季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

鍵盤の感覚 補遺

2018年06月08日 | 音楽
「素人」へのコメントに関してもう一点書いておくと言ったが、その前に捕捉しておきたい。

軽い鍵盤ほど重いのだとも言える逆説を頭ではなく理解してもらいたいからである。

電化製品のスイッチひとつとっても非常に重いものと軽いものとがある。日本の製品は総じて極めて軽い。触れただけでスイッチが入ったり切れてしまった経験は多くの人が持っているだろう。

我が家にある空気清浄機は円筒状で上縁にオンオフをはじめいくつかのスイッチが配置されている。綺麗になった空気は上から排出される。

我が家の猫は空気の出口に興味を持ち伸び上がって手を掛ける。するとパネルのスイッチに触れて運転が停止してしまっていることがよくある。それほどまでに軽い。

ヨーロッパの製品は総じて操作感が重い。車でさえもそうだ。ハンドル、アクセル、ブレーキどれをとっても重くてスムーズなのである。誤操作することはなさそうである。

スタインウェイのペダルは以前大変重かった。大学に入り初めてスタインウェイのピアノに接した時には足がペダルに貼り付いてしまったかのように感じたものだ。

ところがずっと後になり踏み方が細かくなったら微調整がとても楽だと思うようになった。これなども重い操作感だと誤動作し難いことに似ている。もちろん単に重いだけでは建て付け不良だから論外であるが。

スタインウェイのペダルはいつの頃からか他のメーカーと同じような踏み心地になってしまった。その理由を知りたく思うのだが。

鍵盤の重さに関する感覚の話がペダルの話になってしまったが。軽い鍵盤ほど肩や背中でコントロールしてストンと落ちないようにしなければならない。一見逆説のようだが軽い鍵盤ほど重いというのはそういうことである。

ただしこれも音が出るポイントは鍵盤の底にあるのではなく鍵盤が沈む途中にあるのだと分からない限り理解することは難しかろう。
コメント (1)
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