比較的短期間で疼痛緩和の方法を学び取ってくれた診療科もありましたので外堀から埋めていきました。
昨日の難渋した診療科でレスキュードーズを一から説明しなくても処方がでるようになるまでに2年かかりました。鎮痛補助薬が多職種を含めて共通概念になるまで3年かかりました。
この大学は講座、診療科は独立採算制・センター制をとっていました。それぞれの科が一つの病院のように完結しておりその集合体のような大学病 . . . 本文を読む
1999年に私がこの大学病院に赴任してきたときそれまで、がん性疼痛に対し塩酸モルヒネの処方が一例も出たことがない状況でした。レスキュードーズの概念がなくWHO除痛ラダーにそった疼痛緩和を指導していくことは他言語圏で日本語を一から教えていくような状況でした。レスキュードーズを説明し、ある診療科の医師が処方や看護師への指導もできるようになった時教授回診でその教授はWHO除痛ラダーを理解することができず . . . 本文を読む
偶然、ある抄録にたどりつきました。前任地の昨年の医科大学学会総会での緩和ケアチームに関する発表抄録でした。
私がその大学を去るときお世話になった院長に後任を推薦してほしいと言われ麻酔科のペインクリニックを当時補佐的に診療していた女性医師を推薦しました。院長は、ペインと緩和ケアは必ずしも同じ働きは望めないと消極的でした。でも、一緒に働いたこともあり、推薦しました。
その抄録はその女性医師の発表の . . . 本文を読む
12月に入るとやれ、病棟の忘年会○○科の忘年会と忙しいので緩和ケア科では忘年会の代わりに食事会を持ちました。
Fall Harvest with the Alumni ~ Dep. of Palliative Medicine,it's fun!!!
こじんまりとした美味しいフレンチのお店12席しかないのですがいつも満席で賑わっています。ル・デッサン
ディナーコース (5 . . . 本文を読む
春過ぎ、英語劇やるからって長男。高3の英語の授業の選択コースに、ドラマがあり担当のバーグマン先生から本気でやります、秋に発表会。入試との兼ね合いでよく考えるようにと言われたとか・・
夏ごろ、何をやるのか尋ねたら
「お気に召すままの、ロザリンド。 シェークスピア。」
ロ・・ロザリンドぉ~お気に召すままは、シェークスピアのコメディです。当時、女優はおらず、男性だけで女性役をこなしていました。お気 . . . 本文を読む
良い天気でした。ほっこりした布団を取り込んでいて幸せ気分でした。
明日は、最低気温が今日より高く最高18度(今日と同じ)最低11度(今日より+5度)晴れのち曇りという小春日和になりそうです。
乾燥していますから風邪は広がりやすくなります。
乾燥するほどウイルスは繁殖しやすいのです。
ちなみに、北極は湿度100%で風邪などのウイルス性疾患にはかからないのだそうです。 . . . 本文を読む
先週、久しぶりに本屋さんに立ち寄りました。思わず手にとった本。「一瞬の風になれー佐藤多佳子」3冊の本。吉川英治文学新人賞07年本屋大賞極上の青春スポーツ小説。読み始めると加速がついてやめられなくなってしまいました。顔は涙でぐちゃぐちゃになりながら・・
サッカーで有名な兄を持ち、サッカーから転向して公立高校の陸上部に入った新二が同じ部の親友連の走りに憧れ、信じる仲間とともに切磋琢磨していく様子・・ . . . 本文を読む
鎮静はメジャーとマイナーのバランスを調整しながら投与されます。代謝性、特にアンモニアが高い肝性脳症のときはメジャー先行型にすることメジャーの副作用は錐体外路症状とであり循環器系に注意をようすること一方、マイナーの副作用は呼吸に注意すること大概オピオイドが投与されていますのでマイナー併用時に呼吸回数を確認します。抗精神病薬のハロペリドールですが鎮静を考えるときは、むしろメジャーという名称を用いて . . . 本文を読む
ミタゾラムは、ベンゾジアゼピンで肝性脳症を悪化させます。このベンゾジアゼピンはマイナートランキナイザーとも呼ばれます。
一方、このような肝性脳症のような代謝性のせん妄は抗精神病薬という分類ですが古い分類でメジャートランキナイザーと呼ばれていたハロペリドールを先行させて増量します。その後でミタゾラムをかぶせて行くと不随運動が消失し加えて安定した鎮静となります。こうした鎮静の時には患者さんの状態によ . . . 本文を読む
この手の不安定な筋脱力・・何が起こっているのか・・ミタゾラムが誘発している可能性が大・・さあ・・ここからが、臨床医の本領発揮です。
いつもの症候学の基本に戻ります。不随意運動膵頭部癌意識低下・せん妄 ・ ・ ・膵頭部癌門脈閉鎖 ・ ・アンモニア ・不随意運動 ・ ・羽ばたき振戦アンモニア・・・そういえば、以前アンモニアが上昇を始めたと聞いたことを思い出しました。ひらめきました!
ミタゾラムに誘 . . . 本文を読む
このところ、ここには書けない様な出来事が続き、ちょっと疲弊ぎみです。こんなときは、無茶苦茶真面目な医療の話を・・専門的な話ですみません。
膵癌末期日単位で病状が動きはじめてた患者さん。せん妄がではじめハロペリドール5mgが眠前に数時間かけて連日点滴されそこにミタゾラムが少量点滴されている状態でした。(5mg/日持続24時間)
これではまったく眠れないからもう少し深い鎮静にしたいけれ . . . 本文を読む
ベトナムでコレラが問題になっているようです。
ハノイの新聞 Hanoi Moi (New Hanoi) 11月6日コレラで 72歳と87歳の2名が死亡800人以上が重症でその15%にコレラが陽性と出ているとのこと。感染源としては、
海老のすり身や生魚と野菜発酵させた豚肉で巻いたようなものが原因として考えられると述べていました。
ベトナムは今年は色々なウイルスに悩まされているそうです。デング熱 . . . 本文を読む
骨髄移植後の少年・・移植後の口内炎が強く相談を受けていました。モルヒネの少量投与を開始し少し食べられるようになりました。でも、中々白血球の数は上がってきません。私達は感染を持ち込んではいけませんのでカルテの中だけで少年に会いエールを送っていました。
もう、数週間がたちました。一時増やしたモルヒネも徐々に減量できていました。でも、中々白血球は増えてきません。まだ、生着はしていない様子・・
疼痛が . . . 本文を読む
ご家族の方に看取られ何と幸せなあきさんだったのだろうと感無量でした。ご家族も、外科病棟での日々から一変して仕事を休むなどの工夫は必要でしたが本当にかかわってやれてよかったと口々におっしゃっていました。大学病院での孤独な時間。それをバネにして自宅で最期まで過ごすことを決心し自分の生き様を納得しながら歩みきったあきさんでした。私達医療者は、症状を上手に緩和し話しに耳を傾けましたが人生を歩みきったのはあ . . . 本文を読む
呼吸の状態から、後数時間の命だろうと予想されました。「レスキュー・ドーズを使ってみてください。 お教えした回数使ってよいですよ」そして、朝、7時頃だったでしょうか再度電話がありました。「2時に電話をさせて頂いた後 2回モルヒネのレスキュー・ドーズを使いました。 それまで、魚が苦しそうにするような あえぐ呼吸だったのが 穏やかな普通の呼吸になりました。 その後は、とても楽な表情で過ごし 今、呼吸が止 . . . 本文を読む