緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

死すべき定め(5)

2023年02月26日 | 医療
「よりよい生活」の章から本当の命を生きる(同 P.135)なんて、強い言葉なのでしょう。。。「定めに任せる」の章には、2010年のTemerの論文から再発進行肺がん患者を対象とした早期からの緩和ケアの導入が緩和ケアを受けなかった患者に比較して25%長く生きたことも記述されていました。加えて、膵がん患者さんは平均3週間、うっ血心不全患者さんは3か月も緩和ケアの導入によって長く生きることができたことも . . . 本文を読む
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死すべき定め(4)年をとるほど幸せになる

2023年02月19日 | 社会時事
スタンフォード大学のローラ・カーステンセンは、18歳から94歳までの研究協力者に一週間の内の一日の中で、ランダムに鳴るように設定されたポケベルを渡し、その時の感情を感情リストから選択するといった研究を長期間継続しました。Sofia IivarinenによるPixabayからの画像 死すべき定めの「援助」の章からこの中で、ガワンデは上記のカーステンセンを引用しながら以下のように記述しています。ちなみ . . . 本文を読む
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死すべき定め(3)

2023年02月12日 | 医療
「形あるものは崩れ落ちる」という章から。衰えは人の運命であるーいつか死がやってくる。しかし、人の中の最期のバック・アップシステムが壊れるまでは、そこまでの道を医療によって変えることができる。一気に下る断崖にすることも、穏やかな下り坂にして、生活の中でもっとも大切なことができるようにすることも可能である。医療に携わるわれわれのほとんどがこの可能性を考えていない。特定の個別の問題を取り上げるのは得意で . . . 本文を読む
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死すべき定め(2)

2023年02月05日 | 医療
2018年7月の記事に加筆した記事です。Susanne Jutzeler, Schweiz 🇨🇭 💕Thanks for LikesによるPixabayからの画像 ーーーーーーーーーーー序文から・・作者のガワンデ医師がレジデント3年目の時のこと。緊急放射線治療抵抗性の前立腺がんの患者さんに、脊髄圧迫症候群による両下肢麻痺が突如起こり、かなりリスクが高い状態でした。脊髄の転移腫瘍切除術を受けるか、受 . . . 本文を読む
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