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緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

辛い・・から笑顔を取り戻したAさんのこと

2021年02月07日 | 医療
ComfreakによるPixabayからの画像 Aさんは婦人科癌で手術と放射線治療を受け、もう何年も再発はない状況でした。リンパ浮腫のケアのために、症状緩和・がん患者支援外来を受診されました。初診時、 足が腫れているのも辛いけど、 もう、全部が辛い。 体がだるくて、涙が出てきて・・ 生きているのが辛い・・・適応障害でした。数回程度、精神科専門医の併診を持ちました。毎回、外来にいらっしゃる . . . 本文を読む
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見えない壁に囲まれて:精神科受診率は高い状況が続いています

2021年01月31日 | 医療
(Jill WellingtonによるPixabayからの画像 )こんな風に解き放たれることができたら・・いいですね・・夜出歩かないとか友人と食事に行けないとか電車に乗る時間帯を選ぶとか旅行に行くのは控えるとか海外には渡航はできないとか今は我慢の時。といっても、日常生活そのものはそんなに大きく変化したわけではないのですが何となく息苦しさ・・のような感覚があります。自分の四方にガラスの箱・・・のよう . . . 本文を読む
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謹賀新年!病院に寄せられた近隣からのエール

2021年01月03日 | 医療
写真は、近隣の小学校5年生から送られた激励メッセージを掲載した院内ありがとうリレーのチラシ。管理・事務部門が集まっている病院6階の廊下に手書きのメッセージが張られています。通りがかった時に、思わず見入ってしまいます。近隣の駅で工事が行われていて、その仮囲いに応援と感謝のメッセージを掲示するイベントが開催されたそうです。その後、そのエールを集めた冊子を作製してくださり病院に寄贈してくださいました。か . . . 本文を読む
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重症病床がすぐに一杯になってしまう理由・トリアージ目前の医療

2020年12月27日 | 医療
(PIRO4DによるPixabayからの画像)いつの間にか、今年も後4日。新しい年が良い年でありますように・・と願いつつも、厳しい始まりになりそうです。幸せなことを幸せだと感じられる自分を大切にして、皆様の健やかな新たな年を心からお祈りしています。12月13日の記事最初つけていたタイトルは、実は・・「コロナやばい・・」でした。さすがにやわらかな表現に変えましたが・・でも、予想通り、あれよあれよと東 . . . 本文を読む
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もう余裕はない中で。緊張が解けたときに目撃したリスク・・

2020年12月20日 | 医療
(緩和ケア研修会で。 会場はソーシャルディスタンスを保って設営しています。)東京は日曜日としては最多の556人とか・・生まれ故郷の岡山も、過去最多111人・・でも・・先週書いた通り、数以上に質的に深刻な事態が、今なお進行しています。先日、保健所の所長としている友人が夜中の1時頃、身内に呟いたこと。こんな夜中に・・勘弁してほしいと言われても・・・今から悪化しても入院できるところは探せない。もう、その . . . 本文を読む
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病院の中から感じる 危うさ

2020年12月13日 | 医療
Ioannis IoannidisによるPixabayからの画像 病院の中のコロナの風向きが変わってきています。第2波の時は、症状が軽く、経過を追っていくような患者さん第3波と言われる今は、症状が悪化して来院、入院、急ぎ投薬が必要・・何が違うのかというと、第2波の時は陽性者の周囲、濃厚接触者を調べたら陽性で症状はないけれど宿泊施設や病院でフォローといった状況今は症状が明らかになって、検査 . . . 本文を読む
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看護師には、看護師にしかできない仕事を集約させて

2020年12月06日 | 医療
(Gerd AltmannによるPixabayからの画像)寒くなって、やっと冬が近づいていると感じることができました。この1年間、時が止まったような感覚でした。大阪のコロナ病棟を持つ病院の看護師が足りないというニュースが流れています。コロナ専用病棟で、看護師が患者の衣類の洗濯をするなどし、ケアの人出が足りないとというニュースも読みました。看護師は、専門職です。看護師にしかできないことを集約させ、回 . . . 本文を読む
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心を開くこと、誠実であること、そして症状緩和

