8月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1956
ナイス数:167
脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説の感想
お医者さんでもなく専門家でもない、どっちかっていうとエンジニアな人。1962年生まれの人が42歳の時に書いた本。20年前の最新の研究成果が盛り込まれている。ARの概念がこの時あったとは驚き。恐怖や怒り、欲求は生物としての本能、それを昇華させたものが心であり、これこそが進化。コギト・エルゴ・スムがすべての始まり。などと語りたくなってくるような本。DNAには記憶が刻まれていると思う。年に1回、東京湾でゴカイが産卵のために一斉に海面にでてくるとかね。とても読みやすい。クオリアってSONYが良く使ってたなぁ。
読了日:08月28日 著者:前野 隆司
バッド・コップ・スクワッドの感想
木内一裕はいつも楽しみにしている作家さんですが、今回はいつもの冴えがなかったような。。。冒頭からバッド・コップのスクワッドが闇すぎる。所轄の刑事さんて、そんな拳銃持ってていいんだっけ?とか、交渉術をメインに描きたかったのね?とか、真樹さん、もうひと絡みして欲しかったな、とか。ちょっと消化不良。
読了日:08月28日 著者:木内 一裕
踏切の幽霊の感想
面白かった!幽霊話なんで現実には起こりえないんだけど、ホントにあったんじゃないか?ってくらいものすごくリアル。序盤の事件への巻き込まれ方から、少しずつ小出しにされる謎。その謎に対峙する際のアプローチがとても自然で物語にグイグイ引き込まれていく。ヘタに中途半端にならずに、幽霊の方からバンバン事件解決(?)に向けた向けたヒントが出てくる振り切り方が潔い。夏の夜の読書にピッタリです。
読了日:08月19日 著者:高野 和明
探花―隠蔽捜査9―の感想
ラストは怒涛の逮捕劇。でもまあ日米地位協定とか息子の失踪とかはいらなかったかな。探花とは中国の科挙で3番目の成績のこと。1位は状元、2位は榜眼なんだと。ハンモックナンバーは、もともと海軍で使っていた卒業席次のこと。
読了日:08月09日 著者:今野 敏
夏物語の感想
なんかすごいものを読んでしまった!豊胸手術やAID、不感症の話題から小説家と編集者の関係、文学スタイルについての主張がリアルすぎてこれは私小説だったのか?と思えるくらいの熱量と文字数(字が小さい)。それと全ての登場人物に感情移入できてしまう言語化能力の高さにビックリ。最後の方で夏子推しの理由、謎解きがみたいのがあって仙川さんが抱き着いたシーンがあとからジワジワくる。夏子の造形についての記述が少なかったんで川上未映子を調べたらめっちゃ美人!こんな人が夏子だったら絶対惚れてまうがな~。
読了日:08月06日 著者:川上 未映子
彩無き世界のノスタルジアの感想
「名も無き世界のエンドロール」の長いエピローグというかアナザーストーリーのような。「名も無き~」のエピソードがところどころに散りばめられていて、またあの世界に揺り戻される感じが懐かしい。おお、これがノスタルジアか。
読了日:08月06日 著者:行成 薫
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