緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

医者の奥底(3)初めての臨終

2018年04月29日 | 医療
私が、はじめて臨終の場に立ったのは大学5年生の時でした。 病院実習が始まり、救急部を回っていました。ある日の午後、院内にいた私達のグループは突然、全館放送で呼び出されました。「救急部の学生○○、○○・・・すぐ、救急外来まで」救急部に走ると、廊下に面した椅子に乳児を抱えた若い女性がじっと赤ちゃんの顔を見つめ座っていました。私達は、その様子にただならぬ雰囲気を感じながら処置室に入っていきました。20代 . . . 本文を読む
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医者の奥底(2)医師の踏絵

2018年04月22日 | 医療
前回の記事は、海外だけの話ではありません。日本の医師も同様なのです。この本の序文とまえがきには標準化すべき医療の側面の一方で(つまり、画一的な、マニュアル的な)ケアにかかわる医師の苦悩(つまり、マニュアル化できない情感)について書かれています。それは、まさしく、私の身の回りでおきている日常的な物語に連動していました。苦悩を抱えながらもなぜ、医師として働き続けるのか・・そもそも自分達はなぜ医に関わる . . . 本文を読む
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医者の奥底(1)医者が心をひらくとき(JAMA “A piece of my mind”)

2018年04月15日 | 医療
アメリカ医師会誌(JAMA)のコラム “A piece of my mind”は医師が体験した心に残る患者のことを記述したページですが、正規の手順を踏んでいて、レビューが入ることで有名です。これを翻訳した本「医者が心をひらくとき」李 啓充訳. 医学書院 (06年)時々、心が萎えそうになるときこの本を手に取り、この序文を読むことがあります。自分の原点を思い出させてくれ、何度読 . . . 本文を読む
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art of loving 愛は技術か・・ ”The Practice of medicine is an art・・”から考えてみる

2018年04月08日 | つれづれ
今日、何気につけていたTVからart of loving と書かれ、それを、”愛の技術”と訳されていて、出演者が「え~、愛が技術と言われるとねえ・・ 心だよねえ」と言っていることが耳に入りました。医学を art and sience と表現することがあります。"And I said of Medicine,that is an art, which considers th . . . 本文を読む
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