昨日放送された「スタジオジブリ物語」は、作品を作る上で大切なことを教えてくれた。
★まず、作品は時代へのメッセージであること。
宮崎駿さんは「環境問題を抜きに作品は作れない」と語った。
環境問題への言及なしに作られる作品というのは、どこか空しいもの、ただの娯楽であり、現実逃避、あるいは慰め。
これについては様々な意見があるだろうが、クリエイターの姿勢としてはわかる。
そして、作られたのが「風の谷のナウシカ」。
★次に語られたのが、作品は自分探求の手段であること。
「となりのトトロ」は、宮崎さんの心の奥底にある<日本的なるもの>への探求であったという。
その<日本的なるもの>とは、森や田園風景。豊かな水や気持ちのいい風。
これらは都会に住んでいる人でも、実は日本人ならDNAにしっかり刻まれている。
確かに「トトロ」の大ヒットを考えれば、このことはうなずける。
僕たちは「トトロ」の映像によって、心の奥底に仕舞われていたものがよみがえったのだ。
宮崎さんはこんなことも言っていた。
「ファンタジーとは深層心理の扉を開けていくものである」
「トトロ」だけでなく、僕たちは宮崎駿作品を見ることで、自分の中の無意識の風景を見ることが出来る。
「千と千尋の神隠し」なんかでも、あのシュールな建物や事物が、どこか懐かしく感じられましたからね。
★宮崎さんの探求は続く。
「もののけ姫」は、<答えを見つけることが出来ない問題をそのまま描いた作品>だという。
通常、作品には結論・答えがある。
<自然を守りましょう>とか<お金に変えられない価値がある>とか<愛って素晴らしい>とか。
だが、宮崎さんは「もののけ姫」で答えを出すことをしなかった。問題を問題としてそのまま投げ出して描いた。
「もののけ姫」の提出した問題とは、番組に拠れば<現代人の心の空洞><不条理な差別><人間と自然><憎悪と殺戮><合理主義と神秘主義>。
どれも実は正解のない問題だ。
たとえば、<差別をなくしましょう>と言ったって、自分の心の中を正直に見つめれば差別している自分を否定できない。むしろ差別するのが人間の本質の様な気がする。
<自然を守りましょう>と言ったって、今の便利な生活は捨てられない。ほとんどの人間は地球を汚して生きているし、「明日から地球を汚す仕事は廃止」と言ったら多くの人が失業してしまう。
クリエイターは、テーマを突きつめて考えれば考えるほど、実は何も発言出来なくなってしまうのだが、宮崎さんは「それでいい」と決めた。
主義主張を押しつけるのではなく、観る人が何かを感じて考えてくれればいいとした。
★あとは、高畑勲さんとのライバル関係。
「トトロ」と、高畑さんが監督をした「火垂るの墓」は、二本同時上映の公開だった。
当然、比較される。負けたくない。
なので、近藤喜文さんという優秀なアニメーターの取り合いをしたし、「火垂るの墓」の上映時間が80分になったと聞けば、「トトロ」も80分の作品にした。(当初、両作品とも60分の作品として制作されていたらしい)
そして、80分の作品にするために妹のメイちゃんを登場させた。(当初は、さつきちゃんとトトロの物語であったらしい)
面白いですね。そんなことで、80分の作品にしてしまうなんて。
プロデューサー鈴木敏夫さんのご苦労が目に見えるよう。
でも、クリエイターの原動力として<負けず嫌い>というのは不可欠なんですね。
★まず、作品は時代へのメッセージであること。
宮崎駿さんは「環境問題を抜きに作品は作れない」と語った。
環境問題への言及なしに作られる作品というのは、どこか空しいもの、ただの娯楽であり、現実逃避、あるいは慰め。
これについては様々な意見があるだろうが、クリエイターの姿勢としてはわかる。
そして、作られたのが「風の谷のナウシカ」。
★次に語られたのが、作品は自分探求の手段であること。
「となりのトトロ」は、宮崎さんの心の奥底にある<日本的なるもの>への探求であったという。
その<日本的なるもの>とは、森や田園風景。豊かな水や気持ちのいい風。
これらは都会に住んでいる人でも、実は日本人ならDNAにしっかり刻まれている。
確かに「トトロ」の大ヒットを考えれば、このことはうなずける。
僕たちは「トトロ」の映像によって、心の奥底に仕舞われていたものがよみがえったのだ。
宮崎さんはこんなことも言っていた。
「ファンタジーとは深層心理の扉を開けていくものである」
「トトロ」だけでなく、僕たちは宮崎駿作品を見ることで、自分の中の無意識の風景を見ることが出来る。
「千と千尋の神隠し」なんかでも、あのシュールな建物や事物が、どこか懐かしく感じられましたからね。
★宮崎さんの探求は続く。
「もののけ姫」は、<答えを見つけることが出来ない問題をそのまま描いた作品>だという。
通常、作品には結論・答えがある。
<自然を守りましょう>とか<お金に変えられない価値がある>とか<愛って素晴らしい>とか。
だが、宮崎さんは「もののけ姫」で答えを出すことをしなかった。問題を問題としてそのまま投げ出して描いた。
「もののけ姫」の提出した問題とは、番組に拠れば<現代人の心の空洞><不条理な差別><人間と自然><憎悪と殺戮><合理主義と神秘主義>。
どれも実は正解のない問題だ。
たとえば、<差別をなくしましょう>と言ったって、自分の心の中を正直に見つめれば差別している自分を否定できない。むしろ差別するのが人間の本質の様な気がする。
<自然を守りましょう>と言ったって、今の便利な生活は捨てられない。ほとんどの人間は地球を汚して生きているし、「明日から地球を汚す仕事は廃止」と言ったら多くの人が失業してしまう。
クリエイターは、テーマを突きつめて考えれば考えるほど、実は何も発言出来なくなってしまうのだが、宮崎さんは「それでいい」と決めた。
主義主張を押しつけるのではなく、観る人が何かを感じて考えてくれればいいとした。
★あとは、高畑勲さんとのライバル関係。
「トトロ」と、高畑さんが監督をした「火垂るの墓」は、二本同時上映の公開だった。
当然、比較される。負けたくない。
なので、近藤喜文さんという優秀なアニメーターの取り合いをしたし、「火垂るの墓」の上映時間が80分になったと聞けば、「トトロ」も80分の作品にした。(当初、両作品とも60分の作品として制作されていたらしい)
そして、80分の作品にするために妹のメイちゃんを登場させた。(当初は、さつきちゃんとトトロの物語であったらしい)
面白いですね。そんなことで、80分の作品にしてしまうなんて。
プロデューサー鈴木敏夫さんのご苦労が目に見えるよう。
でも、クリエイターの原動力として<負けず嫌い>というのは不可欠なんですね。