緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

CV自己抜去(2)

2009年03月31日 | 医療
管を抜いたのは、本人はもう死のうと思っていたから・・ 高カロリー輸液カテーテールの自己抜去は患者さんの強い意思表示でありそれは、主治医に対する訴えでもありました。 病態はせん妄でした。でも、患者さん自身は、まっとうな理屈の中での主張でした。残された時間は限られていました。特例ではありましたが、緩和ケア科にすぐに転科してもらうことにしました。もちろん、それまでの診療科内でも、病棟看護師さん達ともご家 . . . 本文を読む
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CV自己抜去

2009年03月29日 | 医療
数年前の出来事でした。再掲です。大腸がん、肝転移、肺転移の患者さんがいました。ある日、患者さんは高カロリー輸液のカテーテールを自己抜去されたと担当している診療科の主治医から聞きました。 夜間の睡眠が確保されず、色々な病態から判断してもせん妄であることは確かでした。その病棟看護師長は、緩和ケアチームのメンバーでもありました。「カクカク云々の理由により、緩和ケア科で見てもらえませんか」当時勤務していた . . . 本文を読む
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ある在宅医療の風景

2009年03月25日 | 医療
ある患者さんの奥様は、もう、お若くはありませんでした。在宅での、老々介護の域です。 訪問看護師さんから、薬の管理をお願いするには、難しいです・・下剤を毎晩患者さんに渡し忘れているようですと聞いていました。 便秘でした。後、2週間くらいで、食事ができなくなるかもしれないというようなお腹でした。 ある時、訪問に出向きました。奥様が言われました。 「下痢したので、お薬やめました」 トイレに間に合わず、下 . . . 本文を読む
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呼吸困難感へのフェンタニル吸入療法の文献

2009年03月16日 | 医療
呼吸困難感の緩和方法について、文献を読んでいました。呼吸困難は、あまり、勉強してこなかったので、up-to-date がとても新鮮でした。例えば、ネブライザー(吸入療法)としては、モルヒネ、ラシックスがよく知られています。とはいえ、モルヒネは、もう一つ有意な結果が得られないのは最近の報告も同じで、結果的に全身投与の方が優れていることがわかっています。そんな中、へえ~と思いながら読んだ文献はフェンタ . . . 本文を読む
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栂尾明恵上人遺訓

2009年03月13日 | つれづれ
午前には、内なる探索的な生き方とはなんぞや・・午後には、師たるべきものの姿勢とは・・と・・答えがでないまま、特に、午後には泥濘で戸惑う友の姿に、何か良い知恵はないものかと一日中、考え込んでいました。ふと、思い出した文章がありました。 長男の学校から、家庭へ年一回発刊している雑誌があります。華厳宗を学んだ明恵の法語をまとめた「栂尾明恵上人遺訓」は、別称、 『阿留辺幾夜宇和(あるべきやうわ)』 と言 . . . 本文を読む
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判事補さん、どうしてがん疼痛に麻薬は投与できると思いますか?

2009年03月10日 | 医療
判事補の方にレクチャーをする機会を頂きました。医療事件に関与されてきた方もいらっしゃいました。裁判官の方もいらっしゃいました。「緩和ケアに関連する裁判に関わられた方はいらっしゃいますか?」と、お尋ねしましたら、「緩和ケアは、少ないです。がん分野では抗がん剤などの治療がやはり・・・」なるほど・・やはり・・と思いつつ、考える為の要素は沢山ありましたので、取りとめもなく、話題、問題提供をして終わった一時 . . . 本文を読む
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健康ってなんでしょう

2009年03月08日 | 医療
体に病気がなくても、気持ちがイライラしたり、問題や悩みを抱えていることがあります。体に病気があっても、落ち着いているとか、心地よいとか、できる範囲のことで、楽しいと感じられます。体と心が良好な状態~健やかな状態とはどんな状態でしょう。WHOは、健康を次のように定義しています。健康とは、肉体的、精神的ならびに社会的に良好な状態にあることであり、単に病気や虚弱でないことにとどまるものではない。がんなど . . . 本文を読む
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孤独なカンファレンス

2009年03月06日 | 医療
昨日は、はじめてWeb カンファレンスの機会を頂きました。多くは、講演を多地点に流すのがその用いられ方だったようなのですが、大変ご無理を申しあげて症例検討をさせて頂くこととしました。お話しを頂いた時は、てっきり双方向のやり取りができると勘違いしていたのですが、そんなに簡単ではないようで、映像も私のところにだけカメラがある状況でした。20施設以上が参加されていると聞いていました。症例をいくつかお出し . . . 本文を読む
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オピオイドの最近の傾向?

2009年03月03日 | 医療
今までの病院ではなかった傾向・・オピオイド 3剤色々少しずつパッチ+モルヒネ皮下注+レスキューオキノームパッチ+モルヒネ静注パッチ+オキシコンチン+レスキューオプソフェンタニルの静注や皮下注は処方したことがない場合も・・・モルヒネでも、フェンタニルでも静注でレスキュー使ったことがないところも・・・話を聞いてみると、どこでも、難渋している症例では、3剤併用というのも珍しくない様子。あえてコンビネーシ . . . 本文を読む
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一般向けセミナー、看護師さんに支えられて・・

2009年03月01日 | 医療
昨日は、都内のホテルで一般の方向けに開かれた生活習慣病として、がんをとらえたセミナーに出席していました。350名定員のところ、500名以上の方が参加され、大変盛況でした。医療者向けの緩和ケアセミナーでは、私は弾丸のようにしゃべる・・と言われてきました。昨日は、心機一転、ゆっくりと、語ろう・・と堅く決心していました。がんと上手に付き合うには・・というタイトルでの依頼でしたのでいつもの”がんの痛みの話 . . . 本文を読む
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