昨日懸念していた湯沸器の調子が何とか回復して保健所の七年に一度の検査はあっけなくパス。これで七年は営業できるとホッとしていた処に、二箱の宅配便が届く。一つは今週末にウチで公演をするKさんの山形にいる父親が娘が世話になるからと送って下さった啓翁櫻という温室栽培された蕾の櫻の枝。この時期に櫻なんか珍しく早速店の中に飾らせていただいた。もう一箱はMの母親のSさんが送ってくれたもの。中を開けてみたら、タコの生干し、タコの塩辛、タコご飯の素、タコ煎餅、タコワサ、更には広島名物モミジ饅頭もタコ入りと、広島三原名物のタコタコ尽くし。タコ好きのMのことを思う母心がズシーンと伝わって来る。と思うものの、Sさんにこうして「母親」をやられると彼女より15歳年上の俺としては複雑な気持ちにさせられる。確かにSさんはMの母親には違いないけど、俺にとっては一人の「年下の女性」、彼女は何しろ松田聖子と同い年なのだ。そう、今から30年前、俺がいい年して「セイコちゃん」なんて言っていたら「ロリコン」と気持ち悪がられた、その松田聖子とだ。それを思うとSさんは紛れもなく若い女だ。実際Mと話している光景は、俺から見ると母娘というよりは年の離れた姉妹という感じ。とにかく俺よりは圧倒的に若い。ということは63の俺より記憶力だって体力だって俺以上にいい筈だし、松田聖子が母親であるイメージを何処かにおいてまだイキイキとライブ活動をしているように、俺としてはSさんに三人の娘の母親であることを忘れて「女」をやって貰いたいと勝手に思いながら、もう一人の娘の親であるKさんが送って下さった櫻の花を愛でつつ、SさんがMの為に送ってくれた三原名物タコの生干しを齧り、三原の酒「酔心」を飲む早春。