東海大学旭川キャンパスは、3月31日、学生がいなくなり、スタッフがいなくなり、誰もいなくなった学び舎に別れを告げる。
そんな最期に集う、卒業生と元教職員約10人。
晴れやかだった42年間の想い出が、走馬灯のように蘇る。
バスから学生やスタッフが降り、賑やかに友人たちとしゃべりながらこの坂をのぼる。
静寂の中に、人々が、車が、想い出が流れるように通り過ぎて行く。
建物が残り、太くなった木々が残り、鳥たちがさえずる。
今朝の雪化粧が、この地を象徴するかのようであった。
雪の降る町よ、想い出だけが通り過ぎて行く。
集った人々と、ジュースで乾杯し別れを告げた。
あまりにも寂しい、旭川市忠和の丘の3月31日午後5時。