「これまで日本は命を粗末にする国だった」
「今回の民間主導の作戦としては、ひとりの犠牲性者も出さないことを誇りとしたい!」
「これは未来のための戦いである!」

 死ぬことから生きることへ。
 死ぬ美学よりは生き残る美学へ。
 生きて抗え!
 これが『ゴジラ-1.0』の主要テーマである。

 それは彼らのプライドを取り戻すことでもあった。
 ゴジラを戦って、倒して生き残ったこと。
 これが今後、彼らが生きていく上でのプライドになった。
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『ゴジラ-1.0』のもうひとつの魅力はVFXの魅力である。
 それは山崎貴監督の集大成でもある。
『三丁目の夕日』~戦後間もない下町や銀座の街並み
『永遠の0』~戦闘機
『アルキメデスの大戦』~戦艦
 戦後の街並み、戦闘機、戦艦のVFXは山崎監督の得意技なのである。
 これらの得意技を『ゴジラ-1.0』に投入した。

 というより山崎監督のインタビュー動画に拠ると、
 これは制作費を抑えるための苦肉の策でもあったらしい。
「戦後の街並み」「戦闘機」「戦艦」はデータとして残っているから、イチから作らなくていいのだ。

 ちなみに『ゴジラ-1.0』の製作費は21億(1500万ドル)。
 アメリカで同様の作品を作ったら100億~200億は当たり前なので、アメリカ人は驚いている。

 ハリウッドの皆さん、ぜひ投資して下さい!
 日本なら安く作品を作れますよ。
 おまけに、現在、日本は「円安」でアメリカに比べたらはるかに「物価」が安いので、
 最低限の投資で良い作品がつくれます!
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 以下、ラストのネタバレを含みますので、未見の方はスルーして下さい。

 この作品、スピルバーグが絶賛していて三度も見たそうだが、それもそのはず。
 スピルバーグ作品のオマージュが見受けられる。
『ジョーズ』~オンボロ船、海洋学者、ジョーズの口に酸素ボンベをツッコんで爆破させる。
『ジュラシックパーク』~恐竜が人間を食らえて放り投げる。

 ラストの典子(浜辺美波)との再会シーン。
 明子の子役の女の子が下手くそだな~と思ってみていた。
 典子と会ってもまったくリアクションをしなかったからだ。
 だが、これには理由があった。
 典子は再生能力の高い「ゴジラ細胞」によって生かされている存在だったのだ。
 つまり典子とは違う存在。
 だから明子は反応しなかった。

 ゴジラ細胞によって生かされている典子がこの後どうなるのかは描かれていない。
 バッドエンドと捉える人は多いだろうが、
 そのまま生きてハッピーエンドになる可能性もなくはない。

 面白かった。
 ゴジラの上陸シーンは、どの作品を見ても胸躍るが、今作では特に。
 ちなみに、有名な♪ ダダダン、ダダダン、ダダ・ダダダン ♪ は
『ゴジラのテーマ』ではなく、『戦いのテーマ』というタイトルらしい。
♪ バーバババ~ン ♪ で始める曲が『ゴジラのテーマ』らしい。


※関連動画
『ジョーズ』~ジョーズを倒すシーン(YouTube)
 ※初めて見た時は凄さに圧倒されましたが、今見ると、ゆるいですね……。


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