平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

わが家の歴史~いくつかの人生のことについて

2011年03月27日 | ホームドラマ
 再放送の「わが家の歴史」。
 この八女家の歴史を通して、三谷さんが描きたかったことは何だろう?
 以前に書いた記事を抜粋して考えてみます。

★人生には時々いいことがある。
 愛人、内縁の妻としての結婚生活。夫の志半ばの早過ぎる死。
 政子(柴咲コウ)の人生って、つらいことばかりだったんですね。
 だが人生には、ときどき幸せの瞬間がある。
 たとえば、息子が運動会で一位を獲った時。
 あるいは房子(榮倉奈々)の結婚式で家族が揃った時。
 この時、政子は言う。
 「家族全員が集まって、わいわい言いながらみんなが幸せな顔をしている。今日、この日のためにわたしは頑張ってきた気がします。お姉ちゃんは幸せです。有難う」
 人の一生はこのわずかな時間の幸せのために存在している。
 だから、常に幸せでありたいと思うのは傲慢だし、つらいことは永遠に続くわけではない。

★人間は不公平だ。
 手塚治虫(藤原竜也)に才能がないことを指摘される房子(榮倉奈々)。
 そう、人間はもともと不公平に作られている。
 どんなに努力しても、大きな才能の前にはかなわない。
 才能のない凡人にはつらい現実だが、それを認める所から、その人の人生が始まるのだと思う。
 実際、房子は結婚して幸せを手に入れたわけですしね。
 ずっと漫画にこだわって手塚治虫と競っていたら、この幸せも手に入れることが出来なかったかもしれない。
 人間は不公平だと知って、自分をしっかり見つめること。
 なかなか出来ないことだが、それが大切なことなのだと思う。

★人生の成否を分けるもの。
 父・時次郎(西田敏行)のフラリング。
 <フラリング>と大ヒットした<フラフープ>の差はごくわずかなこと。
 アメリカで流行ったものをそのまま作るのではなく、日本人の体に合わせて小さくして素材も軽くしていたら、きっと大成功していた。
 人生の成否を分けるのは、こうしたちょっとした差、少し立ち止まって考えてみることなんですね。

★幸せとは?
 波子(堀北真希)の編集長就任。
 このことは波子にとっては人生で一番喜ぶべき瞬間。
 だが、彼女はクールに受けとめる。
 それよりも波子が心から喜んだのは、夫の阿野(山本耕史)が小説を書き上げた時。
 こちらの方が波子にとっては幸せだったのだ。
 人の幸せとは案外こういったものなのかもしれませんね。
 そして波子は本当に阿野を愛していたんですね。

 人生論とは少し違うが、こんなことも考えた。

★宗男(佐藤隆太)は三谷さんの分身か。
 コメディアンとして舞台に立って人を笑わせたかったのに自分にはその才能がないと気づく宗男。
 それは三谷さんも同じ?
 三谷さんも実は喜劇役者になりたかったのではないだろうか?
 しかし、自分のまわりにいる役者さんたちと比べてしまうと、才能の違いを感じてしまう。
 宗男はこうした三谷さんご自身の投影?
 
 それとつるちゃん(大泉洋)。
 彼もまた三谷さんの憧れなのだろう。
 あのサバイバル能力。どんな境遇でも生き抜く力。
 それと同時におっちょこちょい。
 アメリカかぶれのジョニー(寺島進)にすぐ感化される。
 警察予備隊を警察に入るための学校と勘違い。
 でもいろいろな所に頭をぶつけながら、方向は房子に向いている。
 まっすぐなドンキホーテ。
 僕も好きですね、こういう人。

 まとめます。

 人はいろいろなことに頭をぶつけて、失敗して、バカなことをしながら生きている。
 でも生きていること自体が素晴らしい。


コメント
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