平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「冒険者たち」~冒険を描きながら孤独と哀愁。これぞフランス映画! 主題歌「レティシア」は青春の名曲!

2024年08月21日 | 洋画
 アラン・ドロンさんが亡くなった。88歳。
 素敵な作品をありがとうございました。
 ご冥福をお祈りいたします。
                             以下、敬称略

 アラン・ドロン作品で真っ先に思い出すのは『冒険者たち』
 冒頭エッフェル塔の下を複葉飛行機で飛び抜けるシーンで一気につかまれた。
 アラン・ドロン演じるマヌーはパイロット。
 リノ・ヴァンチュラ演じるローランは自動車エンジニア。
 ジョアンナ・シムカスが演じるレティシアは前衛芸術家。
 レティシアが作品で使う素材を求めてローランの工房を訪ねたことから3人の関係が始まる。
 3人はぞれぞれの仕事で挫折し、何かを求めていた所に「財宝探し」の情報が入ってくる。

 で、これが『冒険者たち』のポスター。

 

 見て下さい、このポスター!
『冒険者たち』ってタイトルなのにこれなんですよ!
 実際、作品はコンゴでの財宝探しやこれを狙う連中との銃撃戦など、冒険要素がいっぱいなのだが、
 ポスターはそんな要素をまったく入れずに、3人で笑いながら野原を歩いて行く光景。
 そう、この作品は3人の物語なんですね。
 財宝探しなどは二の次。
 その過程で3人がワチャワチャしたり、友情と恋愛の間で迷ったりすることの方がメインテーマ。
 男ふたり、女ひとりの関係は友情で結ばれている間はいいが、
 いったん恋愛に傾くと、残された男に哀しみと孤独が生まれる。
 作品はここを掘り下げる。

 これがフランス映画なんですね。
 冒険を扱っていながら、ベースには「哀愁」がある。
 友情や恋愛を扱っていながら「孤独」がある。

 同じ男ふたり、女ひとりのアクション映画に『明日に向かって撃て!』があるが、
 こちらに「哀愁」要素は少ない。メインはブッチとサンダースキッドの物語だ。
 僕は『明日に向かって撃て!』も大好きですが、やはりアメリカ映画なんですね。

 そしてヒロイン・レティシアの美しいこと!
 レティシアはマヌーとローランのふたりから愛されるわけだが、
 この作品を見たら、みんな、レティシアに心を奪われる。

 というわけで、最後は主題歌『レティシア』
 ときどき思い出す、大好きな歌です。

 レティシア ~映画「冒険者たち」(YouTube)
 ※語り口調の歌い方。フランス語が美しく、そして哀しい。

 ※歌詞はこちら

 Laetitia je ne savais pas
 Que tu étais tout pour moi
 Un oiseau chantait tout près de moi
 Mais je ne l'entendais pas
 Et tu vivais innocente, éphémère
 Tu habillais nos printemps de chimère

 Laetitia je ne savais pas
 Que la vie n'est rien sans toi
 L'oiseau fragile un jour s'est abattu
 La mort ne l'a pas rendu
 Et tu reposes dans le bleu de la mer
 Toi qui colorais de bleu nos chimères

 Un oiseau chantait près de moi
 Jamais il ne reviendra
 Laetitia, non je ne savais pas
 J'étais amoureux de toi !

 ChatGPTに訳してもらうと──

 レティシア、僕は知らなかった
 君が僕にとってすべてであることを
 鳥は僕の近くで歌っていたけれど
 その声を僕は聞かなかった
 君は無垢で、はかなく生きていた
 僕たちの春をはかない夢で彩っていた

 レティシア、僕は知らなかった
 君なしでは人生は何もないということを
 そのはかない鳥がある日、地に落ちた
 死は彼女を返してはくれなかった
 今、君は海の青に眠っている
 僕たちの空想を青く染めていた君が

 鳥が僕の近くで歌っていた
 もう戻ってはこない
 レティシア、僕は知らなかった
 僕は君に恋していたんだ

コメント
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