桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・12・10

2005年12月11日 | Weblog
午後、クロスの洗濯をしながらコレド通信の原稿を書く。年末特集号として今回は会員だけじゃなく新たな常連さんも含めて700人近くに送る予定で、紙面もいつもの倍にする。日曜日に会う予定のイベント関係者数人に連絡を取った後、先月のイベントに使用したビデオを返却がてら出資者の一人Oさんと食事。今年一年の売上状況など説明……なんてここまでは仕事っぽかった。Oさんと別れて八時過ぎに店へ出てみたらノーゲスト。LちゃんTちゃんが暇を持て余している。11月の終わりあたりから早い時間は本当に暇。一二カ月前は八時にはカウンターが埋まっていることもあったのに、どうしたんだろ?皆、忘年会の季節で忙しいのかも知れないと諦めつつ、遅い時間に期待するが、今日は虚しく終った。11時過ぎまでに来店してくれたのはIさんとそのフラメンコ仲間のAさん、それと放送作家のFさんの三人だけ。Lちゃんと二人、虚しさを埋めるべく倉庫に山積みになったダンポールを潰して資源ゴミに出すという、別の虚しい作業に没頭する。

2005・12・9

2005年12月10日 | Weblog
今日はAちゃんのトレーニングも兼ねてLちゃん、Tちゃんと初めて三人体制で臨むことになったので、14人のパーティの料理の準備も含めて俺は全く口も手も出さずにいることにした。パーティが一段落するまでカウンターの方が忙しくなかったこともあって、俺が動かなくても何とか成立し、ホッとする。そりゃ人件費はかかるけど、俺が厨房でバタバタしているようではこの店の未来はない。九時過ぎ頃からカウンターも混みだす。TテレビのAさん、映画監督のKさんと現像所のSさん、テレビ演出家のNさん、一時帰国中のH堂のFさん、ニューヨーク帰りでまだ時差ぼけ中のAN嬢、法律事務所のNさん、妹のフアンRちゃんを連れてきた昔の飲み仲間のYちゃんとMちゃん、すき焼を食べに来た女友達のS、そしてパーティが終了後も残ってくれた高校の同窓生のHとO。最後はそのHとOとSで三時近くまで。58の男女が三人と31の女の妙なミッドナイトパーティ。

2005・12・8

2005年12月09日 | Weblog
むかつく女!深夜常連のA氏と入ってきた女、酔っていたからかなかなか注文が決まらない。やっと赤のグラスワインに決めたが、やれフレーバーでタンニンがどうのこうの、ずっしりと重いのがいいと大して知りもしない癖にワインの蘊蓄を述べながら注文する。そんなワインはボトルでと云うと、この店ワインがないんだってとA氏以外の連れの男に甘える。結局ウチのハウスワインに落ち着いたが、今度はA氏が眠ってしまったのをいいことに連れの男とキスしだす。やんわり他のお客さんもいますのでと注意すると、つっけんどんに水!と命令口調。それが一回だけじゃない。二時間の間に五度もされてこっちは切れる寸前になる。六度目にキスを注意して、水!と言われた時、ありません!と答える。女は構わず水!こっちはありません!と馬鹿みたいな応酬が繰り返される。水ぶっかけてやろうか?この野郎!と云う気持をギリギリで抑えて、眠っていたA氏を起こし、連れて帰ってくれと云うのがせめてもの紳士的対応?むかつく店!と女。むかつくのはてめえだ!と女の背に無言の罵倒。Aさん、もうあんな女連れてくるなよ。

2005・12・7

2005年12月08日 | Weblog
二時からウチの店の取締役のIさんと税理士のHさんを交えて、今年一年の総括と来年に向けての問題点を話し合う。解決出来ない問題があるものの、柔軟に対応して行くとの合意。その途中、またミスをしていることに気づく。てっきり翌日だと思っていたパーティが今日だったのだ。人数は20人程度とはいえ、料理を一杯だす約束をしていた為、打ち合わせ終了後、慌てて用意しだす。加齢のなせるワザか、思い違いやど忘れが最近目立ち、嫌になる。パーティはデザートまで出して出席者に満足して貰って何とか終了。その間厨房に立ちっぱなしだったので、終るや否や、来店していた美人脚本家NさんやNテレビのKプロデューサーたちの席に直行し、ビールで喉を潤してお喋りする。お喋りが弾んでNさんたちが帰ったのが四時過ぎ。部屋に帰ってパーティの残りのおでんで空腹を満たす。がんもどきが分裂して汁が濁り、うまくない。

