第9話(15:00) 第10話(16:00)
この2話では保身で判断能力のないふたりの人物が描かれる。
CTUではリン・マクギル。
ホワイトハウスでは大統領のローガン。
まずはリン。
リンは命令を無視してテロリストへの手掛かりをなくしてしまったジャックを逮捕・拘束しようとする。
命令を無視して戦ったジャックの判断は正しかったと反論するオードリー。
今、現場からジャックを外すのはマイナスだと説得するブキャナン。
それでもリンはジャックを捕まえろと言う。
それは自分の威厳を保つため、CTUの指揮官が自分であることを示すため。
上からの非難をすべてジャックのせいにするため。
こうしたリンの行動はさらにエスカレートしていく。
このエスカレートさせていくというのが、物語をどんどん面白くしていく。
ジャックはテロリストに神経ガスを渡したネイサンソンから取り引きを持ち込まれる。
ネイサンソンは言う。
テロリストの情報を提供する代わりに自分の身の安全を保証しろ。
上の人間は信用できない。ジャックとだけ話をしたい。
これを受けてジャックはネイサンソンと接触をとる。
リンの拘束命令を無視して単独行動をとる。
これに対してリンがキレた。
おまけにジャックの行動にオードリーやブキャナン、現場のスタッフが自分の知らない所で手を貸していると知って、怒りは頂点になる。
ヒステリーを起こし、命令以外の仕事をしたスタッフを解雇する。
現場の端末をすべて自分の所に集め、チェックすると言い出す。
クロエたち現場のスタッフは、幾多のテロ事件によって培われてきた能力とプライドを持っている。
当然、反発を喰う。
リンに上司としての能力がなく、自分たちは信用されていないとわかると独自の行動をとる。
折しもクロエたちはロシアの大統領が暗殺されようとしているという情報を入手する。
それをリンに報告するが、不信のかたまりのリンは聞き入れない。
そこでリンを飛び越えて暗殺の件をシークレットサービスに伝えようとする。
部下に権力のみをふるい、部下を信用できない上司はダメだ。
そんなダメ上司をリンは見事に表現している。
そして大統領のローガン。
テロリストはローガンに条件を提示する。
「帰国するロシアの大統領の空港までの通行ルートと警備状況を教えろ。
拒めば神経ガスを撒く」
またしてもローガンに突きつけられる2つの選択肢。
ローガンはロシア大統領ひとりの命よりも20万の命を優先してルートを教える。
もしロシア大統領が暗殺されれば、この悲劇を糧にテロと徹底的に戦うと声明を出すつもりだ。
ルートを教えたことが露見すればロシアとの大きな外交問題になるが、ローガンは暗殺を容認した。
しかし、ドラマはさらに発展する。
ここでも発展だ。
暗殺のことを知った大統領夫人マーサがロシア大統領サハロフの車に乗り込むのだ。
それは暗殺を容認した夫への抗議。暗殺容認を思いとどまらせる意思表示だ。
ローガンは連絡を取ろうとするがマーサは応じない。
急用が出来たと言ってマーサを無理やり車から降ろすことも考えるが、車を下ろされる時にマーサが暗殺のことをロシア大統領に告げてしまうかもしれない。
葛藤するローガン。
しかし車を戻すことは出来ない。何も手を打てないままテロリストの襲撃を待つことになる。
この様な形で描かれたローガン。
大を生かすために小を殺す。
政治家の判断としては正しいのかもしれないが、視聴者の視点からは容認できない。
視聴者は断固としてテロリストと戦う正義の政治家や捜査官を求めている。
あるいは露見すればロシアとの外交問題になることを考えれば、政治家としての判断も間違っているかもしれない。
いずれにしても揺れ動くローガンの姿は、冷静さを失ったCTUのリンの姿と同じである。
今回の話を見るとドラマはやはり人が描かれていなければならないということがわかる。
アクション映画であっても、人が描かれていなくては面白くないのだ。
今回のリンとローガンの描写は見事で、ジャックのアクションや核爆弾の爆発よりも面白い「24」を見せてくれた。
★追記1
このロシア大統領暗殺を食い止めたのは、クロエたちCTUだ。
ロシア大統領暗殺の情報をリンに無視されたクロエたちだったが、リンに判断能力がないと判断した上級局員のカーティスが規約によりリンを更迭する。
そしてブキャナンが復活し、シークレットサービスに連絡をしたのだ。
リンとローガン、同時並行で描かれていた2つのエピソードがラスト5分「リンの更迭」→「暗殺阻止」で繋がった所も見事だった。
★追記2
せりふは殆どなかったが、今回カーティスが存在感があった。
カーティスはヒステリックになっていくリンを冷静に見つめている。
オードリーらがリンと激しい議論をしている中、冷静に見つめている。
そしてリンのヒステリーが頂点になった時、ついに規約をもとに彼を更迭した。
視聴者が一番やってほしいことをやってくれるおいしい役回りである。
その前まで意見を口に出さず、見つめるだけだったのも効果的だ。
