緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

新しいチーム医療のあり方-スキルミクス型チーム医療

2008年06月28日 | 医療
若い患者さんを診ていたとき病棟の担当看護師に「何を一番大切にして患者さんに接している?」という質問をしたことがあります。「医師の指示が、間違いなく遂行できることです」そう回答をもらって、私は肩を落としてその場を離れました。ある病棟で、その日その日の状況をみて、ラキソベロンの眠前投与量の調整を看護師さんにしてほしいと話しました。「では、毎日○滴と指示を出してください」と言われ、ショックを受けました。 . . . 本文を読む
コメント (11)

明日の関東は寒いのだそうです。

2008年06月25日 | つれづれ
あちゃー来週は緩和医療学会・・・で、13日にはホスピスケア研究会のシンポジウムでその次は、ペインクリニック学会で、その次の週は、神奈川県立保健福祉大学の認定看護コースの講義で・・準備は、全然できてないし、原稿が積み上げられてるし、病棟の患者さんの痛みに関する文献探しまくる時間がほしいし、ベットサイドへゆっくり話しに行きたいし・・・でも、できてない。あれも・・これも・・あ゛====  一杯、一杯~~ . . . 本文を読む
コメント (14)

抗がん剤の嘔吐に、臨床試験を経ることなく適応拡大されたデカドロン

2008年06月22日 | 医療
ステロイドの話題をもう一つ。デカドロンが、平成17年に臨床試験を行うことなく抗悪性腫瘍剤の消化器症状(悪心・嘔吐)に適応拡大されたことをご存知でしょうか。その根拠とされたものの一つがASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)の臨床診療ガイドラインでした。デカドロンは、ランダム化比較試験で抗腫瘍剤の制吐効果が証明され世界の標準治療となっています。国内での、用量・用法は、経口、静注ともに4mg~20mgです。( . . . 本文を読む
コメント (5)

「痛み克服研究」の若手研究員の公募

2008年06月19日 | 医療
ここには、臨床から基礎まで沢山の方々がお立ち寄りくださっています。今日、オープンになったホットで、エキサイトなニュースです。 長崎大学「地方総合大学における若手人材育成戦略」の実施にかかる助教の募集について「F.痛み克服の国際的研究教育拠点の形成」 平成19年度文部科学省科学技術振興調整費、採択課題「地方総合大学における若手人材育成戦略」の実施にあたり、助教を募集いたします。本事業は、(1)テニ . . . 本文を読む
コメント

腎動静脈の閉塞による乏尿からの回復

2008年06月17日 | 医療
某がんで、腹腔内リンパ節転移により多彩な症状を呈している方がいらっしゃいました。疼痛、嘔気、高血圧、尿量は数100ml、身の置き所の無さ、意識のムラ、いかんともしがたい状況で、依頼がきました。どう緩和するかは、病態評価がどこまで出来ているかということにかかってきます。疼痛があるからオピオイドの増量・・・では、この患者さんは数日内に鎮静を必要としていたでしょう。画像を確認しました。リンパ節転移は大変 . . . 本文を読む
コメント (12)

1-2-3の割合で処方します

2008年06月15日 | 医療
10年以上前から緩和ケアのマニュアルなどにも掲載されている1-2-3浣腸グリセリン 20ml +オキシフル 40ml + 微温湯 60 ml割合が1:2:3 なので、 このような名前になったようです。実際には、あまり臨床現場では用いないのですが、下まで降りてきているのに通常のGE(グリセリン)では有効排便にならないときに用いることがあります。今まで、1例だけですが、マグネシウムが上行から下行結腸ま . . . 本文を読む
コメント (3)

夫婦の歳時記~家の中なる妻をみて

2008年06月13日 | つれづれ
随分前に、友人が送ってくれた句集を手に取りました。『夫婦の歳時記』高校時代の同級生の友人は知る人ぞ知る俳人。ご主人も有名な俳人。この本は、俳句とエッセイで交互にやり取りをされており、バレエのパ・ド・ドゥみたいな本なのです。恋の句などを読むと、それに続く随筆では軽やかにかわしつつ進んでいきます。友人の10代の頃の記憶しかない私にとって、何と艶やかな関係なんだろうと驚きました。何度も何度も読んだところ . . . 本文を読む
コメント (2)

神経障害性疼痛に効果があるオピオイドは便秘に注意?

