小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

芥川龍之介の死

2011-11-02 17:18:40 | Weblog
芥川龍之介は、志賀直哉から、「一年ぐらい冬眠してみてはどうか」と勧められた。
(菊池寛か誰かに)創作で行き詰まっているなら、しばらく大学教授になってみてはどうか、とも勧められた。もっともな意見だと思う。しかし。

「芥川龍之介は、こうすれば死なずにすんだのでは(1)」

と思うことは、芥川龍之介の判断力、思考力が間違っていたと、芥川の思考力を低く見るものである。

「芥川龍之介の死は仕方がなかった(2)」

と思うのは、芥川龍之介の判断力、思考力の正しさを賞賛することである。

だが。芥川龍之介が精神も肉体も健康だったら、そういうことも言えると思うが。実際のところは。芥川は、不眠症でノイローゼで胃腸の具合かひどく悪く、精神も肉体もボロボロで、冷静に将来を考えることなど出来ない状態だった。と見るべきだろう。実際、芥川は、自分の自殺の動機を「ボンヤリとした不安」と言っている。

ちなみに三島由紀夫の自殺は、ほとんど100%(2)である。
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