銅ですか?

2009-05-17 19:17:55 | Dano Column
金・銀・銅といえばオリンピックのメダルかな、とりあえず。エレクトリック・ギターの世界で金・銀・銅といえば、金はギブソン・レスポールのゴールドトップ、銀はグレッチのシルバースプルース、そして銅はダンエレクトロのブロンズフィニッシュということになる。
金や銀は貴金属として崇め奉られているけれど、銅は日常生活に広く用いられる金属ということになっている。ギターの世界でもギブソンやグレッチは高級品であり、ダンエレクトロは廉価品である。ダンエレクトロはギターを銅色にしたけれど、他のメーカーでそんな塗装をしたギターは見たことがない。高級感を出そうとして金や銀は使うことがあるけれども、わざわざ安っぽく見える銅にしようなどとは普通は思わない。

ダンエレクトロはなぜブロンズフィニッシュを採用したのかというのを考えてみると、もちろん、廉価ギターであることを自覚して、金や銀ではなく銅を採用したというわけではない。ちなみにダンエレクトロは今でこそレトロなギターなどと言われることが多いけれども、当時はモダンであることを強調していた。ダンエレクトロはsuperb toneで耳を喜ばせ、モダンなデザインで目を楽しませるというわけだ。

そんなわけで、50年代のモダンデザインの動向などいろいろ調べてみると、50年代のアメリカではコッパージュエリーの流行があったとのこと。コッパージュエリーそのものはそれこそ昔からあったけれども、マティス&ルノアールというところがモダンなデザインのコッパージュエリーを次々につくってそれが大きなトレンドになったのだそうだ。金や銀よりも銅の落ち着いた風合いが良いということだったようだけれども、ひょっとするとダンエレクトロのブロンズフィニッシュはこうしたコッパージュエリーの流行を反映してのものだったかもしれないという気がする。
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