荒井善則展覧会情報

旭川と長野を中心に、作品活動をしています。その中で、展覧会情報をお送りします。

展覧会情報ー草間弥生展+松本の半日1

2012年09月03日 | 日記
松本出身の草間弥生展を、松本市立美術館に見に行く。
数年前からの新作100点シリーズと、立体や空間を活かしたインスタレーションの展示。
エントランスには、巨大な動物と人形が並び、壁面やマネキン、清涼飲料水メーカーの自販機までも赤い水玉模様で変身する。
一部の展示会場は写真撮影が可能となっていたこともあり、親子づれやカップルなど楽しそうにカメラを向け合う。
日本巡回展、5月ロンドンのテートモダンでの世界巡回展で今も活躍中の、日本を代表するアーティストの幅広い作品は楽しい。
会期:2012年7月14日(土)~11月4日(日)
会場:松本市立美術館 http://www.asahi.com.kiusama/

卒業生の高橋君は、午後から時間を取って私に付き合ってくれた。
彼の卒業後10年の動きが、手に取るように解る行動に感心しながら、松本の魅力を垣間見る。
松本民芸館は、静かな住宅地に前庭の大きな木を配した林が美しい。
市内のクラフトを中心としたギャラリー巡り。
昨今のチェーン店に押され気味の喫茶店は、松本では若い人の運営で増えているとのこと。
人々は、コーヒーを味わいながらおしゃべりを楽しみ、自分たちの時間を見詰める余裕を感じる。
毎年5月、全国の厳選されたクラフト作家が集うショーが開催されることもあり、コーヒーカップや食器にも気を配る。
旬の花を生け、インテリアには地元の家具や技術を活かす。
今も民芸運動が盛んで、多くの店舗でも全国からの逸品を集め、市民に情報と共に良い物を提供する。
立ち寄った老舗の紙屋さんのショーケースには、百万塔陀羅尼が鎮座していた。
40年近く前、毎日新聞社が日本各地の手漉き紙を集大成、その出版記念品とのこと。
豪華本に、こんなおしゃれな百万塔の記念品を付けた粋な計らい感動、勿論、木版によるレプリカの陀羅尼経付き。
気を良くしたご主人、2階のギャラリー奥のオフィスから豪華本を取り出して見せれくれた。
今では、材料や工芸家などの後継者不足から、このような企画は不可能とのこと。
展示の折り紙による2000羽の連鶴は、工芸家の奥様とお嬢さんの作。
老舗のなせる技、中々このような店舗と店主に出会うことは稀。
こんな所にも、松本の文化の深さを感じて気持ちが和む。