桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2012・1・13

2012年01月14日 | Weblog
俺との色々な関係、様々なきっかけで人はウチの店に通ってくれる。でも、今日位それが多種多様だと思ったことはない。美人CMプロデューサーのRさんは俺がシナリオ学校でたった数日講師を勤めた時の生徒で、現在プロの脚本家として活躍するMさんが最初連れてきてくれたのだけど、今やMさんを遥かに凌駕する常連だ。映画の編集者のUさんは40年近くも前に俺が日活ロマンポルノを書いている時に知り合って、以後何となくつきあってきて現在に至るが、いつの間にかUさんは映画をプロデュースしたり監督にもなっていた。彼に連れられてきた映画評論家のOさんは元々フランスにいる映画監督Tさんの知り合いで、後に彼女が連れてきた作家のTさんの関係でスタッフのO君はウチで働くことになる。テレビAの関連会社社長のKさんとは俺が初めて書いたテレビドラマでセカンドADをしていて知り合った。彼とのつきあいも35年を過ぎた。これまではあまり濃いつきあいじゃなかったけど、これからは彼に俺が書く芝居を演出して貰いたいと思ったりしている。出版編集者のKさんとは15年ほど前、彼が俺の昔からの知り合いの脚本家Aが編集長を勤める映画雑誌を手伝うことになってからのつきあいで、この間はイマジカでニュープリントされた「ツィゴイネルワイゼン」(鈴木清順監督)をみた後、その映画について二人して珈琲を飲みながら興奮して語り合った。悠々セカンドライフのSさんは、それこそ「ツィゴイネルワイゼン」に主演していた藤田敏八監督が毎日のように顔を出していた銀座のバーで知り合いになったのだけど、俺が脚本家を廃業して広尾で店を初めてからずっと来て下さっている数少ないお客さんの一人だ。去年、Sさんは年間55回の来店数を記録した。今日突然顔を出して「Hの息子です」と名乗った彼の父親はいくつか同じ番組に関わった脚本家の先輩だ。でも,この先輩、俺とタメを張る位の遅筆で且つ同じように逃亡癖のある方で、あるテレビ局の方にHと桃井はプロデューサー泣かせの両巨頭だよと言われたことがある。そんなことで俺に親しみを持ってくれたのか俺の店にも時々顔を見せてくれたのだが、息子は父親とは関係なしに広尾時代店長だったM君の知り合いだったことでニ三度きたことがあるのだけど、赤坂のレコード会社に勤めだしたこともあって乃木坂の店に初めて顔を出してくれた。Sミュージックに勤めるOさんは元々同じ会社にいたウチの常連のIさんが連れてきてくれた人で、今は品川勤務になって足が遠のいてしまったのに今日は俺の知り合いのKさんや歌手のOさんのマネージャーのMさんを連れてきてくれた。ベテラン映画カメラマンのYさんとはもう三十年も前に当時つきあっていた女性を真ん中に知り合った。その関係が細々と続き、ウチの店が彼が所属する会社の近所に引っ越してきたことで太くなった。Yさんも4年前に35歳近く年下の奥さんと結婚して、俺たち夫婦と乃木坂の年の差カップルとして名を馳せた?が、彼の方は今日も仲良く夫婦してきては、妻に逃げられた俺を「元気?」とからかう。大手出版社Sの編集者Kさんとは彼が昔担当していた女性作家のMさんの出版記念パーティを広尾の店でやってからのつきあいだ。日本映画について詳しい彼とはいつも映画の話で盛り上がる、なんていかにも常連っぽく云ったけど、彼が乃木坂の店にきたのは先日今日も一緒だった女性作家のKさんに連れられてきたからだからまだこの店では新参者だ。そして、今日の生粋の新参者は、突然現われた年齢不詳の美女のKさん。ポルトガルに一度行ったことがあるとかで、表にでている「ポルトガル風居酒屋」と云う看板に惹かれて入ってきてくれた。これは俺の勝手な思い込みだけど、彼女が常連になる日が来るような希望的観測をしてしまった。