医師国家試験は、2001年から三日の試験になった。医師国試験の各問題は、日本の選挙の小選挙区制的なのである。小選挙区とは、一つの選挙区から当選者を一人しか出せないから、死票が多くなるのである。投票の結果、A氏59票、B氏58票となったら、A氏だけが国会議員になれて、B氏は落選となるのである。実力的には、ほとんど互角なのに、結果は、A氏100点、B氏0点と採点されるようなものである。つまり、臨床問題では、問題文から、病名も診断でき、その病気に関する知識も、非常にたくさん知ってても、一つの、ひっかけ設問で間違えて、0点になってしまうことが非常に多い試験問題なのである。私の時は、二日の試験だった。受けた時は、もっと問題を増やしてほしいなあ、と思っていた。三日にして欲しいというより、二日目のD問題、E問題、が終わった後、一般問題を、もっとやって欲しいと思っていた。医学生は、全ての科目を勉強してきているから、運とか悪問題とかに左右されて落とされたくないから、多くの医学生は、問題は多い方がいいと思っていると思う。極端な話、医師国家試験が、たった一問だけの試験だったら、たまったものじゃない。(野口英世の頃の昔の、医師開業試験はそうだった)しかし、それは受ける本番の試験だけの話である。問題を増やし、試験を三日にすると、色々と面倒なことが起こっていると察する。一つには、模擬試験は、各医学部でどうやっているのであろうか?二日なら、ちょうど土日で試験ができる。三日にすると、金曜か月曜、学校の授業を休みにしなくてはならないではないか。それに問題が多すぎると、その復習が大変である。それが第一点。もう一つは。医師国家試験の勉強は、イヤーノートを教科書として、10年分くらいの過去問題を解くものであるから、一回の試験問題の量が多すぎると、過去10年分の問題量が多くなりすぎてしまう。つまり、医学生の、医師国家試験の勉強が、やりにくくなっているのではないか、と察する。二日間の試験の方が、量として勉強しやすいのである。簡単すぎる問題とか、重複する問題とか悪問とかを捨てて、適度な量にして、勉強すればいいじゃないか、と思うかもしれないが、医学生の感覚として、極めて、そうは出来にくいのである。国家試験は、五者択一の試験だが、五者択二の試験も出来て、二つとも正解でなければ、×とかいうのも、厳しすぎる、というか、変な問題だと思う。落ちた受験生は、鉄は熱いうちに鍛えよ、で、試験の翌日から、イヤーノートを教科書として勉強し、テコムの予備校に、全科目か、ある科目か、とにかく予備校と関わりを持つべきだ。これはホームページでも書いたが、予備校の教師には、医学の生き字引のような人がいるのである。テレビのクイズ番組の、頭脳王とかに出るような恐るべき記憶力を持っている人だろう。予備校の授業は、目から鱗が落ちる。私のように、生物や化学が苦手な者でも医師国家試験は通る。落ちる人は、勉強法を間違っているか、試験をナメている人か、自分のプライドに変にとらわれている人か、無気力症におちいっている人、のどれかだと思う。
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