平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

妄想捜査~<スタイリッシュ>と<妄想>、桑潟幸一という生き方

2012年01月24日 | キャラクター
 第1話を見た。
 ギャグがスベりまくり。ギャグってタイミングですからね。
 唯一、おかしかったのは、真犯人がのぞきをしていることがわかった時の主人公・桑潟幸一(佐藤隆太)のせりふ。
 「どうして仲間に入れてくれなかったんです!?」(笑)

 ギャグはイマイチだったが、興味深かったのは、<桑潟幸一>という生き方。
 ダメで情けない自分を隠すために<スタイリッシュ>を装う。
 劣等感を持った人間が何かを装って、自分を良く見せたいという気持ちはよくわかる。
 <スタイリッシュ>というスタイルが、今の女の子の気持ちをつかむとは思わないが、おそらくこれを信じている桑潟が<ズレた人物>であることを示しているのだろう。
 <桑潟幸一>という生き方の二番目は<妄想>。
 これもよくわかる。
 ちっぽけで惨めな自分。
 女の子に「すごい!」と言われ、ちやほやされたいのに、あるのは荒涼とした孤独。
 そんな現実を乗り越えるには<妄想>しかない。
 <妄想>から醒めれば、ふたたび過酷な現実が現れるが、<妄想>の間だけはハッピーになれる。

 <スタイリッシュ>と<妄想>……これが桑潟幸一の生き方。
 でも、これって虚しいんですよね。
 結局は本当の自分ではないから。
 装うことは無理をしていることだし、妄想は醒めれば、一層惨めになる。

 しかし、そんな桑潟が<本当の自分>になった瞬間があった。
 犯人に向かって叫んだ瞬間だ。
 「あなたはずっと幸せじゃないですか! 愛する子供もいるし、子供もあなたを愛している。離婚はしたけど一度は結婚した。そんなあなたに比べたら。僕には何もない!」
 といった内容のことを叫んだが、これぞ桑潟幸一の<心からの叫び>。
 そして、心からの叫びであったからこそ、犯人は心を動かされたし、神野仁美(桜庭ななみ)も「スタイリッシュだった」と言った。

 この作品は、桑潟幸一の成長の物語。
 桑潟が、自分を素直に語り、ありのままの自分を愛せるようになる日が来るのだろうか。
 ギャグを小ネタ程度に抑え、推理部分とこのテーマを描き込んでいけばもっと面白くなると思います。


コメント (3)
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