本日も清心蓮子飲加減の慢性腎炎治療です。随時( )内に私の印象とコメントを入れます。少し長く、解説も不十分かも知れませんがお付き合い下さい。
患者:孫某 43歳 女性
初診年月日:2004年3月8日
病歴:
20年前妊娠6ヶ月の時に浮腫出現、下肢に甚だしく、腰痛を伴った。尿蛋白2+、分娩後治療にて浮腫消退、尿蛋白±~2+、系統的な治療は受けなかった。ここ2年、腰痛、乏力、下肢軽度浮腫、治療を受けたが明らかな好転は無く、氏を受診した。
(妊娠中毒症後遺症が20年もたって悪化することは期間的に間延びしている感があります。妊娠中、分娩後の血圧の記載が欲しいですね。)
初診時所見:
腰痛、乏力、尿黄、口干、下肢に軽度の浮腫あり、舌質紅にして干、苔薄白、脈細数。尿蛋白2+、尿潜血3+、RBC3~5個/HP。腎機能正常。
(妊娠中毒症後遺症の悪化では無いようです。血圧正常、腎機能正常だからです。私の経験による判断です。)
中医弁証:脾気虚、腎陽虚、湿熱留恋の証
西医診断:慢性糸球体腎炎
治法:益気養陰利湿
方薬:清心蓮子飲加減:
黄耆30g 太子参20g 石蓮子15g 地骨皮15g 柴胡15g 茯苓15g 麦門冬15g 車前子15g 金銀花30g 白花蛇舌草30g
山茱萸20g 枸杞子20g 女貞子20g 天花粉15g 金桜子15g 熟地黄20g 生山薬20g 芡実15g 知母15g 甘草15g
水煎服用:1日1剤、二回に分服
(印象:黄耆30g 太子参20g 石蓮子15g 地骨皮15g 柴胡15g 茯苓15g 麦門冬15g 車前子15g 金銀花