DADDY O.

2008-10-27 01:21:35 | Dano Effects
ダンエレクトロのオーヴァードライヴペダルですが、なぜDADDY Oとネーミングされたのでしょうか。ダンエレクトロのネーミングはユニークではありますが、いわゆるアメリカン・ジョークにピンと来なくて笑えないのと同様な感覚を引き起こすことがままあります。
DADDY Oというのは「おじさん」とか「おっさん」という意味で、より親愛の情を加味するならば「おやっさん」みたいなニュアンスになるでしょうか。経験豊富で頼れる存在みたいな意味合いのオーヴァードライヴペダルということかもしれません。また、Overdriveの「O」にかけているとも考えられます。ネットで調べてみると、1950年代後半につくられた「DADDY O」というB級映画があることがわかりました。タランティーノが「パルプ・フィクション」の中でポスターを引用しているそうなので、その筋にはカルト的な人気のある映画なのかもしれません。この映画とダンエレクトロを関連づけるものは見つかりませんでしたが、引き続き調べてみたいと思っています。

このペダルは3バンドのEQが特徴です。そのためコントロールノブが全部で5つになり、しかもかなり密集しているため、操作しづらいという難点があります。3バンドのEQといえば、マーシャルのガヴァナーもそうですが、DADDY Oはガヴァナーの回路を参考にしてつくられたようです。確かにサウンド的にはマーシャルライクなものになっています。
マニュアルのセッティング例を見ると、ブルース、ジャズ、カントリー、60年代ブリティッシュ・ロックなどがあり、多様なスタイルに対応できることをアピールしています。
そのセッティング例に「T.C.O.B」というのがあります。これはおそらくTake Care Of Businessのことだと思われますが、「やるべきことをやる」といった意味のフレーズがエフェクターのセッティングとどういう関係にあるのかが不思議に感じられます。フラットに近いセッティングなので最低限「やるべきことはやっている」ということなのでしょうか。これについてもネットで調べてみるとエルヴィス・プレスリーが好んで口にしたフレーズがTake Care Of Businessだったということがわかりました。もし、そのことが踏まえられているのだとすると、ロックンロールをやるのにちょうどいい感じの歪みということになるでしょうか。

いずれにしても、クランチからディストーション的な歪みまでをカバーしていますので、FAB TONEを持て余してしまうような場合にはDADDY Oがよいということになります。

DADDY Oといい、T.C.O.Bといい、日本人には微妙に伝わりにくいのですが、アメリカ人であれば労せずとも腑に落ちる感じなのでしょうか。
言葉はとりあえず置いておいて出てくる音がよければいいではないか。そういうわけで、私はこの大きな筐体のエフェクター群にますます魅かれていくのでした。

※追記
改めてマニュアルを見ると、The Gran Daddy of Overdrive と表記されているのを見つけました。オーヴァードライヴのおじいさん、ひいては模範となるようなオーヴァードライヴといった意味合いでしょう。まあ、それはそれで。
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