平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~第10回「わかれ」

2011年03月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 まずはあらためまして、被災された方へのお見舞いを申し上げます。
 10日間、ブログを休みましたが、これからは<歌>や<ドラマ>や<お笑い>が力を発揮する時です。
 笑いは免疫力を増すと言いますし、歌やドラマは癒しや力になるでしょう。

★さて、「江」。
 鈴木保奈美さんの市が凄いですね。
 ある番組で、侍女の須磨役の左時枝さんが語っていましたが、どんどん誇り高く強い女性になっていく。
 それが最高に極まったのが、石田三成(萩原聖人)に言ったせりふ。
 「秀吉に伝えよ! もし三人の娘に触れるようなことがあれば、この市と信長が許さんと!」
 実に苛烈。
 考えてみると市の人生って、浅井長政が亡くなった時点で終わっていたのかもしれませんね。
 愛する夫との死別。
 この絶望の中、本来なら長政の菩提を弔って世を捨てて生きる所を、娘達のために再び厳しい現実に生きた。
 この雄々しさ。
 同時に母であり、妻である顔も持つ。
 この集大成が、今回の市でした。

★勝家(大地康雄)には共感。
 秀吉(岸谷五朗)との駆け引きの中で、おごり焦った勝家。
 その結果が敗北。
 悔しさと憤り。
 特に敗れて、自分の将としての<器の小ささ>を認められる所が凄い。
 そして市に言う。
 「そなたと娘たちにひと目会いたくて戻ってきた」
 勝家は、自分のダメな所も弱さもさらけ出す。
 実際の戦国武将なら、「ひと目会いたくて戻ってきた」なんてことは言わないでしょうが、好きですね、こういう男。
 勝家はこんなことも言う。
 「(そなたたちと)過ごした半年間が、わしの人生の華だった」
 これも戦国武将にあるまじき発言で、現代のホームドラマ的歴史解釈だが、嫌いではない。
 幸せは、こういう家族と過ごす日常の中にあると思うから。
 今回の勝家も、これまでの集大成でしたね。
 勝家のいろいろな思いが詰まっている。

★そして江(上野樹里)。
 江は<希望>。
 確かに、浅井家滅亡という<死にゆく者>の中で、<生まれた命>というのは<希望>でしょう。
 命は引き継がれる。
 長政も、信長も、光秀も、勝家も、市も、苦しみもがきながら生きて死んでいったが、新しい命というのは救い。
 新しい命に託して死んでいける。

 市の言葉に拠れば
 茶々(宮沢りえ)は浅井の遺伝子を
 初(水川あさみ)はその絆を
 江は織田の遺伝子を
 引き継ぐ存在らしい。
 そして、引き継がれるのは遺伝子だけではない。
 長政、信長、勝家、市……、彼らの生き様や考え方も引き継がれる。
 こうして、信長や市たちは、江たちの中で永遠に生きていくのだろう。

★さて、次回からはいよいよ本格的な三姉妹の物語。
 特に茶々は難しい役回り。 
 宮沢りえさんの演技のしどころだ。
 江も今までと同じスタンスでは、主役として弱くなってしまう。
 脚本と演技とも、どう変わってくるか?
 初も新しい面を見せてほしい。
 まだ、初ではなく、水川あさみさんを見ている感じがしている。


コメント (4)
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