平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

逃亡弁護士 情報を小出しにする

2010年07月07日 | 推理・サスペンスドラマ
 海外ドラマ「逃亡者」の弁護士版ですね。「逃亡者」の主人公は医者だった。
 逃亡の途中で<いいこと>をしていくのも同じ。
 もうひとつ「逃亡者」から考えると、真犯人は主人公の味方となる身近な人間で、連光寺巧(豊原功補)あたりだけど、どうだろう? 成田誠(上地雄輔)の横領を偽装できたりするのは、事務所の身近な人間であろうし。

 作劇としては、誰が敵か味方かわからない所がいい。
 それが象徴的だったのが、誠が病院の裏口から逃げようとして事務所の同僚と出くわした時のこと。
 「俺はやっていない……」
 そう誠に言われて同僚はいったん行かせるが、「成田はここにいます!」と態度を翻す。

 誰が敵か味方かわからない情況は他にもある。
 二ノ宮絵美(石原さとみ)。
 通常ならヒロインは主人公に味方するはずだが、線路をまたいで出会った時は沈黙。
 誠のことを信じているのかいないのか分からない。
 引っ越しの手伝いに来た連光寺に気持ちをもらした時は、誠を信じてない様子。
 そしてラストシーン。
 誠に出会って彼女は何を語るのか?
 次回への引きとしては十分。

 また追う側の検察官・真船丈(北村一輝)も敵か味方かわからない。
 彼は事件の背後にあるものを掴んでいる様だ。
 真犯人を捕まえるためにわざと誠を逃がし、泳がせているという感じもある。
 誠を泳がせていれば真犯人が接触してくるだろうと考えているのだ。

 このドラマのポイントは、誠が真犯人に迫っていく中盤をどう面白く描いていくかですね。
 情報の小出しの仕方は1話を見る限り、上手い。
 伏線も随所に張られているようだ。

 脚本は渡辺雄介。脚本監修は秦建日子。「ブラッディマンデー」のコンビ。
 誰が敵か味方かわからない情況、最後に現れる意外な犯人など「ブラマン」のにおいは十分する。
 後は「ブラッディマンデー」の様に破綻しないことを願うまでだ。
 今回、広瀬友哉(中村獅童)が銃で射殺されてしまうのは強引すぎる。明らかに破綻。ラストの娘とのエピソードを盛り上げるために殺したとしか思えない。


コメント
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