平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

仁-JIN- 再放送~「泣いても一生、笑っても一生。ならば今生、泣くまいぞ」

2013年01月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 昼間テレビをつけたら『仁-JIN-』の再放送をやっていた。
 咲さんがしゃべるたびに笑ってしまう!
 だって福田彩乃さんがそっくりなんですもん!
 物真似されるのも善し悪しですね。
 物真似が本家を上まわると、本家がギャグになってしまう。
 それは金八先生の物真似が浸透して、パロディになってしまったのと同じ。
 大晦日の『ガキ使』でも、松本人志さんたちは金八先生の格好をしていましたし。

 さて、ぼくが見たのは、花魁・夕霧さんの死。
 野風さんが禿時代に世話になった吉原一の花魁で、末期の梅毒にかかっている。
 仁先生が<ペニシリン>を作るきっかけとなったエピソードだ。
 ここで野風は、かつて夕霧に言われたこんな言葉を思い出す。

「泣いても一生、笑っても一生。ならば今生、泣くまいぞ」

 いい言葉だ。

 その他の『仁』名セリフはこちら

 こんな言葉を語った夕霧だが、死の間際にはこんな気弱ともとれる言葉を口にする。
「もう(病気で)苦しむことにも飽きました。もう勘弁しておくれなまし。おさらばえ」
 これに答えて野風。
「あい。おさらばえ」
 そしてつけ加えて
「笑っておくれなんし、姉さん。泣いても一生、笑っても一生……」
 すると夕霧が笑って
「ならば今生泣くまいぞ……」
 こうして夕霧は息を引き取るわけだが、野風と夕霧の絆が感じられる見事なやりとりだ。
 ふたりは「泣いても一生、笑っても一生。ならば今生、泣くまいぞ」という言葉を共有し、繋がっている。

 このエピソードでは、咲さんも見せ場を作る。
 夕霧危篤の知らせ。
 仁は夕霧のもとに駆けつけることにするが、助手がいない。
 緒方洪庵先生は用事があり、西洋医学所の人間はペニシリンを増産しなければならないからだ。
 そこで咲さん。
「私が……! 私でお役に立てるのでございましたら! 私も医を志す者ですから!」
 しかし、吉原には女性は札がないと入れない。
 すると、咲は日本髪をほどいて
「どなたか、お着物をお貸し下さい!」
 男の姿になって吉原に入ろうというのだ。
 咲さん、かっこいいぜ!
 いよっ、江戸っ娘!!
 こういうシーンを見ると、福田彩乃さんの物真似を忘れてしまう。

 名作はいつ見ても面白く豊かだ。



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10 コメント

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何度見てもいいですね (通りすがりの者)
2013-01-03 14:33:26
野風さんカッコ良過ぎます
返信する
時間を置いて見ると (TEPO)
2013-01-03 18:02:55
コウジさん
あけましておめでとうございます。

私も途中から放送に気づきました。
野風が咲に「お武家のおひいさま」と呼びかける二人の出会い場面。
「(二人は)喧嘩する?」という末息子に「火花を散らしながら無二の親友になるんだよ」としたり顔でネタバレ解説した自分の言葉でハタと気づいたのが本作は咲と野風との友情物語でもあるという事実でした。
主人公の仁先生を一旦脇に置き、この線で本作を見直してみるとまた別の味わいがあります。
今日の放送でも身請け前の診断を控えた野風と咲との会話があり、咲が仁と一旦別れかけるのは彼が診察で乳房の異常に気づきながら「嘘」をついていたからであり、逆に結納の場から仁のもとに駆けつけるのも仁が友永未来の存在を賭けながら野風の手術に踏み切ったからでした。

昨日続編も含めた全体の最終回、特に仁が橘未来と出会う場面の録画を改めて見直しました。
放送中の私は原作の枠組み-特に仁と咲とが結ばれるハッピーエンド-にとらわれていましたが、時間を置いてみてドラマの物語の良さが見えてきた気がします。