2005・12・6

2005年12月07日 | Weblog
広尾の雑貨店でクロスを買い求めて8時前に店へ出た時、カウンターには常連の演出家Nさんが一人と制作会社KのプロデューサーSさんと新人のYちゃんがいただけだった。けど、時間が経つ内にシアタースペースの方にウチの店を作ってくれた美術デザイナーのHさんたちが5人、いつもすき焼を注文してくれるB庁のT部長たちが8人、近所のK出版社のSさんMさんOさんたちと合計16人、カウンターにも名古屋のTテレビのKさんたち、近所に住むKさんたち、一時帰国中のH堂Fさんと本社営業部長のSさんが陣取り、ホボ満席状態。料理も一杯出て、俺は厨房に入りっぱなしだった気がするし、15万近くの売上があがったと思い込んでいた。ところが、最後のお客の近所のMちゃんが帰った後に集計してみたら、何と8万しかない。これは一体どうしたことか?深夜のファミレスでLちゃんと食事しながら伝票を拡げながら検討する。来店者数27人で売上8万、一人平均約3000円。うーん、別に不思議がないと言えばない。殆どの客が二杯程度のオーダーだったと云うことだ。うーん、でも何か割り切れない。後一杯づつオーダーを増やせば10万円はオーバーした筈。うーん、何故それが出来なかったのだろ?そんな時もあるさと諦めるしかないのか?

2005・12・5

2005年12月06日 | Weblog
今日は四回目になる『西沢利明ひとり芝居・白鳥の歌』の公演。予約客が少なかった上に、当日になってキャンセルが四人もあった為、有料入場者だけでは格好がつかないと慌てて親しい女友達たちに声をかけて招待客とする。主催者としては赤字だったけど、店としてはわずかでも売上はあったし、賑わっている感じがもてただけで良しとすべきか。そう、芝居が終った後もカウンターはいつもの様に一杯で、Lちゃんの過激なマシンガントークが炸裂し、女性客の笑い声が響き渡っている。でも、ふと考えてみたら、芝居のお客さんを除いたら今日来店してくれたのは、テレビカメラマンのYさん、SミュージックのSさん、看護婦のRさんとその連れの小児科の女医さんの四人だけ(遅くなって出資者の一人Tさんが友人5人と来てくれたけど)。12月に入ったと云うのにちょっと不安だ。2時に店を閉め、久しぶりにLちゃんと近所のモロヘイヤラーメン。深夜この店に来たくなる時って精神的にあまりいい時じゃない。

2005・12・4

2005年12月05日 | Weblog
午前中はクロスの洗濯。終って午後から西沢さんのリハーサルにつきあう。リハも含めてもう何十回もこの芝居を見て来ている筈なのに、ここに来て戯曲を間違って読んでいたことに気づく。芝居が奥深いことを改めて痛感。リハ終了後、店で明日の芝居に来てくれそうな人に片っ端から電話するが、全員に断られる。12月は芝居の公演にとって厄月だ。来年からはもっと宣伝集客活動を積極的にしなくてはと反省。その中の一人、Oと食事することになって六本木で会う。クリスマスイブが暇だと聞いて『Lちゃんのクリスマス』に誘う。来てくれるといいんだけど。Oと12時前に別れて部屋でパソコンに向かおうとしたが、眠たくなってベッドへ。仮眠のつもりが九時過ぎまで熟睡。八時間以上も続けて寝るなんて何カ月ぶりだろ。

