’ちゃんg’ の ’ぶろg’

読書メーターの記事は娘へのメッセージです。将来、同じ本を読んでくれたら嬉しいです。

6月の読書メーター

2022-07-01 | Weblog

6月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1787
ナイス数:185

高瀬庄左衛門御留書高瀬庄左衛門御留書感想
年貢米の取れ高を検分する役目の郡役。妻延(のぶ)に先立たれ、後継ぎの啓一郎をお役目で亡くしてしまった庄左衛門。下士の身分で50前。うだつの上がらない毎日を絵心で消費する日常に不穏な強訴の動きが伸し掛かる。うぉー、これはもしかして俺TUEEE系?とワクワクして読んでたら(異世界アニメの見過ぎ)さにあらず。寂寥感が漂う夕暮れ時の描写にはノスタルジーがあふれ、軟禁後の逃避行の場面では乾いた心に水が染み込むようでした。「悔いを重ねて参りました。つまり普通であったと。」珠玉のセリフの数々、そして禁断のエロ!くぅ~~
30年前の映画で「ダメージ」っていうのがある。昔観た時は息子の年で、今はオヤジの年になってしまったなぁ~などと思い出しました。
読了日:06月26日 著者:砂原 浩太朗

さよなら神様さよなら神様感想
小学5年生の探偵団ごっこ。実際に周りで次々と殺人事件が発生し、自称神様の鈴木太郎君が各章の一行目で犯人を託宣する。小学5年生が「諂諛行為」なんて言葉使わねーよ、これホントに本格ミステリ大賞獲った話題作なのか??とか思って読んでた。3話目までは!!4話である事実が明らかになり、そして最終話での謎解きはまさに驚愕、これはスゴイ!疑ったりしてどうもすみませんでした。最後のハートマークが最&高!
読了日:06月25日 著者:麻耶 雄嵩

20歳のソウル (幻冬舎文庫)20歳のソウル (幻冬舎文庫)感想
まず、1ページ目の新聞投書欄の記事で涙腺がアヤシくなる。告別式までのカウントダウンと高校生活や彼女との交際など微笑ましいエピソードが交互に綴られるのだが、癌に侵されるということが無ければホント普通の青年だったんだなと思う。もっと普通に長生きして欲しかったのに、治療の経過と臨終の瞬間がリアルすぎて本当に死んでしまったんだと悟る。分厚く生きたなー、いや「市船soul」の中に生きているのか。それは少しうらやましいかもしれない。最終ページの本人写真は読んでた時のイメージと違った。違ったけどホッコリするね。
読了日:06月21日 著者:中井 由梨子

ブラックガードブラックガード感想
久しぶりの矢能とシオリン。商品と代金の受け渡しに指名され、半日で1000万円の報酬なんてヤバイ気しかしないぜ!終盤は拙速な気がしないでもないけれど楽しく読めました。もう矢能とシオリンのホンワカ~エピソードだけでいいんじゃないか?
読了日:06月21日 著者:木内 一裕

スノウブラインドスノウブラインド感想
なかなか手強かった。マニアのための本格推理小説って感じ。あまりリアリティーのないクローズドサークルで発生した密室殺人。ハサミも包丁もあるんだから電話線くらい直せよ、ってずっと思いながら読んでた。しかし、ディレッタントでペダンチックな探偵キャラが導く終盤の狂気は、なるほど執筆の動機が夢野久作らへのオマージュとあって現実と妄想の境界線が曖昧だ。著者が今まで貯めこんだ知識と趣味が全開の作品。叙述トリックもあるよ。
読了日:06月16日 著者:倉野 憲比古

ワンダフル・ライフワンダフル・ライフ感想
最初の4編を読んだ時に、うっすらと「繋がっているんだろうな」とは感じていたが、作者の意図でもあるので確信が得られず読み進めることにする。それより介護やハンディキャップの人に対する偏見、身障者の内面を描いた4つの軽くはないテーマにそのまま引き込まれていく。最後、エンドロールや年譜まで読んでみて、事実が綴られていると思われた本編までが虚構であったことを知る。真実を知り物語を再構築して読み返すと、決して幸せだったとは言えない一生のなかにもエンドロールのような分岐点が本当にあったかもしれない。素晴らしき哉、人生!
読了日:06月02日 著者:丸山 正樹

読書メーター

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5月の読書メーター | トップ | 7月の読書メーター »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事