まず、「続編」はけっして「二匹目のドジョウ狙い」や「引き延ばし」ではなく、「前編」の段階からしっかりと計算されていました。
たとえば久坂玄瑞が放った背後の刺客に対する龍馬の逆手突き。
今日風に言えば「正当防衛」とはいえ、龍馬の剣の業を見せるだけのためだけに人を一人殺めさせてしまうものなのだろうか、と放送当時から気になっていました。
無論、後から見ればこの時斬られたのは東修介の兄だったわけです。
また、手習い塾を始めた野風にあやかっていると見せて前編最終回のタイトルバックに予備校の教壇に立つ未来を登場させた段階で、作者の脳裏には「東都大学医学部非常勤講師、御茶ノ水予備校講師」(カルテより)という橘未来のプロフィールがしっかりと描かれていたわけです。

そして、実際前編だけでは物語として終わっていなかったと思います。
原作の枠組みにとらわれていた私は放送当時原作にはない友永未来に対して冷淡で、一種の「補助線」くらいにしか考えていませんでしたが、ドラマの世界では重みを持った一人の人格です。
前編の結末はその友永未来の「存在」を犠牲にして江戸の人たちだけが幸せになる、という形になっています。
続編の咲に仁先生との幸せを掴むことを手控えさせていたのはこのことに対する負い目の意識だったと思います。
そこで重要になるのは続編での野風の立ち聞き場面。
これで彼女は仁の正体はもとより全ての秘密を共有する咲の完全な同志となるわけです。

野風は命懸けで「消えた未来」を復活させる先祖となるべき我が子安寿を産み、咲もまた「恋仇の先祖」の出産を全力で支援し野風亡き後は我が子として育てる。
橘未来は無論友永未来とは別人ですが、けっして仁にとって「赤の他人」ではなく、34歳になるまでの間、現代歴史学の方法論が可能としてくれる限りで咲の記憶-物語-を甦らせて○○先生=仁を「待っていた」のです。

原作でも咲と野風との間に友情が描かれていましたが、ドラマではそれがもっと濃厚なものとなっています。
橘未来はまさに咲と野風、そして友永未来という三人のヒロインの一体化の結晶のような存在だと思います。

お忙しいとは思いますが、コウジさんも原作を「別の物語」としてご一読いただきご感想を伺いたいところです。
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確かに (コウジ)
2013-01-04 07:57:27
通りすがりの者さん

確かにそうですね。
昨日は、野風が花魁道中で吉原を出て行くシーンを見ましたが、凛として実にカッコイイ。
鈴屋の主人は、「ここは日本で唯一おなごが下克上できる場所」「お前は菩薩になるんだ」と野風に語りましたが、野風はそれを成し遂げましたね。
仁先生や咲を見つめる姿も、<菩薩>ようです。
返信する
改めて見てみると (コウジ)
2013-01-04 08:13:44
TEPOさん

TEPOさんもご覧になりましたか。
改めて見てみると、ぼくは咲さんの魅力を再認識しました。
すごくいい子ですね。
昨日見たシーンですが、咲の気持ちを知って仁友堂を出た仁先生に咲は弁当を持たせた。
その弁当の中身は、揚げ出し豆腐だった。
それだけで、咲の思いが伝わってくる。

続編でも、咲は実に咲らしい。
「私も医を志す者ですから」という言葉をしっかり貫いている。
<仁を思う心>もしっかり貫いている。
続編をもう一度見たくなりました。

>橘未来はまさに咲と野風、そして友永未来という三人のヒロインの一体化の結晶のような存在

まさにそのとおりですね。
同時に、目を転じてみると、ぼくを含めて、現在を生きているすべての人間は、過去のさまざまな人の思いが詰まった結晶なんだと気づかされる。
何かすべての人間が素晴らしく、愛おしいものに思えてきます。

それから再放送。
新しい作品をどんどん見ていくのも楽しいのですが、内容のいっぱい詰まった名作と言われる過去の作品を見直してみるのもいいですね。
TEPOさんのように新しい発見がある。

