平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

風の谷のナウシカ~自然治癒力と共生

2011年03月23日 | コミック・アニメ・特撮
 <腐海>は汚れた世界を浄化する装置。

 この「風の谷のナウシカ」の設定について、先日放送された「スタジオジブリ物語」では、こんな裏話が語られていた。
 この設定のインスピレーションを与えてくれたのは、水俣病で汚染された海。
 水銀で汚された水俣病の海は、水銀を分解する新種のバクテリアによって、数年後再生されたのだそうだ。
 汚れた海はバクテリアによって浄化されたのだ。

 この事実は、あることを示唆してくれる。
 つまり<自然には自然治癒力がある>ということ。

 ヨガや東洋医学などにも<自然治癒力>という考え方がある。
 発熱や咳は、体に入った病原菌を駆逐するためのもので、無理にそれらを抑え込もうとしてはならない。
 体の自然治癒力に任せればいい。
 癌だって、単なる老化現象。

 西洋科学を基本とした現代科学が息詰まっている中、僕たちは考え方を見直すべきなのかもしれない。
 自然に逆らうのではなく、自然に任せる。
 核は人類を含めた地球上のすべてを滅ぼす力を持ち、二酸化炭素の増加は地球温暖化を招いている。
 ある学者さんが言っていたが、現在、人間が行っていることは自然の<自然治癒力>をはるかに越えたものなのだそうだ。
 昔なら、水俣病の海のように多少汚れても、自然治癒力で再生することが出来た。
 しかし、現在は自然治癒力のキャパを越えた破壊、汚染がなされている。

 同じ「スタジオジブリ物語」で高畑勲さんはこう言っていた。

 いい加減!

 これは悪い意味でのいい加減ではなく、良い加減の意味。
 「なぜ一番なんですか。二番じゃダメなんですか」といった政治家がいたが、この発言はわりと本質をついている。
 一番を目指して、みんながキリキリがんばるから、地球が汚れる。ストレスで体が壊れる。
 今回の震災の節電で、切った便器の保温。過度の便利さ快適さ。
 最初は冷たかったが、慣れれば何でもない。ほんの十年前まではそれが当たり前だったわけだし。

 そろそろ<発展><競争>という考え方をやめたらどうか?
 自然と共存し、自然治癒力を越えない程度に、日々を楽しくいい加減に生きればいいのではないか?


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする