桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・2・11

2011年02月12日 | Weblog
夕べ寝た時にも殆ど声は出ていなかったけど、今日起きてみたら夕べ以上に声は出ないし、喉が痛い。昨日飲んだ薬を続けて飲もうと、お客さんにいただいた鶏ご飯を一口食べてから薬を飲む。目脂が目を覆う程出ているけけど、熱は相変わらずない。今日は休日で病院も休みだし、こんな日は寝ているしかないと、とりあえず日記だけは書いてしまってからベッドにUターンする。本当なら岡まゆみさんとやる芝居の台本はこの三日間が勝負だったのに、とてもそれどころじゃない。岡さんから俺の監視役を仰せつかっていたMはこんな状態じゃとても書くのは無理だわねと監視役を早々に放棄して友達に会いに行ってしまったので、ベッドの中で一人眠ったり起きたりの一日。カーテンを開けて表をみたら雪。建国記念日に雪か……とふと四十数年前に復活した第一回目の建国記念日も凄い雪だったことを思い出す。そうだ、その第一回目の建国記念日に抗議する雪の中のデモシーンを取り入れた大島渚監督の「日本春歌考」は我が家にとってエポックメーキング的映画だったと思い出す。その映画に感動した19歳の俺は映画脚本家をめざそうとし、俺に無理やり映画に連れていかれたすぐ下の弟も理科系だった癖にそれから埴谷雄高や吉本隆明に傾倒して行って企業の中で生きる科学者を否定する生きかたをしていったし、まだ15歳でイギリスから帰ったばかりの妹も女子高校生がレイプされる映画を見てバレーから芝居や映画の世界に興味を持つようになったのだと遠い日のことを思い出している。まだみんな十代だったのだ。そんな時期にあんな映画に出会って三人の人生は急カーブがかかっていったような気がする。動かないから食欲は全くなし。薬を飲む為だけに朝の残りの鶏ご飯を二匙、三匙と口にいれるが、喉が痛くて流し込めない。九時半すぎにMから電話があって何か買うものがないかときかれて、寿司が食べたいといったつもりが声になっていなくて、何度も大声で言い直す内喉が更にいたくなる。十時近くにMが帰って来て、買ってきてくれた寿司を食べた時の美味かったこと。多分冷たくて喉をスーッと通っていくものが食べたかったのか?特別見たい訳ではなかったのに、何気なくつけた四時間近くの大作映画「沈まぬ太陽」を見てしまう。全日空コードシェア問題では折角JALを持ち上げたのに、この映画を放送するのに抗議して日本テレビからCMを引き上げるなんてバカとしかいいようがない。この映画はJALの良心を描いた映画じゃないか?どうしてなんだ?確か「ハッピーフライト」でもJALは協力を拒否してANAが協力ということになったけど、確かに航空会社のミスを描いたものだけど「ハッピーフライト」を見ればANAに乗りたくなってもんだぜ。そのお蔭で俺たちはロンドンで丸一日足止めを食ってANAに対する怒りがまだ治まらないでいるのだけど、この種の映画の撮影協力は進んでやるべきだぜ。そこでこそナショナルフラッグというもんじゃていかと声は出ないけど帰ってきたMに熱弁を奮っている。
★2/12(土)は都合により臨時休業いたします。従って2/11(金)の建国記念日から2/13(日)まで連休させていただきます。