平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

『十角館の殺人』『屍人莊の殺人』~やはり「館もの」のミステリー作品は面白い!

2024年06月07日 | 邦画
 日本のミステリー作品を2本見た。
 いずれも『館(やかた)もの』だ。館に人が集められ殺人事件が起こる。
 一応「ネタバレなし」でレビューを書いてみる。

『十角館の殺人』
 綾辻行人・原作 Huluでドラマ化。

 この作品、『絶対に映像化できない作品』なのだ。
 小説だから成り立つ話なのだ。
 でも今回映像化されて僕はダマされてしまった。
 ええっ、そんな~!?
 ぜんぜん気づかなかった~!

 この作品を見ていると、人間の認識能力がいかにいい加減なものかがよくわかる。
 思い込みが認識を大きく歪めることがよくわかる。

 トリックは実にシンプルだ。
 さまざまな作品で擦られていて手垢のついたものだと言っていい。
 ただミスリードがいろいろ仕掛けられていて、それが真相を覆い隠している。
 ミスリードを取り除いていけば、真実はくっきり浮かび上がる。
 …………………………………………………………

『屍人莊の殺人』
 今村昌弘・原作 2019年映画化。

 ゾンビが凶器になるミステリーである。
 ついに『ゾンビが凶器』になるミステリーが来たか!
 斬新だねえ。画期的だねえ。
 まあ、ミステリーの古典には『毒蛇』や『オランウータン』が凶器になる作品があるが。

 個人的には、最初の殺人と最後の殺人のトリックがすごいと思った。
 これらは『ゾンビが凶器』でなければ実現不可能。
 ふむふむ、なるほど。
 最後のトリックは犯人がどうしてゾンビの特性を知り得たか、という疑問が残るが……。

 この作品の魅力は、剣崎比留子役の浜辺美波さんだろう。
『賭ケグルイ』『シン仮面ライダー』など浜辺美波さんはやはり2.5次元俳優。
 特異な衣裳を着たエキセントリックな変人役がよく似合う。
 その集大成が今回の比留子役だ。
・推理の時、白眼を剥いて頭をグリグリする。
・チッ! と舌打ちする。
・推理を披露する時、相撲の雲竜型をする。
・「協力してくれたらキスさせてあげる」と言う。←こんなこと言われたら、絶対協力するだろう!

 浜辺美波さんと神木隆之介さんは三度目の共演。
『屍人莊の殺人』(2019)
『らんまん』(2023・朝ドラ)
『ゴジラ-1.0』(2023)
 公私ともに仲がいいらしいし、もうお前らつき合っちゃえよ!←by『葬送のフリーレン』

 いい感じのコメディ&ミステリーになっています。
 原作は既読で、その地の文に若干のユーモアを感じたが、
 映画版では、監督が木村ひさしさんなのでコメディ要素が強くなっている。


※予告編はこちら
 映画『屍人莊の殺人』予告編(YouTube)


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