それにすっかり怠っていましたが、原作を読むことも。
原作の視点から作品をとらえ直すのも、大きな楽しみ。
昨年末からマンガ喫茶通いを始めましたので、手に取って読んでみます。
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あけまして おめでとうございます (megumi)
2013-01-04 22:11:00
コウジさん

早いもので 3ヶ日も過ぎました。
今年も よろしくお願いいたします。 m(_ _)m


>昨年末からマンガ喫茶通いを始めましたので、手に取って読んでみます。

『仁-JIN-』 だけとはおっしゃらず 他もどうぞ♪

私は 
今日 コミック原作の映画 「神童」 を見ましたよ。
若き日の成海璃子ちゃんと松山ケンイチさんが主演でした。
まるで 「平清盛」みたい・・・。

2人とも初々しくて 思わず顔がほころびました。
子供時代から 璃子ちゃんは綺麗で透明感がありますね。好きな女優さんです。

「仁」 とは関係無い話で失礼しました。
新年のご挨拶に 伺いました。
返信する
あけましておめでとうございます (コウジ)
2013-01-05 15:56:06
megumiさん

あけましておめでとうございます。

成海璃子さん、いいですよね。
ぼくは、『瑠璃の島』でその演技に驚きました。
成海さんって、反抗する女の子の役をやると、なぜかピカイチですよね。
逆にテレビ版の『ハチミツとクローバー』の成海さんは役柄のせいもあったかもしれませんが、イマイチでした。
『神童』はどうだったのでしょう?

今年もよろしくお願いします。
返信する
反抗する女の子でしたよ (megumi)
2013-01-06 00:21:36
こんばんは。

>『神童』はどうだったのでしょう?

母親や 同級生に対しては とんがって反抗的ですが
ワオ(松山ケンイチさん)にだけは心を開いているって感じかな・・・。

ピアノものですが
「のだめカンタービレ」 よりも繊細な空気が漂います。
賛否両論の激しい映画ですね。
原作は 手塚治虫マンガ大賞を受賞したので
その時から注目していました。

西島秀俊さんが1分ほど出演します。(嬉しい!!!)

「ハチクロ」は 10ページほどで挫折して
全巻 本棚で眠っています。
人物の見分けが困難なんですもん。
返信する
未読 (コウジ)
2013-01-06 09:13:08
megumiさん

>母親や 同級生に対しては とんがって反抗的ですが

やはりそうですか。
確か『積み木くずし』の新作も、成海さんだったと思いますが、反抗的な女の子=成海璃子という評価は彼女にとってはマイナスかもしれませんね。
それは成海さんの個性で強みかもしれませんが、そういう役しか来ないというジレンマもある。

『神童』は、megumiさんの『ハチクロ』と同じで、ぼくも買ってはいるのですが、読んでいない状況です。
『ハチクロ』も同様(おそらくBookoffに売ってしまった)。
以前、megumiさんに紹介していただいた作品も、同じ作者のものだったと思いますが、『ハチクロ』と同じように多分挫折するんだろうな、と思っているので、手に取れない状況です。
返信する
同じ作者ですが 全然違いますよ (megumi)
2013-01-07 09:52:48
コウジさん おはようございます。

私は 『3月・・・』 が大好きだったので
同じ作者の 『ハチクロ』 も読んでみたくなり
コミック狂の次男に買わせました。
彼曰く 「1巻めを制したら あとはサクサクだよ」
でも その1巻めが進まないんです。

『ハチクロ』 が苦手でありながら
『3月・・・』 を絶賛するのは あくまでも私の感性です。
コウジさんは両方とも面白くないと思われるかもしれません。

感動のツボは 人によって実にさまざまですからね。

返信する
ハマる作品 (コウジ)
2013-01-07 14:46:36
megumiさん

>彼曰く 「1巻めを制したら あとはサクサクだよ」

こういう作品ってありますよね。
世界観に入り込むのは、忍耐と苦労を要するけど、ハマると、どっぷりハマってしまう作品。

ぼくにとっては、少女マンガであることが、まず第一ハードルなんですが、機会をみつけてがんばってみます。
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