gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

慢性腎炎 清心蓮子飲加減治療 張琪氏漢方治療2(腎病漢方治療262報)

2014-02-10 00:15:00 | 慢性腎炎 漢方治療

患者林某 37歳 男性

初診年月日2000610

病歴

患者は慢性糸球体腎炎の病歴1年余、現地の病院で雷公藤総苷片及び中薬治療を受けるが効果は不十分。来診時、尿蛋白3+、潜血+、Cre225μmol/L(2.54m/dL)、BUN11.5mmol/L69m/dL)、二酸化炭素結合力20mmol/L

初診時所見

患者倦怠乏力、腰酸腿軟、手足心熱、僅かに悪心あり、明らかな浮腫は無い、舌質紫苔厚、血圧160/100mmHg

中医弁証:気陰両虚挟有湿熱瘀血

西医診断:慢性糸球体腎炎、慢性腎不全(高窒素血症期)

治法益気陰、清利湿熱、活血

方薬清心蓮子飲加味

黄耆50g 党参30g 地骨皮20g 麦門冬20g 茯苓20g 柴胡15g 黄芩15g 車前子20g 石蓮子15g 甘草15g 白花蛇舌草30g 益母草30g 桃仁15g 丹参20葛根20g 生地黄20g 大黄7

水煎服用:11剤、二回に分服、同時に降圧剤を服用

経過

上方60余剤の3ヶ月治療を経て、尿蛋白転陰、尿潜血転陰、Cre75μmol/L0.85m/dL)、BUN7.8mmol/L46.8m/dL)、この後、数回検査をしたが、腎機能及び尿検査均しく異常なし。かくして病情は緩解した。

ドクター康仁の印象

前案(261報)では、浮腫があり、血尿が本案より強く、腎機能の低下も無かったのです。そこで清心蓮子飲加味として、以下が加味されました。

白花蛇舌草(清熱解毒利湿)30g 益母草(活血利水消腫)30瞿麦(活血利水通淋)20g 萹蓄(利水通淋)20g 金銀花(清熱解毒利湿)30g 大薊(涼血散瘀止血)30g 小薊涼血止血、解毒消癰)30g 白茅根凉血止血、清熱利尿30

本案では浮腫は無く、腎機能の低下があります。そこで加味されたのは、以下、

白花蛇舌草30g 益母草30g 桃仁15g 丹参20葛根20g 生地黄20g 大黄7

益母草までは前案と同じ生薬配伍ですが、桃仁や丹参、葛根などの活血祛瘀剤の組み合わせが目立ち、活血、通腑泄濁の大黄が加味されています。生地黄で十分に養陰するという工夫もなされています。

素晴らしい見事な治療結果でした。尿所見が正常化し、Cre、BUNが正常域になったということが、その根拠です。

欲を言えば、服用していた降圧剤の名前と、1年後から数年後の追跡調査が欲しかったですね。

2014210日(月)