桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2011・5・23

2011年05月24日 | Weblog
食事を終えたらMが出かけてしまったので、風呂上がりにボンヤリとテレビを見ていたら人気刑事ドラマ「A」の再放送が流れだした。「A」が始まる以前に放送していたS主演の刑事ドラマ「H」の子供の頃からの大ファンだったMは、「A」がヒットした為に「H」の続編が作られなくなったと思い込んでいる為、「A」と主演のMに対する憎悪は信じがたいものがあって、「A」の番宣が流れただけでチャンネルを変えてしまう位だから、当然本編は見たことがないし、Mがいない時に再放送を見るのも妻を裏切るようで今日まで控えてきたのだけど、何だか今日は見てもいいような気がしてスイッチを切らずにいた。今日はスペシャルバージョンだったこともあってゲストも多彩、ドラマの内容も深くてさすがだと思った。こんなことならMに義理だてしないでもっと早くから見ておくんだったと後悔しながら、先日見て感動した「監督失格」を元B庁のキャリア官僚で、今は映画評論家のT氏に試写会へきて見てくれと依頼の手紙を書いたり、「かっこうワルツ」のお金の清算をしたりしていたら、Mから電話があって店に先日柄にもなく文部大臣賞を貰ってしまった有名個性派俳優のEさんと元グループサウンドTのメンバーで今やEさんと同じく個性派性格俳優として有名なKさんがきていると連絡があったので店に飛んで行く。Mは「A」を見てないので知らないのだろうが、Kさんは「A」の中でも主人公の味方なんだか敵なんだか分からないキャリアの上司としてレギュラー出演していて、「A」を初めて見た日にKさんが店にきてくれたのも何かの縁としか思えなかったからだ。二人は先日亡くなった俳優長門裕之さんのお通夜の帰り。そういえば俺は26歳の時に書いた最初の一般映画「A」からN主演の人気ドラマ「I80キロ」や二本の刑事ドラマシなど長門さんが出演した作品に何本も脚本家として関わっていたのに気づく。だからと言ってお通夜お葬式に行く関係ではなかったので、二人の傍でご冥福を祈っていたが、同世代(一才ずつしか違わない)の二人と話している内、だんだんと映画の話になって、三人で盛り上がる。Eさんの口から前出のT氏の名前がでたもんだから成り行きで「監督失格」の話になり、Kさんが出演している7月公開の「大鹿村騒動記」の話になったりする。映画の話をしていると、彼らは有名で俺は無名という垣根は取っ払われて、熱くなってしまう。雨の夜、「A」と長門さんがくれた贈り物。