2020年11月22日 | 医療
今年のもみじは、一本の木で真っ赤にならないようです。緑から葉先の紅色まで、グラディエーションが綺麗です。1997年シシリーソンダース先生がイギリスから初来日されました。(写真は、私が勤務していた病院に 視察にいらっしゃったときのもの)上智大学の講堂で、緩和ケアに従事する人たちが固唾を飲んで聴き言っていました。その中で、 opennessとhonestyが症状緩和と共に三角を作りそれが緩和 . . . 本文を読む
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無理の量を決める

2020年11月01日 | 医療
(Veronika AndrewsによるPixabayからの画像) 外来などで回りが見えなくなるほど想い入れて、一生懸命(すぎる)患者さんやご家族に出会うことがあります。そんな時、頑張り過ぎないでくださいねとか少し休んでくださいねと言いたくなるのですが、頑張るしかないから頑張っているのに・・とか自分なりに休んでいるから、頑張り自体を認めてほしいのに・・と逆効果となる場面があります。どんな言葉が伝わ . . . 本文を読む
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京都の癌治療学会に現地参加して来ました

2020年10月25日 | 医療
10月22日から24日まで京都国際会議場で開催された第58回日本癌治療学会学術集会はハイブリッド開催。21日から理事会、代議員会と続いたこともあり、現地入りして参加してきました。冒頭の写真は、メイン会場の壇上。紅葉の写真と落ち葉が敷き詰められ、背景には京都らしい障子からの日差し。息を飲むような美しさでした。向かって左が演台、右が座長席です。演台の左右と前、座長席の左右と前にはアクリル板が置かれ、マ . . . 本文を読む
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土曜日は当直でした

2020年10月18日 | 医療
(David MarkによるPixabayからの無料画像です)昨日は管理当直でした。救急やウオークインの時間外来は担当診療科が固定されています。管理当直は、大学の講師以上が持ち回りで年3~4回位担当します。いわゆる院長代理の危機管理当直なので、重大なことがあれば院長に報告し、指示を受けて動いていくのですが、大半は大事はありません。シニアレジデントの面接試験官、打ち合わせZoom会議の後は今週のがん . . . 本文を読む
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知っているようで知らない 紫尿バック症候群:Purple urine bag syndorome

2020年10月11日 | 医療
(画像:http://free-photo.net/archive/entry10097.html)医療従事者でしたら少なからず経験があるのではないでしょうか。膀胱バルーンカテーテル留置していて、浮遊物が多くなって、すぐにカテーテルが閉塞してしまうこと。いわゆる・・「カテ閉塞」そのうち、管の周囲が色づいて来たりして。特に、長期留置になりやすい在宅医療や介護施設で問題になりやすい傾向にあります。Pu . . . 本文を読む
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仕事と治療の両立のために:癌治療学会、京都開催とWebで準備が進められています

2020年10月04日 | 医療
家庭と仕事治療と仕事どちらもバランスとか両立という言葉でこの二つを表現します。家庭と仕事の両立ライフワークバランス治療と仕事の両立家庭と仕事は、過去には、まるで対峙するかのような関係でした。家庭なのか、仕事なのか。二者択一のようにその狭間で苦悩の人々がいました。でも、徐々に、家庭も仕事も他の生活もすべてを一つに自分の生活として見ることができるようになってきたように感じます。家庭ばかりでも大変、仕事 . . . 本文を読む
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あいまいな喪失

2020年09月27日 | 医療
(写真は、Cindy LeverによるPixabayからの画像) 2017年に書いた記事。あいまいな喪失(Ambigurous Loss)~「さよならのない別れ」と「別れのないさよなら」COVID19は、まさに、このあいまいな喪失を引き起こしています。きちんとお別れができない死別・・これは、コロナによる死亡にとどまらず、感染予防のために、外部からのお見舞いや訪室を最小限にしていることで様々な疾患、 . . . 本文を読む
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「名医の〇〇な病院」の名医の決め方?!

2020年09月13日 | 医療
Gerd AltmannによるPixabayからの画像名医を紹介する本、雑誌は年ごとに出版されています。以前、緩和ケアについて総論として取材し、記事にさせてほしいという依頼を受けたことがあります。これは、私の紹介ではなく、緩和ケアに関する一般論の記事でした。その記事の下には、何人かの医師や病院が掲載されていました。でも、その医師が名医かというと・・私見の範囲でしかありませんが。特別に何かスゴい医師 . . . 本文を読む
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