この2話では保身で判断能力のないふたりの人物が描かれる。
CTUではリン・マクギル。
ホワイトハウスでは大統領のローガン。
まずはリン。
リンは命令を無視してテロリストへの手掛かりをなくしてしまったジャックを逮捕・拘束しようとする。
命令を無視して戦ったジャックの判断は正しかったと反論するオードリー。
今、現場からジャックを外すのはマイナスだと説得するブキャナン。
それでもリンはジャックを捕まえろと言う。
それは自分の威厳を保つため、CTUの指揮官が自分であることを示すため。
上からの非難をすべてジャックのせいにするため。
こうしたリンの行動はさらにエスカレートしていく。
このエスカレートさせていくというのが、物語をどんどん面白くしていく。
ジャックはテロリストに神経ガスを渡したネイサンソンから取り引きを持ち込まれる。
ネイサンソンは言う。
テロリストの情報を提供する代わりに自分の身の安全を保証しろ。
上の人間は信用できない。ジャックとだけ話をしたい。
これを受けてジャックはネイサンソンと接触をとる。
リンの拘束命令を無視して単独行動をとる。
これに対してリンがキレた。
おまけにジャックの行動にオードリーやブキャナン、現場のスタッフが自分の知らない所で手を貸していると知って、怒りは頂点になる。
ヒステリーを起こし、命令以外の仕事をしたスタッフを解雇する。
現場の端末をすべて自分の所に集め、チェックすると言い出す。
クロエたち現場のスタッフは、幾多のテロ事件によって培われてきた能力とプライドを持っている。
当然、反発を喰う。
リンに上司としての能力がなく、自分たちは信用されていないとわかると独自の行動をとる。
折しもクロエたちはロシアの大統領が暗殺されようとしているという情報を入手する。
それをリンに報告するが、不信のかたまりのリンは聞き入れない。
そこでリンを飛び越えて暗殺の件をシークレットサービスに伝えようとする。
部下に権力のみをふるい、部下を信用できない上司はダメだ。
そんなダメ上司をリンは見事に表現している。
そして大統領のローガン。
テロリストはローガンに条件を提示する。
「帰国するロシアの大統領の空港までの通行ルートと警備状況を教えろ。
拒めば神経ガスを撒く」
またしてもローガンに突きつけられる2つの選択肢。
ローガンはロシア大統領ひとりの命よりも20万の命を優先してルートを教える。
もしロシア大統領が暗殺されれば、この悲劇を糧にテロと徹底的に戦うと声明を出すつもりだ。
ルートを教えたことが露見すればロシアとの大きな外交問題になるが、ローガンは暗殺を容認した。
しかし、ドラマはさらに発展する。
ここでも発展だ。
暗殺のことを知った大統領夫人マーサがロシア大統領サハロフの車に乗り込むのだ。
それは暗殺を容認した夫への抗議。暗殺容認を思いとどまらせる意思表示だ。
ローガンは連絡を取ろうとするがマーサは応じない。
急用が出来たと言ってマーサを無理やり車から降ろすことも考えるが、車を下ろされる時にマーサが暗殺のことをロシア大統領に告げてしまうかもしれない。
葛藤するローガン。
しかし車を戻すことは出来ない。何も手を打てないままテロリストの襲撃を待つことになる。
この様な形で描かれたローガン。
大を生かすために小を殺す。
政治家の判断としては正しいのかもしれないが、視聴者の視点からは容認できない。
視聴者は断固としてテロリストと戦う正義の政治家や捜査官を求めている。
あるいは露見すればロシアとの外交問題になることを考えれば、政治家としての判断も間違っているかもしれない。
いずれにしても揺れ動くローガンの姿は、冷静さを失ったCTUのリンの姿と同じである。
今回の話を見るとドラマはやはり人が描かれていなければならないということがわかる。
アクション映画であっても、人が描かれていなくては面白くないのだ。
今回のリンとローガンの描写は見事で、ジャックのアクションや核爆弾の爆発よりも面白い「24」を見せてくれた。
★追記1
このロシア大統領暗殺を食い止めたのは、クロエたちCTUだ。
ロシア大統領暗殺の情報をリンに無視されたクロエたちだったが、リンに判断能力がないと判断した上級局員のカーティスが規約によりリンを更迭する。
そしてブキャナンが復活し、シークレットサービスに連絡をしたのだ。
リンとローガン、同時並行で描かれていた2つのエピソードがラスト5分「リンの更迭」→「暗殺阻止」で繋がった所も見事だった。
★追記2
せりふは殆どなかったが、今回カーティスが存在感があった。
カーティスはヒステリックになっていくリンを冷静に見つめている。
オードリーらがリンと激しい議論をしている中、冷静に見つめている。
そしてリンのヒステリーが頂点になった時、ついに規約をもとに彼を更迭した。
視聴者が一番やってほしいことをやってくれるおいしい役回りである。
その前まで意見を口に出さず、見つめるだけだったのも効果的だ。