喉はまだ微かにしか声がでない。行きつけの耳鼻咽喉科に行こうと思い立ったが、土曜日は休診。その代わりにと言ってはなんだけど、目脂も酷いので、やっていた眼科に行き、診察を受ける。喉と目が連動している可能性もあるみたいだが、現時点は結膜炎との診断。三日ほど目薬をさせば感染の心配はないとのことで、店を連休にしておいてホッとする。部屋に帰って餃子と八宝菜と炒飯にしじみ汁で食事。さすがに食欲はない。無理して食べると途中で気持ち悪くなってベッドへ。何だが体全体にガタがきている感じがする。それでも何とか一休みした後、台本にかかろうとするが、監視役のMはあっさり俺を放棄して一晩泊まりで広島へ行ってしまうし、目と喉の不調で集中力がなくなっているもんだからさっぱり進まず。気晴らしにとリスボンのG氏にメール。ポルトガルでは檀一雄の住んでいたサンタクルズまで案内して貰い、帰国直後俺たちのことを心配したメールまで貰っていたのに返事がそのままになっていたのを思い出したのだ。とはいえ、只でさえ携帯メールは嫌いだし、それが英語となると億劫さが増す訳で、こうした機会を利用してパソコンで返事を書こうとしたのだけど、パソコンでも英語は英語なので、普段使い慣れてない言語を使って正式な文章を書くのって居酒屋のオヤジにしてみればちょっとハード。そしてまた以前俺が脚本家だったということがばれてなければ楽だったのに、ばれているもんだから「文化人」としての体裁もある訳で、英語を使うのに気負ってしまう。でも、今日は声を出してブロークン英語を喋るより受験英語で鍛えた文章を書く方がラクでマシ。60を過ぎてから習うポルトガル語はすぐ忘れてしまうのに、もう45年も前に覚えた英語の単語は手紙を書ける程にはまだ覚えているなんて、何だかとても不思議だ。Kind regards.