’ちゃんg’ の ’ぶろg’

読書メーターの記事は娘へのメッセージです。将来、同じ本を読んでくれたら嬉しいです。

5月の読書メーター

2022-06-01 | Weblog

5月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2552
ナイス数:225

 

振袖の件は、ボッタクリじゃなくて娘がその展示会で一番高い振袖を選んだせいでした。オーイ・・



六人の嘘つきな大学生六人の嘘つきな大学生感想
評判通りの面白さでした!波多野祥吾のプロローグから始まる犯人捜し。就活の最終選考の会議室の中で起こった奇妙な事件。内定を勝ち取り就職できるのは誰か?いや~、何書いてもネタバレになりそう。でも、面接試験の裏側なんてホントそのまんま。誰がそんなに偉そうにしてんだよって話。就活中の学生にはみんなに読んでほしい。
読了日:05月29日 著者:浅倉 秋成


特攻基地 知覧 (角川文庫 緑 345-1)特攻基地 知覧 (角川文庫 緑 345-1)感想
著者は1908年生まれで大戦中は陸軍報道班員として従軍。戦後、丹念に収集した見聞は詳細を極め特攻隊のファクトとして貴重な資料となっている。終戦間近の軍部は進退窮まった事態に自分が死ねないのを他人に押し付ける思考停止の集団ヒステリー状態。高潔な人物もいたであろう反面、なにがなんでも自分だけは助かろうとした高級軍人が意外にも多かった。そりゃ、そうだろうて。登場人物は全て実在した人物だが、小説仕立てになっているので途中から違和感を覚えた。情報統制による不寛容と同調圧力が人間の本質なんだろうな。
読了日:05月28日 著者:高木 俊朗


失踪者 (講談社文庫)失踪者 (講談社文庫)感想
一人の登山家の生き様と死に様。自分の夢。人生を賭してまで成し遂げたかったこと。たった一人の友との約束。死を覚悟して、たった一人で眠りにつく瞬間の一抹の寂しさと満足感。満願成就した樋口は夢の中でヤマミチと再会し永遠へと旅立った。山岳小説は「銀嶺の人」以来かも。もういつ読んだか忘れた。登山道具もそのころに比べてずいぶん進化したようで、登攀場面でイメージしにくいところがあった。ポータレッジ(断崖絶壁に吊るす簡易テント)かー、興味はあるけど無理だなー。
読了日:05月23日 著者:下村 敦史


店長がバカすぎて店長がバカすぎて感想
吉祥寺にある中規模本屋さんで働く書店員さんのお仕事小説。バカな店長に振り回され、孤軍奮闘する主人公がのし上がっていくサクセスストーリーかと勝手に想像していたけれど、ちょっと違った。コメディ・タッチでホンワカする。それにしても、女性同士の会話がとても自然で早見和真って仮面作家だったっけ?とwikiってしまったよ。「小説家がバカすぎて」が特に面白かった。本屋さん、好きだな~。
読了日:05月18日 著者:早見和真


残月記残月記感想
とある瞬間に人生が入れ替わる「そして月がふりかえる」。そこはかとなく昭和の香りがする文体。石を抱いて眠ると夢を境に浮世と常世の間を行き来する「月景石」。独裁政治のディストピアとなった近未来の日本で、狼に至る病を発病した人間が古代ローマよろしくコロッセオで決闘する表題作「残月記」。小田ワールドとでもよぶべき独特の世界観で、結末が読めない行き当たりばったりな展開ながら実は恋愛小説だった。読後しばし余韻に浸る。なんか知らんけどスゴイもの読んでしまった。
読了日:05月15日 著者:小田 雅久仁


霧をはらう霧をはらう感想
久しぶりの徹夜本。点滴に薬物を混入され入院中の子供2人が犠牲となり1人には障害が残るが、混入したとされる容疑者の子供だけは軽傷で済んだ事件。容疑者であるお母さんがちょっと足りない、というか残念な人で、司直の手によりアレヨアレヨと凶悪殺人犯に仕立て上げられてしまう。この冤罪は最後にきっと晴らされるはず、と予想して読んでいても終始このお母さんの言動にフラストレーションが溜まる。由惟の勤め先や勇気を出して裁判の証人となるサイドストーリーが本編の裁判と合流する展開が素晴らしい。面白かった!
読了日:05月07日 著者:雫井 脩介


7.5グラムの奇跡7.5グラムの奇跡感想
かれこれウン十年のコンタクトレンズユーザーなので、眼科には定期的に通っている。検査してくれる人たちは視能訓練士というのか。訓練士というよりは検査技師。そんな資格があることも知らず。心因性視覚障害、円錐角膜、緑内障、白内障、ブドウ膜炎といった目の病気に纏わるエピソードが淡々と語られるのだが、ところどころにアーティスティックな表現が現れるのは作者の本業が水墨画家だからだろうか。7.5グラムの奇跡の意味も、実際に検査器具を使って目の中を覗いたことがある人だったら共感できるのかな?
読了日:05月07日 著者:砥上 裕將

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コメント
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