患者:史某 10歳 男児
初診年月日:2005年7月26日
主訴:顔面と双下肢浮腫10日間
病歴:
患児は10日前、誘因無く顔面と双下肢の浮腫が出現、ハルピン医科大学第一病院受診、尿蛋白2+、尿潜血3+、尿RBC135.0/μL、血清総コレステロール8.3mmol/L(321.2mg/dL)、アルブミン2.4g/dL。ネフローゼ症候群と診断され、メチルプレドニゾン40mgを毎日点滴静注、1週後、尿蛋白2+、尿潜血3+、尿RBC1178.1/μL、尿WBC25~30個/HP、更なる治療を求め、張琪氏の病院に転院。
初診時所見:
眼瞼及び双下肢浮腫、顔面少華、神志清楚、双目有神、尿少、尿色淡紅、舌質淡紅、苔白、脈滑、尿蛋白3+、尿潜血3+、尿RBC満視野/HP。
中医弁証:湿熱内蘊
西医診断:ネフローゼ症候群
治法:清熱利湿、涼血止血
方薬:加味八正散:
瞿麦(活血利水通淋)20g 萹蓄(利水通淋)20g 車前子50g 茯苓50g 王不留行(苦/平 おうふるぎょう 活血化瘀 通経 下乳)20g 桂枝15g 山薬20g 地楡(涼血止血 解毒収斂)20g 小薊(涼血止血、解毒消癰)30g 白茅根(凉血止血、清熱利尿)50g 茜草(涼血化瘀止血)20g 蒲黄(収渋止血、行血祛瘀)15g 藕節収斂止血)20g 三七(化瘀止血 活血定痛)10g 焦山梔子15g 生地黄(清熱養陰)20g
七剤、水煎服用、毎日1剤、2回に分服。
二診 2005年8月2日
患者の水腫は消退、24時間尿量は1400ml、面色不華、時に心悸有り、気短、手足発熱、多汗、舌紅苔白、脈数。益気養陰を主として清熱解毒利湿を補佐とする。
方薬:生脈飲加減:
太子参15g 麦門冬15g 五味子15g 党参15g 玄参15g 生地黄15g 金銀花20g 連翹20g 白花蛇舌草20g 黄耆15g 柴胡15g 丹参15g 小薊20g 芦根(清熱生津清胃熱)20g 藕節15g
七剤、水煎服用、毎日1剤、2回に分服。
三診 2005年8月9日
患者尿色淡黄、午後尿淡紅、尿量正常、水腫、多汗、煩熱症状は消除され、舌紅、苔白、脈細数、尿潜血3+、尿蛋白2+、尿RBC30~40個/HP、尿WBC2~3個/HP、気陰両虚の証と判断し、益気養陰摂血を以って治療する。
方薬:益気養陰摂血合剤:
側柏葉(涼血止血、袪痰止咳)20g 白茅根(凉血止血、清熱利尿)30g 小薊(涼血止血、解毒消癰)30g 蒲黄(収渋止血、行血祛瘀)20