緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

恩師(5)支えあうための病状の共有

2012年10月30日 | 医療
突然の死を迎えることは残されたものに何も準備をする猶予を与えてくれません。知ったときからその人探しが始まります。でも、そのときは残念ながら、もう、その人はいないのです。尋ねてみたかった事も答えをもらう事はできません。 ですから、がんのようにソフトランディングができる疾患だからこそ生きていらっしゃる間にできるご家族のための時間を持って頂きたいといつも思うのです。それには医師は起こりえることをしっか . . . 本文を読む
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恩師(4)さようならを言う準備

2012年10月28日 | 医療
その後、異動した大学病院の直接の上司であった当時の院長が井島先生と大学で同期だったことから時々出る話が慰めでした。 「井島君は、いつも笑顔で皆を笑わせてね。 素晴らしい仲間だったよ。 最後は医学教育にとても力を入れていて 若すぎるよね。」そんな話をしてくださっていました。 50代で亡くなられました。外科に所属され、血管外科に限らず後進の教育に当たられていたようです。だから、緩和医療の抄録にもお . . . 本文を読む
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恩師(3)100%ないこと。

2012年10月25日 | 医療
絶句してしまいました。賀状は、病床の奥様が投函されたものだとやっと気がつきました。最後にお目にかかったのは20年近く前になります。医師になって2年目の秋。学会で偶然すれ違い「症例報告?リサーチ? えっ、実験やってるの? そりゃすごいじゃないか。 また会おう~」いつもの満面の笑みで褒めてくださったのが最後でした。 もう、二度とお目にかかれない・・この世の中に100%ということはないのではないかと思 . . . 本文を読む
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恩師(2)

2012年10月23日 | 医療
しばらくして5月くらいだったでしょうか。年賀状が届きました。例年、直筆だったお名前は印刷されいつもの一言は残念ながら書かれていませんでした。 奇妙な感じはしましたが賀状が届いたことに安堵していました。 夏・・か、秋・・ クラブのOBとたまたま電話で連絡をとりました。 「おう!帰国してたのか~」帰国通知は出していましたが・・要件が終わった後井島先生の最近の様子を尋ねました。 「あれ・・・知ら . . . 本文を読む
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恩師(1)不可思議な出来事

2012年10月21日 | つれづれ
大学時代、いくつかのクラブに所属していました。その一つの顧問をなさっていた井島先生は血管外科が専門の若き講師でした。いつも笑顔で聡明で部員から慕われていました。私も井島先生には沢山のことを教えて頂き、まさに恩師でした。 留学を終えて帰国しその年も例年と同じように年賀状を出しました。 毎年、何か一言書いてくださりお正月早々に返事をくださっていたのですがその年は、中々来ませんでした。お忙しいのだわ . . . 本文を読む
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LカルニチンとCoQ10:運動負荷下で実験中

2012年10月14日 | 医療
最近、倦怠感でチーム依頼が来た患者さんがいらっしゃいました。まだ、悪液質には至っていませんでしたが、脂肪代謝のことを読み直してみました。がん患者さんの悪液質をできるだけ改善させるには・・・できるだけ、脂肪を代謝させて、エネルギーに変換できる方向へ。倦怠感が改善する方向に向かいます。といっても、蓄積脂肪量が少なくなってしまっているとそれがどれほど効果があるかという疑問になりますが、それでも、少しでも . . . 本文を読む
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新鮮な言葉

2012年10月08日 | つれづれ
  2007年に書いた記事。読み返していて、ああ・・いい言葉だなあと感じました。桃井かおりさんの言葉。「私は子供を育てたことは無いけれど、 自分を育ててきたことには自信があります」自分を育てる・・とても、新鮮な言葉です。桃井かおりさんといえば、10代でバレエ留学。挫折とともにシベリアを横断し帰国。女優としては、ベテランでありながら、sayuri では オーディションを受けたのだそう。自 . . . 本文を読む
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