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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

追悼 パク・ヨンハさん~冬ソナ・名シーン

2010年07月02日 | 恋愛ドラマ
信頼していたスタッフの裏切りが追い打ちに…(スポーツニッポン) - goo ニュース

 パク・ヨンハさんが亡くなった。
 彼を喜びや支えにして生きているファンがいるのになぜ?
 たったひとりでも応援してくれる人がいるのなら、それは素晴らしいことであり、生きる価値のあることなのに。
 残念でならない。

 ヨンハさんと言えば、やはり「冬のソナタ」のサンヒョク。
 三角関係の敵役って、悪いやつが多かったりするのだが、サンヒョクはすごくいいヤツ。
 僕の知り合いの中にもジュンサンよりサンヒョクファンが多かったりする。

 サンヒョクと言えば、このシーンだ。
 二度目の事故でジュンサンの記憶が戻り、身を退く決心をしたサンヒョクはユジンにこう言う。
 「本当に面白いな。チュンサンは記憶を取り戻すために努力して、僕は君の記憶を消すために努力しなければならない。これからは僕が耐えられなくなって夜遅くに電話したり、会いに行ったりしても絶対に受けるなよ。優しく笑いかけることもダメだし、涙をみせることもダメだ。本当にごめん。君を泣かせるのはこれが最後だ。ずっと君のそばにいてあげるって約束したのにごめん」

 分析するまでもないが、このせりふが優れているのは、次の3点だ。
・まずは対句になっているレトリカルな言いまわし。
 「チュンサンは記憶を取り戻すために努力して、僕は君の記憶を消すために努力しなければならない」
・次に本音と反対のことを言っていること。
 「夜遅くに電話したり、会いに行ったりしても絶対に受けるなよ。優しく笑いかけることもダメだし、涙をみせることもダメだ」
 本音は電話を受けてほしいし、会ってほしい。笑いかけてほしいし、自分に涙も見せてほしい。実にせつない。
・そして駄目押し。サンヒョクが見せる最高の優しさ。
 「君を泣かせるのはこれが最後だ。ずっと君のそばにいてあげるって約束したのにごめん」
 本当なら別の男に走るユジンに対して、恨み辛みのひとつも言いたい所だが、敢えて自分の非とする。
 こんな別れの言葉を言われたら、女性は一生忘れられないだろう。

 そしてこのせりふの後、ユジンと別れたサンヒョクはユジンとの過去を回想しながらひとり歩く。
 バックに流れるのは名曲<マイ・メモリー>。
 最高にせつないシーンだ。

 こんなシーンもある。
 ジュンサンとユジンが兄妹だとわかった時のこと。
 サンヒョクは言う。
 「僕はユジンと別れるべきではなかった。どんなに恨まれても別れるべきでなかった。そうしたらユジンはこんな思いをしなくて済んだのに。ただ僕のことを恨むだけで済んだのに」
 あの時、自分が身を退かず無理やり結婚していれば、自分が憎まれるだけで、ユジンは残酷な真実を知ることもなかった。つらい別れをしなくても済んだ。
 自分が憎まれてもユジンにつらい思いをさせたくないというサンヒョク。 
 何という優しさ!

 その他にもサンヒョクには名シーンが多いが、ジュンサンとの友情も捨てがたい。
 成功確率の少ない手術に向かうジュンサンは最後にサンヒョクにユジンを託す。
 「愛は譲るものではない。今、ユジンを支えてあげられるのは僕じゃなくて君だから。君ならずっとユジンのそばにいてあげられるから」
 サンヒョクのせりふではないが、ジュンサンの裏の気持ちと共にふたりの信頼を見事に表現している。

 「冬のソナタ」はサンヒョク、パク・ヨンハさんの繊細さ、誠実さなしには成立しなかった。
 そして何よりユジンを見つめる時の喜びに溢れた笑顔。
 ヨンハさんを追悼する意味でも「冬のソナタ」を見直してみよう。
 ちなみに紹介したユジンとの別れのシーンは、第15話「過去への旅路」のワンシーン。


コメント
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