パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

船中八策

2012-02-13 23:51:56 | Weblog
 古本屋で、かなり昔の湯川秀樹著「本の中の私」(岩波新書)というのをみかけ、パラパラとめくってみたら面白そうだったので、100円で買い、帰りの電車の中で読もうと思って開いたら、なんか内容がおかしい。

 ルソーとかホッブス、ロックなんて名前が出てくる。

 私が本屋で見たときは、荘子とか、墨子とか、パルメニデスとかの古代人の名前とか、新しいところでは「カラマーゾフの兄弟」なんかが目に入ったのだった。

 物理学者としては、古代原子論者のパルメニデスは別でも、面白い読書傾向だと思い、また書かれている感想もとても面白そうだったのだが、様子が違う。

 まるきり、教科書風なのだ。

 署名を見たら高島善哉著「社会科学入門」で、同じ岩波新書だった。

 教科書風と書いたが、とてもエラそうな書き方をする人で、実際昔はえらい人だったのだろうと思わせる本だったが、いつの間にすり変わったのか。

 思うに、湯川秀樹の本はいったん棚に戻し、それから周辺の本を何冊か見たあと、やっぱり湯川の本にしようと思ったのだった。

 ということは、湯川の本は、再度、棚から引き出したのであり、そのときに隣の本を引っ張りだしてしまったのだ。

 んー、チクショー。

 高島先生の本もなかなか勉強にはなりそうなのだが。

 橋下が「船中八策」を披露したが、中に「ベーシックインカム」が。

 「ベーシックインカム」は、経団連なんかも反対ではないので(何しろ、年金とか保険の企業負担がなくなるのだから)、案外実現するかも。

 しかし、マスコミは、「ベーシックインカム」には触れず。

 マスコミ総出で後押ししようとしている「野田増税」への世論のバックアップがないので焦っているのはわかるが、「ベーシックインカムって、ありますが、なんでしょうね?」くらいは言えよ、と思う。

 「たけしのビートタックル」に出てる金さん銀さんの「娘」だという、88~97歳の四姉妹が大人気なんだそうだが、彼女の一人が、「消費税増税」について、こう言っていた。

 「どんどんやってちょうだいよ。私は消費しないから」とのたまっていた。

 いや、正論。

 古川副大臣、消費税を上げても、みんな最低限の消費に抑えるから、増税分は、現状では必ず相殺されるってことくらいわかれよ、と言いたい。

 それはさて、「船中八策」を披露する橋下の横に懐かしい、堺屋太一が。

 10年以上前、四谷三丁目で真っ赤な顔をしてコーヒーを飲んでいるところを見たことがあるが、今も変わらず元気そうで何より。

 「船中八策」には、その堺屋が相当絡んでいるのだろう。

 マスコミは馴染みなんだから、呼べばいいのにと思うが、全然顔を見せない。

 自分たちの意見に相反することを言われると都合が悪いのか、どこかのニュースでは、共同通信のよく見る顔が解説者として出ていたが、完全に「政局」がらみの説明で、政策には全然触れなかった。

 「民主党がどうせできない政策をマニフェストにした例もあるから」と、司会者が言っていたように記憶するが(だとすると、TBSだ)、あの政策はできない政策なんかではない。

 高速の無料化なんかは6000億円の準備金がいるとか言っていたが、何にそんなにかかるのか、マスコミは全然追求せず。

 財務省が「できない」と言っているだけで、実際は、すぐにだってできるはず。

 首相公選には憲法改正が必要だし、諸マスコミは、すぐにはできないと口を並べて難癖を付けていたが、じゃあ、時間をかければできるのか?

 私の見るところ、あれもこれも、なにもかも改革の必要性が叫ばれだしてからほぼ40年、一つとしてできていないのは、時間をかけるからできないのだ。

 これも「心理」の問題。

 「心理」の問題はもっと重要視すべきだろう。

 と思う。