一月中旬、フィンランド・ロバニエミに出品したFAIRLY NORTH展の作品が戻って来た。
展覧会終了後、キューレーションをした多田君の元に作品がまとめて送られ、届けてくれたもの。
会場では、保管場所から急激な温度差のある展示場に持ち込まれ、湿度の関係から和紙の作品には
コブのようなデコボコが出来た。
会場のコンディションに予測も付かなかったが、掛け軸スタイルの作品には不思議なテクスチャーが生まれた。
これもインスタレーションの醍醐味かと納得したものの、戻って来た作品からはコブが消えていた。
「あれが良かった」、と今更ながら予測が付かない曖昧さがたまらなく好きになる。
インスタレーションにコブが加わったあの作品は、愛しのロバニエミとして幻となってしまった。