2008年06月11日 | 医療
オピオイドのもっとも頻度が高い副作用。便秘・・・オピオイドレセプターを介する便秘や抗コリン作用などがその主な機序だと考えていますがそれだけではないのではないか・・と思っています。オピオイドは、便秘でお腹が張ってきてもその不快感を無くしてしまいます。だって、がん性腹膜炎の痛みを抑えるほどの力があるのですから・・加えて、直腸からの刺激を抑えてしまうとも考えています。赤ちゃんが便秘になったら、どんな処置 . . . 本文を読む
コメント (6)

東京薬科大学卒後教育講座

2008年06月09日 | 医療
昨日は、東京医大で開かれた東京薬科大学の卒後教育講座にお招き頂き、がん性疼痛緩和の臨床についてお話してきました。2時間半と長丁場でしたが、いつもの講演に加えて、コミュニケーションの演習をちょっとだけ入れさせて頂いたこともあり、とても、楽しい時間でした。午後は、鈴木勉先生のアカデミックな講演が予定されていました。350名満席とのことで、皆さん、平日はお仕事、日曜は勉強され、本当に頭が下がります。患者 . . . 本文を読む
コメント (9)

在宅で、フェンタニル注もロピオンも投与が可能に。

2008年06月07日 | 医療
退院を目指している患者さんのことで、色々調べていました。平成20年度診療報酬改定「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する件」平成20年厚生労働省告示第97号塩酸モルヒネ製剤、スマトリプタン製剤、クエン酸フェンタニル製剤、複方オキシコドン製剤、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤、リン酸デキサメタゾンナトリウム製剤、メタスルホ安息香酸デキサメタゾ . . . 本文を読む
コメント (2)

最近の流行は・・手足口病、黄熱病に日本の麻疹

2008年06月07日 | 医療
エレベーターの中で、国際疾病センターで渡航者外来を担当されている先生といっしょになりました。「最近、変なのはやっていないですか?」「変なのっていえば、中国の手足口病でしょうか・・ 死者がでてるんですよ」手足口病で死者・・・今年の初めごろから広がっていたようですが、今はむしろ・・黄熱病が・・中央アフリカ共和国、リベリア、ブラジル、パラグアイなどに確定患者が出ているようです。http://www.fo . . . 本文を読む
コメント (2)

中学生君(2)

2008年06月03日 | つれづれ
そして、Sさんは、6月まで鼻から管を入れながらも、生き抜いてくれました。 今、ほとんど衰弱して眠っているSさん。その傍らで、中学生君、その従兄弟さんと夫がまるで今までリビングでSさんを囲んでこんな風だったんだろうなあというような自然な会話をしています。意識の無いSさんを死にいく人としてではなく家族として囲む・・・それまで頻脈だったのにこうやって病室に ご家族が居てくれた時間は心拍数は正常にもどって . . . 本文を読む
コメント (12)

中学生君

2008年06月02日 | 医療
もう2年たったんだ・・中学生になったばかりのお子さんを残して旅立たれたSさん。診断がついたときはⅣ期の胃がん、がん性腹膜炎でした。これは、2年前の記事を校正したものです。診断、治療、そうした節目節目になると「もう、安楽死させて・・」というSさんスタッフは皆、困って何度と無く私の所に電話が入りました。 息子さんの中学生君とは3月、小学校の卒業式の前に初めて会いました。「死にたいと息子に言うから」Sさ . . . 本文を読む
コメント (2)