みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #263

2018年10月14日 | コーヒーブレイク
*重要な変更点がふたつあります。ご注意を。

マタイ18章7節
つまずきを与えるこの世は忌まわしいものです
つまずきが起こることは避けられないが
つまずきをもたらす者は忌まわしいものです

>つまずき

と書いてある。

「つまずきを与える」というと、不慮の過失であり、弁明すれば許されるのではないかという印象を受けてしまう。

英語ではoffendと訳されている。

offend:怒らせる、傷つける

原典はこう。

σκανδαλίζω:
skandalizō
skan-dal-id'-zo
To “scandalize”; from G4625; to entrap, that is, trip up (figuratively stumble [transitively] or entice to sin, apostasy or displeasure): - (make to) offend.

entice to sinとある。
「そそのかして、罪を犯させる」
つまり、これはサタンのやり口、敵の誘惑と同じ。

敵の誘惑ゆえに
世の忌々しさよ

次が難解。

英語は

for it must needs be that offences come

よく分からない。

must needsと訳されている単語はἀναγκήで、意味は

ἀναγκή:
anagkē
an-ang-kay'
From G303 and the base of G43; constraint (literally or figuratively); by implication distress: - distress, must needs, (of) necessity (-sary), neededth, needful.

constraintとある。「強制」「圧迫」「束縛」という意味。

敵の誘惑の数々(offences)が来ることは強いられている

ということだと思う。

なぜ敵の誘惑の到来が強制的なのか。

分からない。

そう書いてあるからそうなのだろう。

最後はYLT訳が良いと思う。

but woe to that man through whom the stumbling-block doth come

和訳するのが難しい。

忌々しいものだ
敵の誘惑をまき散らすあの者よ

(*敵の誘惑が入り込んでいる→敵の誘惑をまき散らす)
(もう一箇所変更が必要:まき散らす者→まき散らすあの者)

敵の誘惑を英語ではちゃんとtemptationと訳しているが、日本語訳では試みと訳出し、まるで主が試練を与えているかのような印象を受けるので注意が必要。





Coffee Break, #262

2018年10月14日 | コーヒーブレイク
本ブログにおいて、この世のことについて言及することは本意ではないのだが、久しぶりにいい本に出会えたので、こちらにも載せておく。

小さなお子さんのおられるご家庭、これから子供を得たいという予定のご夫婦は、是非参考にして欲しい。

・・・

子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。
ユーラビス 著
矢野真千子 訳

一昨日医師会から送られてきた一冊の本。

一気に読み終えた。

何故、目に留まったのか。

ワクチン否定論者たちの心ないワクチン非難に対する憤りが心のどこかにあったからだと思う。

ワクチンや免疫学に関する基本的な知識がない人でも良く分かるように書かれている。

これから購入して読んで見たいと思う人の邪魔にならない程度に、重要と思われる箇所を抜粋していきたい。

著者はアメリカ在住。エッセイスト。一児(重度の食物アレルギーを持つ男の子)の母。

参考文献・出典欄には99もの文献の引用があり、さらに次のように書かれている。

免疫性について調べるに当たっては、数百の新聞記事、数えきれないほどの学術論文、数十冊の書籍、多くのブログ、いくつかの詩や小説、一冊の免疫学教科書、一握りの複写物、山のような雑誌の切り抜き、多くのエッセイを参照した。

要するに、十分な資料に基づいて執筆したということ。

ワクチン接種開始時期となったお子さんを抱えている親御さんが、まず心配することはどんなことか。

多発性硬化症はB型肝炎ワクチンのせいで起こるのでは?
乳幼児突然死症候群は3種混合ワクチンのせいでは?
一部のワクチンに含まれるホルムアルデヒドは発がん物質なのでは?
などなど、不安と疑問は尽きない。
では、真実はどうなのか。

◇◇

インフルエンザワクチンの効き目は弱いということは周知だが、効果の弱いワクチンでも多くの人たちが受ければ、ウイルスは宿主間の移動を制限され、大流行を起こさない。

ワクチン接種に伴うリスクの感じ方は、数値化したリスクの大小ではなく、数値化できない恐怖心の強弱に左右される。

多くの代替療法士は人々の不安を煽り、自分らの私利私欲を満足させている。

ジェンナーが生み出した方法は、理論ではなく完全に観察に基づいたもので、ウイルスの存在が明らかになるのは1世紀も先のことだった。

20年以上に渡る研究に次ぐ研究は、MMR(麻疹、風疹、水痘)ワクチンと自閉症との関連性を見いだすことができなかった。

反ワクチン活動家が不安を煽ることで、誰かが裏で得をしていると考えてよい。

ワクチン接種に反対する団体(NVIC)は、エイズの原因はHIVではないという珍説を唱える団体。

ナイジェリアでのポリオ撲滅運動が一時休止となった理由は、欧米諸国がイスラム教の児童を不妊化しようとしているという陰謀論を同国の政治指導者が広めたから。このため多くの子供が死んでいった。

日本の水俣でおきた水銀中毒は、メチル水銀が原因。一方、ワクチンの防腐剤として使用されているのはエチル水銀(メチロサール)で、これが危険であるという科学的データはない(メチルとエチルとの違いに注意)。エチル水銀はコストが安く、冷蔵が不要であるため、これを禁止するということは、貧しい国々にとって、多くのワクチン接種を禁止することに等しい。

以上、小生が付箋をつけた箇所のおおよそ半分。

他にも大変参考になる記事が多くあるので、是非購入して読んで欲しいと思う。