2005・12・3

2005年12月04日 | Weblog
2時から『西沢利明ひとり芝居・白鳥の歌』のリハ。九月から毎月第一月曜日に行って来たこの公演も今月で4回目となるが、今回はこれまで以上に予約が少ないので、今日来店したお客さんに徹底的に宣伝しようとしていたが、こっちのお客さんも11時までノーゲストでは話にならない。深夜、近所に住む経営者Hさん、フランスから一時帰国したばかりのH堂のFさんたち、同僚の送別会帰りの化粧品会社のMちゃんたちが寄ってくれたが、皆忙しい人ばかりで芝居を見ている時間はなさそうで諦める。三時前に店を閉めて、Lちゃんと六本木の寿司屋へ。今後の店の経営方針を語り、自覚を促す。考えてみれば、まだ18歳の娘に店を経営する自覚を持てと説教しても、Lちゃんにとっては荷が重すぎることは分かっているが、俺は58歳、後はそう長くなく、店を維持する為にはLちゃんに頑張って貰うしかないのだ。

2005・12・2

2005年12月03日 | Weblog
六時半から九時までのパーティ予約に続いて九時十五分から十一時過ぎまでにもう一つのパーティ予約。時間差15分はとても無理と判断して昨日の段階で最初のパーティの主催者に値段をダウンして八時半までにして貰った。これで時間差問題は解決したが、お酒を飲まないので料理を沢山、それもすき焼コース10人と普通コース6人と分かれた為、五時過ぎから厨房に閉じ籠もりきりになって、料理を作り続けた。まぁ、こっちはどうにかなりそうだったが、問題なのは九時過ぎからのパーティ。予約を受けた段階で、人数と値段(つまり料理があるかないか)を聞くのを忘れ、予約に来た人の連絡先も分からない。仕方ないから前のパーティが一段落したところで料理を作り出す。だが、途中で電話。料理はなしで、参加者は20人弱。一度に気が抜ける。でも、そのパーティが始まってからTさんが11人で来店。急いでLちゃんに席を作らせる。他にもカウンターに近所の出版社のOさん、フランス帰りの不思議な女Nさんとその友人、AN嬢、法律事務所勤務のNさんとその友人、Tちゃんの友人Fさん、近所のHさんたち、遅くなって広尾時代の常連客NさんとTさんたち、N大I病院の産婦人科医Tさんたちなどが集った為、かなりの忙しさ。新人のAちゃんはこの間は暇なイベントの時に働いて貰って楽勝ムードだったけど、今日はそんな気分はどこえやらだったに違いない。Lちゃんも12時過ぎにはダウン模様だったので帰って貰い、後は三時過ぎまで一人でやる。真夜中溜まった皿を洗い続けて空きビンの整理をしてゴミをまとめていると、どうして俺がこんなことをしているんだろうと放棄して帰りたくなるが、その衝動を堪えて何とか今日一日を終える。風邪はまだ治らず、腰も痛い。

2005・12・1

2005年12月02日 | Weblog
風邪気味だし、やらなくてはいけないことはたまっているし、遅い時間に店へ出ようとしていたら、美人脚本家のNから電話で今から女性シンガーのSと一緒に行くと言われて店へ飛んで行く。Sはウチのステージのこけら落としにライブをやってくれた後、数回店には来てくれたものの、しばらくして体をこわしてしまった為、会えずにいたのだ。一年ぶりに再会したSは以前より痩せてはいたが、雰囲気が若い頃に戻ったようで、相変わらず魅力的。自分のライブでもSの歌を三曲も歌った程の大ファンのLちゃんは、緊張していつもの過激なトークが影を潜め、妙におしとやか。ドアを開けるなり、今日は店に「凄い気」が漂っているわと言いながら入って来たAN嬢は、その「凄い気」の正体がSだと気づくと、いつものように「AN嬢」に変身出来ずに、しばらくの間「男」のままでいざるえなかった。幸か不幸か、お店は少人数精鋭主義(つまりお客さんがいない)だったので、皆Sを中心にゆったりとした時間が流れる。Sの帰り際にダメモト承知で「うちでリハビリライブやらない?」と誘ってみる。曖昧に返答を避けたSだったが、否定しなかったところをみると、可能性がゼロではないらしい。何とかもう一度Sのナマ唄が聴きたい。